2016年12月28日水曜日

所得拡大税制、中小企業優遇を拡大へ

 社員の給料をアップした企業の法人税負担を軽くする「所得拡大促進税制」について、中小企業が2%以上賃上げしたときは最大減税額が22%に拡大されることになりそうです。

 国は減税幅の拡大で中小企業の賃上げを促す狙いです。

 現行制度では、

①給与支給総額が平成24年度から3%増加、

②給与支給総額が前年度以上、

③従業員1人当たりの平均給与が前年度以上

の3要件を満たす企業は、賃上げ総額の10%を法人税額から税額控除(中小企業は税額の最大20%、大企業は10%)できます。

 青色申告をしている個人事業主から大企業まで幅広く利用できる制度です。

 ここでいう「給与」は、所得税法上「給与所得」として課税される賞与や諸手当も含みます。



 これが税制改正により、

給料が前年度比2%以上の条件を満たす中小企業を対象に、

賃上げ総額の最大22%を法人税額から差し引く

ことができるようになります。

 積極的に賃上げに取り組む中小企業の税の軽減効果を大きくすることで、大企業並みの賃上げにつながるようにするとのことです。



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2016年12月27日火曜日

2017年1月1日より、共通報告基準に注意!

 2017年1月1日以後、共通報告基準(CRS)に基づいて、新たに日本の金融機関等に口座開設等をする場合には、金融機関等へ氏名、住所、居住地国等を記載した届出書(新規届出書)の提出が必要となります。


 既に口座開設等をしている場合でも、確認のため金融機関から同様の届出書(任意届出書)の提出を求められる場合があります。


 居住地国が外国の場合には、その居住地国における納税者番号の記載が必要となります。


 CRSとは、外国の金融機関の口座を通じた脱税及び租税回避に対応するため、2014年にOECD(経済協力開発機構)が策定した情報交換に関する国際基準で、各国の税務当局が行う自動的情報交換の対象となる非居住者の口座の特定方法や、情報の範囲等を共通化するものです。


 これを採用することにより、金融機関の事務負担が軽減し、金融資産の情報が効率的に交換されることで、国際的な課税逃れが減少することが期待されています。


 非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準であるCRSには、日本を含む各国がその実施を約束しました。


 この基準に基づき、各国の税務当局は、自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報の報告を受け、租税条約等の情報交換規定に基づき、その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供します。


 日本では、平成27年度税制改正により、2017年1月1日以後、新たに金融機関等に口座開設等を行う者等は、金融機関等へ居住地国名等を記載した届出書の提出が必要となり、国内に所在する金融機関等は、2018年以後、毎年4月30日までに特定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告し、報告された金融口座情報は、租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に交換されます。


 また、日本から外国に対して情報提供を行うとともに、外国から日本に対し、その国の金融機関等に保有される日本居住者の金融口座情報が提供されます。


 各国の税務当局は、それぞれの自国に所在する金融機関から非居住者(個人・法人等)に係る金融口座情報を報告させ、非居住者の各居住地国の税務当局に対して年一回まとめて互いに提供されます。


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2016年12月26日月曜日

預貯金とマイナンバー

◆預貯金のマイナンバー管理

 平成27年8月のマイナンバー法改正に伴い、国税通則法を改正し、銀行等に対し、マイナンバーによって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課す、としました。

 ただし、9月9日に改正公布されていますが、3年内施行ということで、まだ施行はされていません。

◆現在ある預貯金口座とマイナンバー

 銀行が個人の顧客に支払う利子の課税については、源泉分離課税で課税が終了することから、利子支払調書の提出が免除されており、銀行等の預金口座に関しマイナンバーを付す必要性も法的根拠もありません。

 それで、預金口座へのマイナンバー付番の根拠として、マネーロンダリング対策や、預金保険機構による預金者救済などでの名寄せ、災害時の迅速な対応といった場面で必要だから、との建前を出して、平成30年以降は口座への付番を預金者の任意の協力の下でできることに法制化しました。

◆改正通則法の付番管理

 税務当局には質問検査権があり、金融機関に対し従来より、過去数年間の預貯金情報の照会をしており、マイナンバー付番があれば、そのマイナンバーにより名寄せした情報の開示を金融機関に対して行うことは今後とも可能なところです。

 ところが、金融機関等をあまり信用していないのか、対応に不満があるのか、金融機関からの迅速・的確な回答を確保し、税務調査における預貯金調査の効率性を高める観点から、金融機関に対して、マイナンバーに紐付けて預貯金口座に関する情報を管理するという義務を課すこととしました。

 冒頭の改正法です。

◆マイナンバー告知強制があるかも

 預貯金者は金融機関から、保有する預貯金口座について、マイナンバーの告知を求められることが予想されますが、預貯金者における金融機関に対するマイナンバーの告知は、義務ではなく、あくまで任意です。

◆付番促進検討は3年後

 なお、預貯金口座へのマイナンバーの付番が進まないことも考え得るところですが、今般の番号改正法の附則において、本制度施行から3年後の見直し規定が設けられており、その時点で付番の状況等を踏まえ、更なる付番の促進に向けた施策の検討を行うこととされています。

 税金相談

2016年12月22日木曜日

所得税調査で発覚した所得隠匿事例

 平成27年度の所得税調査・消費税調査で発覚した申告漏れ事例を3つ紹介します。

 A氏はタックスヘイブン(租税回避地)であるX国に法人を立ち上げ、知的財産権を譲渡しました。

 法人はその知的財産権を、X国の居住者に買い値の数十倍の価格で転売。

 その利益の一部をA氏が受け取っていました。

 法人は事業実態のないペーパーカンパニーであり、知的財産権の譲渡益は実質的にA氏の所得でした。

 A氏は結局、国税当局から申告漏れ所得に課税されます。

 なお、A氏は「国外財産調書」を提出しておらず、未提出者へのペナルティーである「過少申告加算税額の5%加重」が適用されました。


 次に、個人事業とは別名義での口座の取り引きを隠していた事例を紹介します。

 海外から仕入れた商品のインターネット販売やネットオークションを行っていた個人事業主B氏は、他人名義の口座であれば当局に捕捉されないだろうと判断し、従業員名義の口座でも取引していました。

 従業員名義の口座については申告しなかったそうです。

 従業員の口座に加え、インターネット上の個人認証IDもB氏が管理していたため、当局はすべてB氏の事業上の所得であると判断し、所得税と消費税の追徴課税をしました。


 最後に、架空の領収書で利益を圧縮していた人の事例です。

 不動産譲渡所得があったC氏は、税務署に申告書を提出する際、実際の取り引きよりも低い額が記載された契約書と、架空の領収書を添付しました。

 C氏の狙いは譲渡価格を低くするとともに経費を高くすることによって税額を抑えるというものでした。

 国税当局の追及の結果、不動産の買い主と共謀していたことが発覚しています。

 税金相談

2016年12月21日水曜日

特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例

 平成28年税制改正では、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を進める観点から、検診等及び予防接種を受けている個人を対象として、特定一般用医薬品等購入費(いわゆるスイッチOTC医薬品の購入費用)について医療費控除の特例制度(いわゆるセルフメディケーション税制)が創設され、平成29年1月1日から適用されることとなりました。

 本稿では、特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例の概要と実務上の留意点について解説します。


Ⅰ 医療費控除の特例の概要

 居住者が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、その居住者がその年中に健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っているときのその年分の医療費控除については、その者の選択により、その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除きます。)の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が8万8千円を超える場合には、8万8千円)を、その居住者のその年分の総所得金額等から所得控除(以下「医療費控除の特例」といいます。)できることとされます(措法41の17の2①)。

 なお、地方税についても同様とされます(平成28年改正地方法附則4の4)。


Ⅱ 検診等及び予防接種の範囲

 上記Ⅰに掲げる「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」の範囲とは、

①特定健康審査(いわゆるメタボ健診)、

②定期健康診断(事業主健診)、

③健康診査(いわゆる人間ドック等で医療保険者が行うもの)、

④がん検診又は⑤予防接種(医師の関与があるものに限ります。)

とされます。

Ⅲ 控除対象医薬品の範囲
 上記Ⅰに掲げる「特定一般用医薬品等購入費」とは、その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果等が明らかに異なる要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして一定のものの購入の対価(医薬品の薬効の例:かぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬等)をいいます(措法41の17の2②)。

 厚生労働省では、これらの対象医薬品の

①医薬品の販売名、

②製造販売業者名、

③成分名

を記載した品名一覧表をホームページで公表しており、必要に応じて2か月に1回のペースで公表しています。

 平成29年1月1日より医療費控除の特例の適用を受ける場合には、上記Ⅲに掲げる特定一般用医薬品等購入費の集計が必要となります。

 これら医療費控除の特例の適用に係る証明書類であるレシート及び領収書等には、

①商品名、

②金額、

③商品が医療費控除の特例の対象商品である旨(注)、

④販売店名、

⑤購入日

が明記されたもの(これら①~⑤の事項が明記されていれば、キャッシュレジスターが発行するレシート又は手書きの領収書のいずれも可)とされます(平成28年10月4日事務連絡:厚生労働省医政局経済課)。

(注)上記③に掲げる「対象商品である旨の明記」において、キャッシュレジスターが発行するレシートで対応する場合は、次に掲げる要件が必要とされます。

(イ)商品名の前にマーク(例えば「★」)が付されるとともに、そのマークが付いている商品が医療費控除の特例の対象商品である旨(例えば「★印は医療費控除の特例の対象商品」)がレシートに記載されていること。

(ロ)対象商品のみの合計額が分けて記載されていること。


 税金相談

2016年12月20日火曜日

貢献度評価への転換

 近年“成果主義評価制度”が広く採用されていますが、さらに、最近ではその“成果”を、“貢献度”を基準として評価する制度である“貢献度評価”へ転換する企業が現われています。

◆“貢献度評価”とは

 “貢献度評価”とは、“成果”を個人やチームの業績を目標達成度などの評価に止まらず、その“成果”がチーム業績に貢献した度合を基準として評価する制度です。

 その評価対象は、結果としての業績のみでなく、成果を生み出した目標達成プロセスでの行動も含まれます。

◆“貢献度評価”のコンセプト

 ゲイリー・ハメル ミシガン大学教授が中心となり、世界トップクラスの経営学者達によって2008年に開催された会議で提唱された「マネジメント20」のコンセプトに基づいています。

 それは、「これからは、人間味あふれる組織が大切である」とされ、それは以下の3点に集約されます。

○チーム業績重視

○チームでの振り返り促進、真摯なフィードバックから社員同士で学び合う

○個別のフィードバックに基づき、チーム全体への貢献度を総意で決定

 これは、心の通い合う「信頼関係」に満ちた職場環境の大切さを説くもので、組織と人について次の3点を指摘しています。

・人材を活かせない場合に悪いのは組織であって人ではない。

・本来、人間は主体的に行動し、創造性も有し、情熱を傾けて仕事をしたいと思っている。

・組織がそれを妨げずに本人の力を解き放つことが大切だ。

◆経営者・管理者の留意点

 “貢献度評価”を導入する際は、「チームとしての目的・目標の達成とチームへの貢献度を重視する」ため、目標設定の段階から、社員が「自分達の目標が、所属する組織やチームの目標に繋がっているか、

 個々の役割に期待されている貢献を目指すものか」を相互に確認しながら目標設定を行なうよう誘導しましょう。

 また、目標達成度の自己評価では、チーム目標への貢献事実に関する仲間からの真摯な相互フィードバックに基づいて行なうよう指導し、その上で上司の評価を行ないましょう。

 税金相談

2016年12月19日月曜日

熊本地震での寄附金控除はふるさと納税ワンストップ特例に注意!

 熊本県では、2016年熊本地震により被害を受けた被災者を支援するため、2016年4月15日から義援金を募集しております。

 当初、義援金の募集については、2016年6月30日までとしておりましたが、被害が甚大で被災地の復旧・復興には期間を要し、今なお不便な生活を強いられている被災者が多数いることや義援金の申出が途切れなくあるなどの現状を踏まえ、2017年3月31日まで募集期間を延長しております。

 そして、個人が熊本県下や大分県下の災害対策本部に対して支払った義援金は、「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となります。

 また、個人が認定NPO法人や一定の要件を満たす公益社団法人・公益財団法人に対する寄附をした場合には、上記の寄附金控除に代えて、寄附金特別控除(税額控除)の適用が受けられます。

 いずれの場合も、確定申告によりそれぞれ一定額の所得控除や税額控除を受けることができます。

 ただし、これらの寄附とは別に、ふるさと納税を行っている場合には、注意が必要です。

 「ふるさと納税ワンストップ特例制度」により、一定の要件に該当しますと、確定申告が不要ですが、この特例の適用要件は、

 ①ふるさと納税先の自治体数が5団体以内であること

 ②ふるさと納税の寄附金控除を受ける目的以外で確定申告書の提出を要しない者であること

の2つに該当する必要があります。

 注意点は、「ふるさと納税の寄附金控除を受ける目的以外での確定申告書の提出」であり、これは、ふるさと納税以外の寄附金控除も含まれます。

 つまり、熊本地震の被災地等に寄附を行うなどして、確定申告によって寄附金控除を受ける場合には、ワンストップ特例の要件を満たさないため、ふるさと納税に係る寄附金控除についても確定申告をする必要があります。

 この目的以外の確定申告書の提出には、寄附金控除のほか、例えば医療費控除や適用初年度の住宅ローン控除などが該当することから、これらの適用を受ける場合にも、ワンストップ特例の適用はないものとして、すべて確定申告により控除を受けることになりますので、該当されます方は、ご注意ください。


 税金相談

2016年12月16日金曜日

商業簿記は今日的な論点を追加! 簿記2級が変わりました!

◆履歴書に「2級合格」と書いてあっても…

 11月20日は本年最後の日商簿記検定の試験日です。

 会計資格の人気が落ちてきたとはいえ、日商簿記1~4級の年間受験者は約55万人(平成27年)。これは大学入試センター試験の受験者数に匹敵します。

 中でも経理担当者に取得して頂きたいレベルは、まず2級です。

 ただ、履歴書に「簿記2級合格」と書かれていても、その方の実力の程はよくわかりません。

 ある税理士の先生の書籍に書かれていた例ですが、簿記2級を取得し、税理士試験受験経験あるというスタッフさんを採用し、入社初日に「売掛金は借方と貸方のどっち?」と尋ねたところ、「貸方?」という答えが返ってきたそうです。

 就職活動のために「とりあえず勉強した方」は、すぐに知識が抜けてしまうことがあるようです(仕事をしながら学べば良い部分がありますが…)。

 会計事務所に限らず、採用面接の段階で、「売掛金は借方?貸方?」というような、ごく簡単な質問も尋ねるのはこのためです。

◆平成28年に商業簿記の試験範囲見直し!

 とはいえ、簿記学習の範囲と会計実務で求められることが乖離していたという事実もあります。

 そのため、日商簿記2級の試験範囲が見直され、平成28年の試験では商業簿記の次のような論点の入れ替えが行われました(工業簿記は変わりません)。

○試験範囲から除外

 社債、特殊商品販売、繰延資産、本支店会計、手形の裏書・割引、大陸式決算法、特殊仕訳帳、荷為替など手形の扱い

○試験範囲に追加

 売上原価対立法、クレジット売掛金、電子記録債権、引当金、割賦購入、自社利用ソフウェア、資本剰余金からの配当ほか

◆今日的な論点がどんどん追加!

 さらに2級には、平成29年以降も次のような新論点が追加されます。

○平成29年度:連結会計、圧縮記帳、リース会計、外貨建取引

○平成30年度:税効果会計

 合格率も昔のイメージと違います。

 第136回(H26.2)の2級試験の合格率は41.6%であったに対し、ここ3回(第141~143回)の合格率は11.8%、14.8%、25.8%です。

 となると最近の簿記2級の合格者は、かなりの「強者」といえます。

 採用面接で「いつの簿記2級に合格したのですか?」と聞くことも増えるかもしれませんね。


 税金相談

2016年12月15日木曜日

平成28年度地域別最低賃金

◆今年も上がる時給額 上げ幅最大

 最低賃金とは国が賃金の最低限度額を定めた額以上の賃金を労働者に支払わなければならないと言う制度ですが最低賃金の決定は今年も10月に発令されています。

 比較可能な平成14年以降最大の上げ幅です。

 人口減により地方でも人手不足は深刻で最低賃金を引き上げて労働力確保を図る例が目立っています。

 中央最低賃金審議会は平成28年度の地域別最低賃金改定の状況を発表しました。

 都道府県別の引き上げ額は時給25円アップを最高に24円、22円、21円、と上がり幅が分けられ、全国加重平均は823円(25円引き上げ)です。

 若い世代の労働力流出に悩む地域が多く建設、小売業等で深刻化する人手不足の改善につなげるとしています。

◆都市部と地方部の格差は広がる

 最も時給が高いのは東京都の932円、最も低い額は宮崎、沖縄の714円でした。

 10月1日より中旬にかけて発効となります。

 毎年都市部の上がり幅が高いので都市部と地方部の格差は場所によっては縮小しているものの、最高額と最低額の差は最大で218円開いています。

 平成28年の改定額は以下の通りです。

【25円改定】

東京 932円 大阪 883円 愛知 845円
千葉 842円 神奈川930円 埼玉 845円
兵庫 819円

【24円改定】

茨城 771円 京都 831円 静岡 807円
三重 795円 滋賀 788円 栃木 775円
長野 770円 富山 770円 広島 793円

【22円改定】

北海道786円 宮城 748円 群馬 759円
新潟 753円 石川 757円 福井 754円
山梨 759円 岐阜 776円 奈良 762円
和歌山753円 岡山 757円 山口 753円
島根 718円 鳥取 715円 高知 715円
福岡 765円

【23円改定】

香川 742円

【21円改定】

青森 716円 秋田 716円 岩手 716円
山形 717円 福島 726円 愛媛 717円
徳島 716円 島根 718円 長崎 715円
佐賀 715円 熊本 715円 大分 715円
宮崎 714円 鹿児島715円 沖縄 714円


 税金相談


2016年12月14日水曜日

経済同友会:2017年度税制改正要望を公表!

 経済同友会は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、専業主婦らを優遇する配偶者控除を廃止して、その廃止による約1兆円の税収増財源を子育て世代支援に充てることを求めております。

 また、財政健全化に資する税制との観点から、消費税率10%への引上げを2019年10月に着実に実施することや消費税率10%を超える引上げを早期に検討するよう要望しております。

 そして、女性の勤労促進のため、配偶者控除(配偶者特別控除を含む)の完全廃止を提言しており、理由として、既婚女性が配偶者控除制度等を理由に勤労調整を行っている可能性を指摘しております。

 配偶者控除制度は1961年度税制改正で創設されましたが、その後、この制度が女性の勤労を阻害する要因との見方もあり、配偶者特別控除が導入され、現行税制では、特定の所得以上になっても世帯の手取りが逆転しない仕組みになっているといわれます。

 しかし、既婚女性の給与所得分布によれば、いずれの年齢層でも100万円付近が最も多くなっており、配偶者控除制度等を理由に勤労調整を行っている可能性は否めないとしております。

 そこで、配偶者控除等を廃止することで、勤労調整の要因を取り除くことができ、100万円付近で所得を調整している配偶者等のさらなる就労増が期待できるとしております。

 この配偶者控除廃止により生じる約1兆円の財源を「児童手当」の水準引上げなど子育て世代の支援に使うことを提案し、税制面から、子育てに伴う経済的負担を軽減させ、安心して子供を産み育てることができる環境を作ることが重要との考えを示しております。

 消費税率引上げについては、2019年10月の着実な実施を求め、さらに、消費税率を10%に引き上げただけでは財政健全化を達成することは困難と指摘しております。

 さらなる必要な増収策の財源として、基幹税として国民が広く薄く負担する消費税が望ましいとの考えを示し、消費税率の10%を超える引上げを早期に検討することを求めており、その際は、中小企業の負担へ配慮しながら、毎年1%ずつ自動的に引き上げるスキームも排除しないとしております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

 税金相談

2016年12月13日火曜日

男性の育休取得に助成金

◆男性の育休取得率伸びる

 厚生労働省から「平成27年度雇用均等基本調査」の結果が発表され、育児休業取得割合(取得率)が明らかになりました。

 これによると平成27年度に育児休業を取得した女性の割合は81.5%(前年度は86.6%)で、男性の取得割合は2.65%(前年2.30%)となり、男性は平成8年の調査開始より過去最高になったそうです。

 女性の取得率は平成20年(90.6%)をピークに伸び悩んでおり、ここ9年では最低となっています。


◆育児参加を阻むもの

 男性の取得率が伸びていると言っても政府目標の「2020年に13%」には程遠いと言えるでしょう。

 男性の育児休業取得が進まない背景には一番は男性が育児休業する事への抵抗感が、男性本人、職場の雰囲気、社会一般に根強く存在している事が挙げられます。

 育児休業を取ることが「職場に迷惑をかける」という意識が大きいと言います。

 共働きと専業主婦世帯では考え方も違っているかもしれませんが、子育て支援は会社の問題ではなく個人の問題であると言う考えもあります。

 しかし企業において両立支援に取り組むことは一定の質の職業能力の確保につながり従業員の勤労意欲の動機付けにもなるでしょう。

 少しずつではありますが男性の育児休業取得者は着実に増えてきています。


◆今年度から新設された両立支援助成金

 このような中で「両立支援助成金」の一つとして、男性労働者に育児休業を取得させた事業主に助成をおこなう「出生時両立支援助成金」が今年度から新設されています。

 支給対象者となるのは子の出生後8週間以内に開始する14日以上(中小企業では連続5日以上)の育児休業でありますが、過去3年以内に男性の育児休業取得者が出ている事業主は対象外です。

 支給額は中小企業では1人目が60万円(2人目以降15万円)となっています。

 また、雇用保険の育児休業給付金は「パパ・ママ育休プラス制度」を利用すると子が1歳2ヶ月になる前日までの間、育児休業給付金が支給されます。

 開始から180日までは給与の67%、181日からは50%が支給されます。


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2016年12月12日月曜日

国外居住親族の確認の手間増大

 今年の年末調整では、社員が適用する扶養控除、配偶者控除、障害者控除、配偶者特別控除の対象親族が国外居住者(日本の非居住者)であるなら、会社は「親族関係書類」や「送金関係書類」を社員から受け取る必要があります。

 本来は控除対象でない人を対象親族として報告するケースが相次いでいたため、海外に住んでいる親族の確認方法が厳格化されたものです。

 「親族関係書類」と「送金関係書類」は、親族が本当に社員(国内居住者)と同じ家計で生活し、送金がされているのかを確認するためのもの。

 親族関係書類は、戸籍の附票の写しや親族のパスポート、親族の氏名・住所・生年月日が記載された、外国の政府や公共団体が発行した証明書類を指します。

 送金関係書類は、金融機関が行う為替取引で社員から親族へ支払いが行われたことを示す書類か、クレジットカード会社が発行する、親族が商品を購入し、購入代金に当たる額を居住者から受け取ったことを示す書類などが該当します。

 海外に扶養親族を持つ人が扶養控除や配偶者控除を受けるには、確定申告や源泉徴収、年末調整のときにこれらの書類をそろえて提出しなければなりません。

 書類が外国語で作成されているのなら、訳文を用意して提出します。

 書類をそろえる手間は本人が負いますが、源泉徴収や年末調整をするのは会社です。


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2016年12月9日金曜日

タワマン節税、ついに規制

 政府は平成29年度税制改正大綱に、高層マンションの上層階の固定資産税額引き上げを盛り込む方針を固めました。

 固定資産税評価額と実勢価格の開きを利用した「タワマン節税」に、とうとう課税強化の網がかけられることとなります。

 マンションの固定資産税には「階層」という概念はなく、1階であろうと50階であろうと、同じ面積には同じ税額がかかっています。

 検討している新たな計算方法は、高層階ほど重負担に、低層階ほど軽負担にするというもの。

 おおよそ20階を境界線とし、それより上の階であれば固定資産評価額が現在より高くなるそうです。

 具体的な算定方法などは今後詰めるため、どの階層からどの程度税負担が増えるのかは未確定。

 政府は年末までに骨格を固めて税制改正大綱に盛り込み、早ければ再来年から新制度を開始する方針だとしています。

 今回の改正の目的は「実売価格と固定資産税評価額のギャップ」の解消です。

 50階以上あるようなタワーマンションでは、低層階との価格差が1億円以上開くことも珍しくないため、資産価値に差があるのに固定資産税が同一なのは不公平だという声が挙がっているというのが、与党の説明する見直しの理由です。

 さらに、近年富裕層の間で行われてきた相続税対策の手法である「タワマン節税」が狙い撃ちされることになります。

 不動産を相続財産として評価する際には、固定資産税評価額が算定基礎として用いられます。

 つまり階数やカド部屋といった要素は考慮されません。

 先述したように、マンションの分譲区画の固定資産税評価額は階数にかかわらず同一。それに対し、実際の取引価格は高層階ほど高くなる傾向があります。

 タワマン節税はその差を利用して、相続税負担を抑えるスキームです。


 税金相談


2016年12月8日木曜日

海外居住5年超でも相続税

 富裕層の国境を超えた税逃れを防止する取り組みの一環として、政府は国外に住む人への相続税の課税を強化する方針を固めました。

 保有する海外資産に日本の相続税が課税される要件を見直し、10年を超えて国外に住んでいないときには課税対象になるように変更します。

 現在の制度では、相続人と被相続人の両方が5年を超えて海外に住んでいると、海外資産に対しては日本国内での相続税は課されず、どちらか一方でも日本に住所があるか、海外に居住して5年以内であれば課税対象です。また要件を満たしていても、国内にある財産には日本の相続税がかかります。

 新制度は、現在5年超となっている居住期間の要件を10年超に引き上げるというもの。

 これまでは親子ともに海外に移住して5年を超えれば相続税の対象外となりましたが、今後はたとえ9年住んでいても日本の相続税が課せられることになります。

 近年、日本の資産家の間では、相続税率が著しく低いシンガポールやニュージーランドなどの国外に移住して資産を移し、日本での課税を免れる〝資産フライト〟が増えていました。

 これを受けて昨年7月には、出国時点での含み資産に課税する「国外転出時課税」制度がスタートしています。

 政府は、さらに課税要件となる年数を延ばすことで、税逃れのための海外移住を完全シャットアウトする構えです。


  税金相談

2016年12月7日水曜日

平成28年分 年末調整の留意点

 年末調整は、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足を精算する手続きです。

 平成28年分の年末調整にあたって留意すべき主な事項は、国外居住親族に係る扶養控除等の適用、通勤手当の非課税限度額の引き上げ、マイナンバーの記載等に関する事項です。


●国外居住親族に係る扶養控除等の適用

 平成28年1月1日以後に支払われる給与等の「源泉徴収」又は「年末調整」において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、親族関係書類(親族であることを証明する一定の書類)及び送金関係書類(生活費等に充てるために送金等をしたことを明らかにする一定の書類)の提出又は提示が必要となりました。


●通勤手当の非課税限度額引上げ

 平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当の非課税限度額が10万円から15万円に引上げられました。

 しかし、4月の改正前に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますので、改正後の非課税規定を適用した場合に過誤となる税額は、本年の年末調整の際に精算する必要があります。

 なお、既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続きは不要です。

 また、退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになります。


●年調関係書類に係るマイナンバーの記載

 年末調整関係書類のうち、

①保険料控除申告書、

②配偶者特別控除申告書、

③(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

については、平成28年4月1日以後に提出するものからマイナンバーの記載が不要とされています。

 給与の支払者が個人の場合には、これらの申告書にマイナンバーの付記は不要ですが、法人の場合には付記が必要です。

 なお、平成29年分から給与等の支払者が提供者のマイナンバー等を記載した一定の書類を備えている場合には、申告書への記載は不要とする取扱いが適用されます。


税金相談

2016年12月6日火曜日

文部科学省:2017年度税制改正要望を公表!

 文部科学省は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、ゴルフ場利用税の廃止を要望しております。

 ゴルフは、リオデジャネイロ五輪で復活し、東京五輪でも実施が決まっており、幅広くゴルフの振興を図り、国民が身近に親しむ環境を整備する上で重要として、ゴルフ競技団体や関係業界等を含め、ゴルフ場利用税の廃止に向けた動きを強めております。

 そもそもゴルフ場利用税は、1940年に国税として導入された入場税でしたが、その後、1954年にパチンコ店やマージャン店などとともに「娯楽施設利用税」という地方税となりました。

 さらに1989年の消費税創設に際して、国税の入場税は廃止され、娯楽施設利用税も、パチンコ・麻雀・射的場などの利用に係るものは廃止されましたが、ゴルフ場の利用行為に対してだけは「ゴルフ場利用税」と名称変更して存続しました。

 国体競技選手、年齢18歳未満の者や70歳以上の高齢者、障害者などは非課税ですが、その他の利用者には、1人1日当たりの施設利用に対し800円(標準税率)から1,200円(制限税率)課税されております。

 こうしたことから、関係者は、スポーツの中でゴルフだけが消費税と施設利用税との二重課税で公平性を欠いているなどとして廃止を主張しております。

 また、1993年に約1,480万人でしたゴルフ場利用者は、2014年には約720万人となり、この間、利用単価も大きく減少しており、業界では少しでも負担を減らしてゴルフ場に客を呼び戻したい事情がある模様です。

 一方、課税側の都道府県と交付金を受ける市町村は、廃止に反対しており、ゴルフ場の開発許可や周辺の道路整備にかかる行政サービスを賄う費用として欠かせないとしております。

 総務省も地方の貴重な財源だとして自治体を後押ししており、ゴルフ場利用税の税収は年間約500億円、うち7割がゴルフ場のある市町村に交付され、財政状況がひっ迫している地方財政にとっては貴重な財源となっております。

 東京五輪のゴルフ競技実施を契機に人気回復などを狙う業界側の廃止要望と財源を守りたい自治体の攻防が見受けられます。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年12月5日月曜日

年末にできる駆け込み節税

 個人であれば年末、法人であれば事業年度末が近づくと、1年間のおおよその所得額が把握できるようになります。

 所得が多くて多額の納税が必要になりそうなら、経費(損金)や所得控除の対象になる支出を増やして税負担を抑える方法を考えないと損をしかねません。

 年末や決算期の代表的な駆け込み節税策に、各種保険や共済に新たに加入する方法があります。

 生命保険のほか、取引先倒産リスクをカバーする「経営セーフティ共済」、火災保険とセットで加入する地震保険などの商品の1年間の保険料をこの時期に支払うと、来年分も含めて所得控除の対象になります。

 必要経費をこの時期にたくさん支出するのもひとつの手です。

 事業用固定資産の修繕を考えているのなら、修繕費用は必要経費として処理できるので、儲けが多かった個人事業主は年をまたがずに年内に支出するようにしましょう。

 所得税として徴収されるより、自分が望む地域に寄付をする「ふるさと納税」を使い、自治体からさまざまな返礼品を受け取る方法もあります。

 ふるさと納税を利用すると、寄付額のうち2千円を超えた金額が、住んでいる場所で納める所得税や個人住民税から差し引けます。

 使える枠は毎年リセットされます。

 年内に結婚して扶養親族が増えれば今年から配偶者控除を使えますが、税額の多寡だけで駆け込み結婚をする人はあまりいません。

 ほかの駆け込み節税策にしても、税金面のお得度だけを考えて無駄な支出をしてしまえば本末転倒です。

 年末の本格的な慌ただしさが来る前におおよその課税所得額を確認し、また節税につながる複数の選択肢を洗い出したうえで、自分にあった節税策を選ぶことが大切です。


税金相談



2016年12月2日金曜日

ついに日本もコーラ税の時代?

 世界保健機構(WHO)が糖分を多く含む清涼飲料へ20%の「砂糖税」をかけるよう各国に呼び掛けました。

 世界的に増加傾向にある糖尿病や肥満を防止するため、値上げによって消費を抑えるのがその目的です。

 「健康増進」を理由とした増税は日本でもたばこ税などで近年行われていて、世界的なトレンドといえそうです。

 WHOが発表した報告書によると、世界の肥満人口は直近30年で2倍以上に増加し、成人の総人口に占める割合は4割に達しつつあります。

 また糖尿病患者も30年余りの間に1億800万人から4億2200万人に増えています。

 糖分が多く含まれる清涼飲料の世界的な普及増が背景にあるとして、報告書では、仮に清涼飲料に20%の課税をすると、消費を2割減らすことが可能だと予測しています。

 糖分に税金を課する「砂糖税」は決してWHOが最初に言い出したことではありません。

 すでにメキシコやフランスなど一部の国では「砂糖税」が実際に導入しており、WHOの推計もそれらの実績を基に予測されたものです。

 英国でも2018年から、100ミリリットル中5グラム以上の糖分を含むソフトドリンクを製造・輸入する企業に「砂糖税」を課すことを決定しています。

 税収は年間800億円に上る見込みです。

 では日本はというと、かつて1901年に砂糖消費税が導入されたことがあります。

 当時の砂糖は輸入品が多くぜいたく品とみなされたためですが、砂糖への課税はその後長く続き、89年の消費税開始時まで存在していました。

 さらに昨年、厚生労働省の有識者会議で、増大する社会保障費の財源確保策として、砂糖に対する課税が提案されています。

 消費を減らして糖尿病リスクを抑制すると同時に、税収を医療費に充てて財源確保にも役立てることを目論んだもので、あまり検討されることもなくお蔵入りとなりました。

2016年12月1日木曜日

預貯金も分割協議の対象に

 被相続人の預貯金は相続人同士で自由に話し合って遺産分割できず、民法で定められた通りに各相続人が受け取るという最高裁の判例が見直されることになりそうです。

 これによって遺産分割で預貯金も不動産や株式などの資産と同様に扱われます。

 遺産相続の際の預貯金の取り分をめぐって争われている審判で最高裁大法廷は10月19日、当事者双方の意見を聞く弁論を開きました。

 大法廷は判例変更が行われる際に開かれるため、判例が変更される可能性が極めて高くなります。

 判例が変更になれば、預貯金が相続人の話し合いで遺産分割することができ、相続人全員の合意がなくても、裁判所の判断で事例に応じた配分が可能になります。

 判決は年内に出される見通し。

 遺産分割は、遺言書がないときや、遺言書に記載されていない財産が見つかると相続人が話し合いによって取り分を決めるのが基本。

 相続人全員の合意が得られず、話し合いが決裂すると、裁判所に判断を仰ぐことになります。

 不動産や株式などについては裁判所に申し立て、取り分を決定することができますが、預貯金については審判の対象外とされ、取り分は民法の規定に従って相続するとされていました。

 それは、最高裁の判決で預貯金のように分けることができる債権は「自動で(法定の相続分を)受け取れる」と示され、この判例に基づき預貯金は原則として、話し合いによる遺産分割の対象に含めてこなかったからです。

 ただし、裁判所の実務では相続人全員の合意があれば、預貯金を遺産分割の対象に含めています。

 例えば、遺族ふたりで法定相続割合が2分の1だったときに、協議の結果、ひとりは預金が7割、もう一人は土地と預金3割を相続するというようなことが行われてきました。

 しかし、相続人全員の合意が得られない場合が問題になっていたのです。

2016年11月30日水曜日

日本公認会計士協会:2017年度税制改正要望を公表!

 日本公認会計士協会は、2017年度税制改正意見・要望書を公表しました。

 それによりますと、「政策的要望」と「個別的要望」に分類し、主としてわが国の税制の構造的問題に関して意見・要望を行う「政策的要望」では、税の中立性の原則に立脚し、IFRS普及の妨げにならないよう必要な法人税法改正を行うことなど合計8項目の意見・要望を行い、「個別的要望」では、税目ごとに合計60項目の意見・要望を行っております。

 政策的要望において、法人税法における課税所得計算と企業会計の調整について、

①税の中立性の原則に立脚し、IFRS普及の妨げにならないよう必要な法人税法改正を行うこと

②法人税法の改正に当たっては、企業会計の基準を十分に尊重することを要望しております。

 IFRSの国際的な普及が進むなか、企業が選択できる会計基準の幅が広がる一方で、税における損金経理要件が妨げとなり、この点、税の中立性を損なうおそれがあると指摘しております。

 そして、IFRS等の上場企業に適用される会計基準や法制度をめぐる論議を注視した上で、税務と会計が結果として異なることもあり得ることを前提に、別表上申告調整したものも会社の確定した意思表示として広く認めるなどの損金経理要件の見直しを弾力的に検討することを求めております。

 また、法人税法の改正にあたっては、企業会計の基準を十分に尊重し、会計と税務がいたずらに乖離することのないよう、見直し又は配慮も求めております。

 さらに、消費税の軽減税率制度及びインボイス制度については、

①消費者及び事業者が混乱しないよう軽減税率の対象品目の区別が明瞭な制度設計をすること

②軽減税率制度の導入に当たっては、新たな益税が発生しないよう配慮すること

③軽減税率制度とともに導入されるインボイス制度について、事業者において混乱のない導入可能な制度設計とすること

の3点を要望事項として掲げております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月29日火曜日

日本証券業協会など:2017年度税制改正を公表!

 日本証券業協会、投資信託協会、全国証券取引所の3団体は、2017年度税制改正を公表しました。

 それによりますと、NISA(少額投資非課税制度)及びジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)が国民の中長期的な資産形成手段として幅広く普及・定着するよう、非課税制度の恒久化を図ることや、金融資産の世代間移転を後押しする相続税等に関する税制優遇措置などを盛り込んでおります。

 「貯蓄から投資へ」の流れを加速し、家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置として、NISA及びジュニアNISAに係る非課税期間の恒久化を要望しております。

 非課税期間の恒久化・延長が図られない場合には、非課税期間終了時の対応として、含み損商品の払出し時の取得価額の特例措置、ロールオーバーの上限額の撤廃、その他手続きの簡素化等の措置などを講じることを求めております。

 また、国民が中長期的な投資を行う環境を整備し、自助努力による資産形成を支援する観点から、両制度における口座開設期間の恒久化を求めております。

 さらに非課税期間の恒久化を前提として、NISA及びジュニアNISAにおけるスイッチング(取得した上場株式等の売却代金の範囲内での他の上場株式等の再取得)を認めること、払出し制限の緩和等及び贈与税の基礎控除額の特例等の措置も求めております。

 その他、デリバティブ取引を金融商品に係る損益通算の範囲に含めるとともに、特定口座での取扱いを可能とするなどの金融所得課税一体化の促進等や上場株式等の譲渡損失の繰越控除期間の延長、上場株式等の相続税評価額等の見直しなどの要望事項を盛り込んでおります。

 また、マイナンバー制度の導入に伴う税務分野での利用促進のため、個人番号を活用し、投資者の利便性を向上させる観点から、税務署において金融機関から提出された特定口座年間取引報告書等を適時に参照できる態勢が構築されることを前提として、顧客に交付される支払通知書又は特定口座年間取引報告書については、確定申告書への添付義務を免除することなども求めております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月28日月曜日

2つのはしご

 専門職の活躍が事業推進のカギを握っている企業では、よく“2つのはしご(複線人事)”を活用しています。

 “2つのはしご”は、等級制度に管理職系統と専門職系統の2つを準備し、賃金制度・人材育成制度などの人事賃金制度と関連付けて運用する“複線型人事制度”で、それに対置するのは昇進ルートを管理職系統のみとする“単線型人事制度”です。

◆“2つのはしご”が生まれた背景

 パラレルに設定される“2つのはしご”採用の背景には、次のように企業側・社員側それぞれのニーズがあります。

①企業が、市場・顧客・技術・法律など外部環境の変化に対応していくため、新商品・サービスの開発などに専門職の育成・活用が不可欠となってきたこと

②管理職系統だけの昇進制度だけでは、多様化した社員のロイヤリティーを維持することが困難になってきたこと

◆“2つのはしご”の姿

 通常、次の“2つのはしご”が用意され、それぞれ等級制度を基軸として、賃金制度・人材育成制度・評価制度・目標管理制度などと連動して運用されます。

①会社全体や部門の運営を司るポジションである管理職へのキャリアパス・管理職等級制度

②上記①とパラレルな位置付けで、担当分野における深い知識・技術・経験をもち、かつ担当事業領域で、相応の影響力を行使して貢献できるプロフェッショナルへのキャリアパス・専門職等級制度

③上記①②の等級は、「人の格付け」ではなく、「仕事の格付け」であり、職務内容の変更や、経営上の重要度が変われば、等級の変更が行なわれる「役割・職務等級制度」である

◆経営者・管理者の留意点

 “2つのはしご”を効果的に活用し、社員の活躍に結び付けるために次の点に留意しましょう。

①“2つのキャリアパス”にある個々の社員にとって、ストレッチな(努力してようやく手が届く)水準の目標設定へ誘導すること。

②「成果と貢献したプロセス行動の事実」に注目して、会社・部門目標への貢献度を基準として評価すること。

2016年11月25日金曜日

租税回避策、税理士に開示義務

◆租税回避とは

 日本での解釈としては、脱税は違法な行為、節税は予定された合法行為、租税回避は合法だが行為計算否認規定により不当な行為とされる可能性のあるもの、です。

 でも、完全親会社が子会社に自己株を取得させて欠損金創出をした上で更正期間経過後の欠損金利用可能期間に連結納税を選択したIBMには租税回避の意図は認められないと判決されています。

 他方、適格組織再編の特定役員引継要件を充たすための形式的な役員就任では役員の実質を備えていないとして、YAHOOは租税回避のための規定の濫用をしていると判決されています。

 両判決は、むしろ反対の結論だった方が整合性があります。

 一般に、租税回避は100%“NO”とも“YES”とも言い切れないグレーゾーンと解されており、その定義的解説はますます難しくなっています。

◆英語では

 英語でも、Tax Saving は節税の意味で、これが問題視されることはありません。

 それに比べ、英語でTax Avoidance と言われるものは、不当な租税回避行為、とのニュアンスで理解されているようで、日本語の租税回避よりもネガティブです。

 米国では、Tax Planningは大きな市場をもっており、Tax Planning商品のことをTax Shelterと言い、これには必ずしもネガティブなニュアンスはありません。

 米国では、Aggressive Tax Planning としての商品たるAbusive Tax Shelterと言われる、過激な、過度な Tax Shelterが問題視されています。

◆国際的潮流としての問題視

 2015 年10 月5日に公表されたOECDの「税源浸食と利益移転(BEPS)プログラム」の最終報告行動計画12 では、「Aggressive Tax Planning」について、政府への報告を義務化すべしとしています。

 最近の新聞報道によると、日本でも、租税回避策を実行したら、そのスキームを税務当局に報告すべしとの制度が来年度の税制改正で立法化されるようです。

 実施は2018年度からで、報告義務違反には罰則があり、租税回避策を作る税理士や租税回避策の提供を受ける企業が報告義務の対象になり、報告義務の有る税理士は顧客企業のリストの提出も求められます。

2016年11月24日木曜日

法定相続分の配偶者厚遇に反論続々

 法務大臣の諮問機関である法制審議会(高橋宏志会長)は、相続部会がまとめた中間試案のうち、配偶者の法定相続分を引き上げる案について、大幅に修正する方針を固めました。

 法務省が7月~9月にパブリックコメント(意見公募)を求めたところ、反対意見が多かったためで、同部会で引き続き議論し、来年中に意見をまとめて法相に答申します。

 中間試案では、

①配偶者の居住権保護、

②配偶者の相続分見直し、

③相続人以外の金銭請求、

④遺言請求の見直し

などが盛り込まれていました。

 このうち②の配偶者の相続分の見直しについて同部会で議論が継続されます。

 結婚から20~30年過ぎた配偶者は子どもと法定相続分を分ける割合を現行の2分の1から3分の2に引き上げるとされていましたが、これに加え、結婚後に夫婦の財産が増えた分に応じて、配偶者の相続分を増やす案も示されていました。

 これに対してパブリックコメントでは、「夫婦関係が破たんしていた場合も引き上げるのは良くない」「配偶者だけが財産増加に貢献したわけではない」などの意見が相次ぎました。

 相続法制の大規模な改正は1980年以来。2013年9月に最高裁が出した判断がきっかけです。

 最高裁は結婚していない男女の子(婚外子)の相続分を結婚した夫婦の子の半分とする民法規定を違憲と判断。

 判決を受け、民法改正が行われましたが、自民党から「正妻や子の権利が必要だ」との声が上がっていました。

 昨年2月、当時の上川陽子法相が相続に関する規定の見直しを法制審に諮問していました。

2016年11月22日火曜日

マルサが夜中もやってくる!

 国税当局は、脱税調査をする査察官が夜間でも強制調査できるようにするため、査察制度の手続きを定めた国税犯則取締法(国犯法)を改正する検討に入りました。

 今後、政府・与党の税制調査会に見直し案を示し、税制改正大綱に盛り込む方針です。

 国犯法は明治時代に定められ、条文はカタカナ表記のままです。

 国犯法では、日没から日の出までは強制調査をしてはならないと定められてきました。

 このため、裁判所の許可を得て、査察官が捜索や押収などの強制調査をしている最中に新たに捜索すべき拠点が見つかったとしても、日没までに手続きが間に合わなければ強制調査が翌日に持ち越しになってしまっていました。

 「弾力的な調査ができず、脱税証拠がなくなる可能性もある」(国税庁)との懸念が以前からあったのです。

 刑事訴訟法や独占禁止法、金融商品取引法などでは夜間の捜査・調査は認められていることから国犯法も見直すことになりました。

 調査対象に関係する郵便物が郵便局にあった場合、刑訴法などと同様に裁判所の許可があれば差し押さえできるようにもします。

 調査の質の向上につなげる考えです。

 また、新たにインターネット上に保存されているデータやメールなどの情報を押収して調査できる権限も設けます。

 最近の脱税事件は、国際化が進むなど複雑になっているうえに証拠となるデータのやり取りも書類ではなく、ネット上で行われるケースが増加。パソコンなどの機器を押収してもデータはインターネット上にあって捉えきれないこともあります。

 現在は任意でネットサービスを提供する企業などにデータを提出してもらっている状態のため、法律に定めて明確化します。

 なお、刑訴法ではすでに対応済みです。

2016年11月21日月曜日

日本商工会議所:2017年度税制改正要望を公表!

 日本商工会議所は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、非上場株式の評価額は、企業価値を高めるほど上昇しますが、換金性がない非上場株式に課される相続税は、中小企業の成長に必要な経営基盤の承継を阻害することから、取引相場のない株式の評価方法、事業承継税制の抜本的見直しが必要としております。

 中小企業の事業承継の円滑化に向けた税制措置の拡充として、事業継続を前提とした、配当重視の評価方法への抜本的見直しを要望しております。

 中小企業にとって、自社株式の財産価値は、議決権と配当期待権以外になく、事業承継時の非上場株式は、会社の清算を前提とした貸借対照表上の純資産によったアプローチではなく、配当還元方式の適用拡大など、議決権の保有によって生じる配当を重視した評価方法とすべきとしております。

 そして、現行の取引相場のない株式の評価方法において、下記の改善点を示しております。

①類似業種比準価額方式の見直し(類似業種の比準要素、平均株価の対象期間、利益比準3倍等)

②純資産価額方式は、負債の範囲を見直し、退職給与引当金、賞与引当金を含める

③同族株主判定の際に基準となる6親等内の血族(はとこ)、3親等内の姻族(配偶者の甥・姪)は、親族関係が希薄化した現在では馴染まないため、同族判定範囲を縮小

 また、事業承継税制の抜本的な見直しについて、現行、納税猶予割合が約5割では効果が弱く、利用が進まないことから、発行議決権株式総数2/3制限の撤廃や、納税猶予割合の100%への引上げ、兄弟等複数人での承継の納税猶予への対象化を要望しております。

 さらに、人手不足下での厳しい採用環境や、大規模な災害や急激な経済の悪化等により雇用維持が困難となるケースに対応した雇用維持要件の一層の緩和を求めております。

 その他、2017年度改正において見直しの焦点となりそうな配偶者控除については、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除を一本化し、所得額によらず税負担の軽減額が一定となる税額控除制度へ移行すべきとしております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月18日金曜日

豊洲市場問題で注目「土壌汚染」 土壌汚染がある土地の会計処理

◆都・築地市場の豊洲新市場への移転を延期

 東京都の豊洲市場問題(盛り土問題)。

 小池都知事は、「都民ファースト」の観点から

①安全性への懸念、

②巨額かつ不透明な費用の増加、

③情報公開の不足

の3つの疑問点が解消されていないことを理由として新市場の移転を延期しました。

 肝心の「汚染が解消されているのか」という点も専門家により、かなり意見が異なるようですね。


◆大法人では「土壌汚染」は減損テスト対象

 法人所有の土地でも、土壌汚染対策法に規定するような「土壌汚染」のあることが判明すれば、汚染除去義務が課せられます。

 こちらも除去費用も多額に生ずることになり、土地利用も制約され、当然、土地の価格の下落要因となるでしょう。

 大法人では、このような状況を財務諸表に反映させるための会計処理が用意されています。

 一つは減損会計です。

 資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、貸借対照表の帳簿価額に価値下落を反映させる手続のことです。

 土壌汚染がある土地は減損テストの対象となります。


◆資産除去債務or引当金の計上も必要

 二つ目は資産除去債務の計上です。

 資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって、その除去時に法令や契約により要求される除去コストです。

 この除去コストを現在割引価値で貸借対照表の負債に計上するとともに、この債務に応ずる除去費用を、その有形固定資産の簿価に上乗せします(償却資産の場合は減価償却で費用化)。

 もし、減損会計と資産除去債務のどちらも対象となる場合には、除去費用部分を二重に認識しないように、減損会計の計算上、将来CFを計算します。

 最後は、引当金です。

 土地汚染の浄化義務が資産の除去時でないときや通常の使用によらないとき、法令等で要求されていないときは、資産除去債務に該当しません。

 このような場合でも、発生の可能性が高く、金額が合理的に見積もることができるときは、引当金を貸借対照表の負債に計上することになります。


◆税法や中小企業会計では?

 これらの処理は公正妥当な会計処理であっても、現行の法人税法では認められていませんので、税務は税務で考えることになります。

 中小企業会計指針では固定資産の減損(相当の減額)は求められていますが、資産除去債務は強制されていません。

2016年11月17日木曜日

退職金は何のためにあるのか

◆適年廃止後の退職金制度はどうなってる?

 長期勤務に対する報奨と理解されている退職金制度ですが、中小企業の多くが利用してきた税制適格年金制度(適年)の廃止から4年半、この制度を導入していた企業は「中小企業退職金共済制度」(中退共)へ移行した企業が一番多かったようです。

 また、平成26年度の法改正でそこから5年で多くの厚生年金基金は解散してゆくことになっています。

 厚生年金基金を退職金の一部にしている企業ではこの対策も考える必要があります。


◆退職金制度のメリット・デメリット

 退職金は企業と従業員の労働契約により支払われる賃金制度の一部です。

 そうならば給与や賞与で払えば退職金は支払わない選択もあるでしょう。

 その分給与水準を高くし、月々の給与に退職金額を上乗せした前払い退職金制度にしているところもあります。

 但し社会保険料が上がり毎月の給与額も時間と共に当然と感じてしまい、給与を高くした意味が薄れることもあり得ます。

 厚労省の調査によると、従業員30人以上の企業では7割5分が退職金制度を導入しているそうです。

 導入のメリットとしては、良い人材の確保のしやすさ、長期的勤務推進策、定年や早期退職の円滑化策、不況期の雇用調整、従業員の不法行為の制御、退職者の競業避止義務や守秘義務の対価として等があります。

 従業員側は退職後の必要費用を賄う、企業への満足度の高まり、入社時の決定理由、長期勤務がメリット、税制上の優遇措置等があります。

 一方デメリットとしては経営状態にかかわらず一時的に多額の支払いが生じる場合があるので、決算や資金繰りに悪影響を与えることがあります。

 また、運用悪化等があれば積立額のチェックも必要になります。


◆退職金の資金準備

 複数の退職者が一度に発生すると企業にとって退職金の負担は大きくなり、多額の現金が必要になることは資金繰りを悪化させるおそれもあります。

 予め手当てしておくことは大切です。

 どこに資金をプールするかと言うと、先の調査では社内準備約6割強、中退共約4割、特退共やその他が少しあります。

 社内準備は銀行と生命保険の利用があります。

2016年11月16日水曜日

非正規雇用者数が3%増加

 国税庁が公表した民間給与実態統計調査によると、非正規雇用者の割合が高まっていることや、企業規模による給料格差が根強く残っていることが明らかになりました。

 1年通じて勤務した給与所得者は4794万人で、前年に比べて0.8%増加しています。

 一人当たりの給与は420万4千円で、平成24年の408万円を底に3年連続で前年から増えました。

 給与所得者のうち、正規雇用者は前年から1.2%増加して3142万人、非正規雇用は3%増加して1123万人と、非正規雇用者が大幅に増えています。

 正規雇用者の平均給与は485万円であるのに対し、非正規雇用者は171万円。

 アベノミクスで雇用が増えたとされますが、所得が比較的少ない非正規雇用者の増加が雇用を押し上げているようです。

 平均給与を資本金別にみると、資本金2千万円未満の会社は359万6千円(前年352万5千円)だったのに対し、1億~10億円は460万5千円(同451万7千円)、10億円以上は577万8千円(同578万8千円)と、規模の差によって依然大きな開きがあることが分かります。

 従業員人数別でみても、従業員10人未満の会社は337万2千円(前年330万6千円)でしたが、1千~5千人の会社は491万8千円(同485万7千円)、5千人以上は503万2千円(同507万8千円)で、中小企業がなかなか賃上げに踏み切れない状況であることを示しています。

2016年11月15日火曜日

個人型DCの愛称が「iDeCo」に

 全国銀行協会や生命保険協会など金融関連団体で組織する「確定拠出年金普及・推進協議会」は、個人型の確定拠出年金(DC)の愛称を「iDeCo(イデコ)」に決定したと発表しました。

 金融機関はすでにこの愛称を使って自社商品のPRを始めています。

 「iDeCo」は個人型確定拠出年金の英語表記の単語の一部で構成されたもの。

 4351件の応募のなかから30代女性の案が選ばれました。

 「i」には「私」という意味が込められていて、協議会は「自分で運用する年金の特徴をとらえている」と評価しました。

 確定拠出年金は、毎月決まった額を拠出し、その積立金を基に本人が資産運用し、損益が給付額に反映される年金制度。

 将来の給付額が決まっている確定給付年金と異なり、毎月どれだけ支払うかは定められている代わりに、将来もらえる額は確定しません。

 投資時や年金受取時には税優遇が受けられます。

 個人で入る「個人型」と会社ごとに入る「企業型」があり、来年以降、これまで自営業者や企業年金のない会社員が対象だった個人型につき、主婦(加入対象約400万人)や公務員(同900万人)、すでに企業年金に入っている会社員(同1300万人)が加わることになります。

2016年11月14日月曜日

被相続人のマイナンバー不要に

 今年1月1日以降の相続税申告書には被相続人のマイナンバーを記載する必要がありましたが、10月以降に提出する申告書からは記載が不要になりました。

 マイナンバー制度の導入に伴い、今年1月1日以降に相続・遺贈で取得した財産に掛かる相続税の申告書には、被相続人のマイナンバーを記載することとされていました。

 しかし、納税者から国税当局に対し、「故人から相続後に個人番号の提供を受けられないし、相続前に個人番号の提供を受けるのは親族間であっても抵抗がある」といった意見が寄せられたそうです。

 そこで当局は関係省庁と協議。新たな通達によってマイナンバーの記載を不要とし、9月30日に「相続税の申告書への被相続人の個人番号の記載にかかる取り扱いの変更について」とした文書によって納税者に周知しました。

 マイナンバー制度の開始からわずか9カ月で取り扱いが変更されたことになります。

 国税庁は、改訂前の申告書様式を使うときは被相続人の個人番号を記載せず、空欄で提出するように呼び掛けています。

 また、すでに提出した申告書については、税務署がすべて個人番号欄を黒塗りにするとしています。

2016年11月11日金曜日

印紙貼り忘れで過怠税3千万円超え

 兵庫県警の警察官や職員らを組合員とする金融機関「兵庫県警察信用組合」(神戸市)が、課税文書への収入印紙への貼り忘れで、約2900万円分の印紙税を納めていなかったことが分かりました。

 その後、印紙税の規定に従い過怠税約3100万円を納めたものの、もし気付くのがさらに遅れていれば、税負担は9千万円近くになっていた可能性もあります。

 印紙税は、不動産契約書や手形、領収書などの法で定められた取引文書について、記載金額に応じた額を納めなければならないもの。

 印紙税額は5千万円を超える不動産契約書であれば1通6万円を超えるため、額の大きい取引を多くこなす企業や団体であれば、印紙税の負担は巨額なものとなります。

 兵庫県警信組は、他の信用組合で同様の納付漏れがあったため内部調査をして、疑わしいものがあったので税務署に相談したところ、納付漏れを指摘されたとのことです。

 信組が納付していなかったのは、昨年11月までの3年間に扱った住宅ローンの申込書にかかる税金。

 印紙税の規定上、住宅ローン申込書はおおむね非課税ですが、同信組の作成した書類は名称が「申込書」であっても実際には契約成立を意味する文言が盛り込まれていたため、課税文書に当たる実質上の契約書と認定されました。

 印紙税の納付漏れにかかる過怠税は、納付していなかった税額の1.1倍です。

 そのため信組は、不納付2900万円の1.1倍に当たる約3100万円を納めました。

 1.1倍というのは、あくまで調査を受ける前に自発的に納付漏れに気付いて納めたときの話で、税務署などの調査によって発覚したケースだと、過怠税はなんと当初の税額の3倍になります。

 もし課税当局の指摘によって初めて気付いていた場合、同信組が納めなければならない税額は2900万円の3倍に当たる8700万円となっていたわけです。

2016年11月10日木曜日

厚生労働省:2017年度税制改正要望を公表!

 厚生労働省は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、医療機関の設備投資に関する特例措置の創設などを要望しております。

 具体的には、都道府県で策定された地域医療構想に沿った病床の機能分化・連携に資する医療機関が取得した一定の固定資産について、2年間の特別措置として特別償却または税額控除制度を選択適用できるようにします。

 医療機関における収入の大半は社会保険診療報酬ですが、社会保険診療は消費税の非課税取引であるため、仕入れた医薬品や医療器具・備品、充実した医療の提供に欠かせない医療機器をはじめとする設備投資にかかった消費税を転嫁することができません。

 こうした控除対象外消費税の負担が医療機関の利益を圧迫し、設備投資を抑制する一因になっているといわれております。

 一方で、各都道府県では今後、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、「地域医療構想」に基づいて病床の機能分化や連携を進めていくこととされております。

 地域医療構想とは、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、地域の実情に合わせた方向性を定めていくもので、2014年にできた医療介護総合確保推進法に基づいて各都道府県が策定を義務づけられております。

 外来は掛かりつけの診療所へ、入院は病院へ、病状が深刻なら大病院へ、といった役割分担をすることで、医療機関の混雑を緩和し、患者が状態にふさわしい医療サービスを受けられるようにする狙いがあります。

 また、医療機関の税負担軽減については、現状、診療報酬改定や取得価格500万円以上の高額な医療機器に対する特別償却制度で対応しているものの、医療機関の税負担は減っておりません。

 その他、厚生労働省では、医療の公共性に配慮した消費税の適切な負担について抜本的な解決を図るべく、医療にかかる消費税制のあり方を総合的に検討することや、上記の高額な医療用機器に係る特別償却制度の2年間の期間延長もあわせて要望しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月9日水曜日

国土交通省:2017年度税制改正要望を公表!

 国土交通省は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、訪日外国人旅行者が酒蔵で購入する酒類に係る酒税を免税とする制度の創設を盛り込んでおります。

 これは、消費税が免税となる輸出物品販売場の許可を受けた酒蔵の日本産酒類の全品目が対象で、消費税に加え酒税を免税とすることにより、訪日外国人旅行者に全国各地で日本の酒を体験してもらうことで地方における酒蔵ツーリズムを振興し、日本産酒類の認知度向上を通じた輸出促進を図るものとみられております。

 日本再興戦略2016では、クールジャパンの推進の一環として、訪日外国人旅行者等に対する酒蔵ツーリズム等のプロモーションの充実や免税店制度の活用がうたわれました。

 国土交通省では、2016年4月1日現在において、輸出物品販売場の許可を受けている酒蔵(酒類製造場)は45者あり、今後約200者が新たに輸出物品販売場の許可を受け、既存の45者とともに同制度の適用を受けると仮定した場合の減税規模を試算しております。

 減税規模は、「245者×192本(週4ケース販売と仮定した1ヵ月当たり販売本数)×86.4円(720ミリリットル清酒の納税額)×12ヵ月」として、年間約0.5億円と試算しております。

 また、2014年度税制改正で外国人旅行者向け消費税免税制度が拡充され、免税対象に飲食料品等の消耗品も加わったことから酒類の購入も増加しております。

 さらに国土交通省は、わが国の国際空港の到着時に購入する商品についても携帯品免税の対象とする見直しも求めております。

 これまでの携帯品免税制度は、海外旅行者の携帯品又は別送品のうち、個人的に使用すると認められるものに限り、例えば、入国者一人当たり酒類は1本760ミリリットル程度のものが3本までと範囲を定めて免税としておりますが、外国で購入していた免税品を、わが国の国際空港の到着時に購入できるようにすることで、航空旅客の利便性向上や免税品購入の外国から国内への取り込みを図るものとみられております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月8日火曜日

三世代同居リフォームの減税制度

住宅ローン控除と特別控除の2制度創設

☆三世代同居リフォームに減税制度創設!

 平成28年4月より「住宅の多世代同居改修工事に係る特例」制度がはじまりました。

 この制度は、子育て支援・介護支援の一環として、三世代同居のために住宅のリフォームを行おうと考えている方を後押しする目的で設けられた減税制度です。

 平成25年に内閣府が行った意識調査によれば、「祖父母の育児や家事の手助けが望ましいか」という問いに対して、実に78.7%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えています。

 三世代同居を「理想の家族の住まい方」と答えた方も、20.6%いらっしゃったようです。

 ただ、現実には、総世帯に占める三世代同居世帯の割合は昭和61年の15.3%から平成25年には6.6%と減少しています(厚労省・国民生活基礎調査)。

 このような状況の中、世代間の助け合いによる子育てしやすい環境整備を図るため、税制上の特例措置が講じられました。


☆住宅ローンの有無で2つの制度

 実際に「三世代で住もう」とした場合には、住環境の整備が必要です。

 この場合、キッチン、トイレ、浴槽等の水廻りを増設することが一般的であり、概ね250万円がかかると国土交通省では試算しています。

 そこで、「特定増改築等に係る住宅借入金等特別控除」と「既存住宅の特定改修の場合の特別控除」に追加する形で2つの減税制度が設けられました(選択適用)。

①住宅ローンあり(借入期間5年以上)

住宅ローン年末残高×控除率

〔控除率〕

増改築工事全体(1千万まで)…1.0%

うち三世代同居改修工事(250万まで)…2.0%

 この制度では、年間で最大125,000円(250万円×2%+750万円×1%)の控除を5年間受けることができます。


②住宅ローンなし

標準的な工事費用(単位当たりの標準費用×改修箇所)×10%(最大25万円)



☆対象となる三世代同居改修工事

 どちらも対象となる三世代同居改修工事は、

①調理室、

②浴室、

③便所、

④玄関

のいずれかを増設し、改修後は①~④のいずれから2つ以上が複数になるものになります(補助金控除後の工事費用・標準的な工事費用が50万円超のものに限ります)。

2016年11月7日月曜日

株主名簿の整理方法 株主を確定させるには

◎10月から「株主リスト」の添付が必要に!

 商業登記規則等の一部を改正する省令(平成28年法務省令第32号)が平成28年10月1日から施行され、株式会社等が、株主総会の決議を要する事項について法務局に登記申請をする場合、「株主リスト」の提出が必要になりました。

 この場合の「株主リスト」は、議決権の多い株主上位10名、又は、議決割合3分の2以上の株主に関する「氏名又は名称及び住所、株式数並びに議決権数等」を記載した書面で、株主名簿に類似するもの、とされています。


◎株主が分散している可能性も

 株主名簿が整理できていれば「株主リスト」の作成は容易ですが、場合によっては、自社で把握している以上に株主が分散している可能性もあります。

 たとえば株主が死亡した場合、株は相続人に相続されますので、相続人が複数いる場合は株主が分散することになります。

 相続以外にも、相続税対策のために株の譲渡を行った場合や、従業員に自社の株を保有させる「従業員持株」、取引先と株の持合いを行っている場合など、株主が分散する可能性は様々です。

 株主の情報については法人税確定申告書の「別表二」に記載がありますが、この記載に最新の情報が反映されていない場合、どのように株主を確定すれば良いのでしょうか。


◎株主の確定方法

①原始定款を確認する

 定款とは、会社の基本規則を定めた書類で、会社の設立当初に作成したものを特に原始定款と言います。

 ここには設立当初の株主が記載されていますので、地道な作業にはなりますが、この情報から株主を辿ることができます。

 もし手元に原始定款がない場合は、設立時に定款の認証を行った公証役場に行けば謄本を取得することができます。

 公証役場での保存期間は20年です。

②法務局で登記添付書類を閲覧する

 設立時、法務局で登記申請を行った際の添付書類には当時の株主(発起人)の氏名と住所、引き受けた株数が記載されています。

 法務局での保存期間は5年ですので、最近設立された会社であればこの方法で確認することもできます。

 これまであまり株主名簿を利用する機会がなかった会社も、今後は利用頻度が増えることが見込まれます。

 常に最新の株主情報を把握するよう努めたいですね。

2016年11月4日金曜日

内閣府:2017年度税制改正要望を公表!

 内閣府は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、少子高齢化対策や子供の貧困対策の推進などに向けた事項を盛り込んでおります。

 少子高齢化対策の推進では、まず遠くに住む男女が結婚する場合、婚姻費用等を所得税の特定支出控除の対象に追加することを求めております。

 特定支出控除は、給与所得者が特定の支出をした場合において、その金額が給与所得控除の1/2を超える場合に、その超える金額をさらに給与所得控除後の給与所得の金額から控除できます。

 要望では、少子高齢化が深刻化するなか、結婚の段階における支援の充実策として、相互に遠方に居住する男女が婚姻する場合において、

①婚姻に伴う同居のため、双方の勤務地に通勤可能な範囲内に転居する場合の転居費

②仕事の都合により婚姻後も同居できない場合の旅費を特定支出控除の対象に加えております。

 これにより、相互ともに遠方に居住する男女が、就業継続しつつ、結婚の希望を叶えられるような環境整備が可能になるとしております。

 また、待機児童の解消に向けて、保育所等の敷地として貸与されている土地を相続した場合又は贈与を受けた場合において、その後もその土地を引き続き一定期間保育所等に貸与することを要件に、相続税・贈与税を非課税とすることや仕事と家庭を両立しながら女性の活躍を促進する等の観点から、ベビーシッター等の子育て支援のサービスを利用した場合の一部費用について税制上の所要の措置を講ずるよう要望しております。

 子供の貧困対策では、生まれ育った家庭の環境や貧困の連鎖等によって、子供達の将来が閉ざされることを防ぐ観点から、貧困の状況にある子供に贈与した場合には、孫等に限らず、贈与税を非課税とするなど教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の拡充も盛り込んでおります。

 さらに、民間資金等活用事業推進機構について、2017年4月1日から2028年3月31日までの間に開始する各事業年度の事業税に限り、法人事業税の資本割に係る課税標準額を銀行法施行令で定める銀行の最低資本金の額(20億円)とみなす特例措置の創設や酒類の製造免許に係る最低製造数量基準の適用除外なども盛り込んでおります。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年11月2日水曜日

「生計を一にする」の定義

◆「生計を一にする」の解釈

 「生計を一にする」という用語は、多くの税法で用いられています。

 ただし、税法そのもので、その定義はされていません。

 解釈通達での定義で済ませています。

◆法人税法では

 法人税法では政令の同族関係者の範囲の規定で「生計を一にする」という用語が出てきます。

 法人税基本通達は、「生計を一にする」こととは、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいうのであるから、必ずしも同居していることを必要としない」とし、要約的に表現しています。

◆国税通則法・国税徴収法では

 国税通則法基本通達では、「生計を一にする」とは、「納税者と有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいい、納税者がその親族と起居をともにしていない場合においても、常に生活費、学資金、療養費等を支出して扶養しているときが含まれる。

 なお、同一家屋に起居していても、互いに独立し、日常生活の資を共通にしていない親族は、生計を一にするものではない。」と定めています。

 国税徴収法基本通達は、前半が同文で、「なお」以下部分は、「なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。」と逆の側面からの規定になっています。

◆関係の多い所得税法では

 所得税法では、専従者関係の規定、雑損控除・医療費控除・各種保険料控除・人的控除などの所得控除の規定、その他多くの規定で「生計を一にする親族」の判定が係ってきます。

 しかし、所得税基本通達での概念規定は、法人税、通則法、徴収法の各通達と異なり、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていること」の概念の内包部分がありません。

 外延としての「なお」以下部分は、「同一の家屋に起居していること」のほか、別居であっても「同一の家屋」が起居のために帰るべき場所であったり、別居先に「常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合」も含まれる、としています。

2016年11月1日火曜日

百億円でも配偶者だけなら無税

◆配偶者の税額軽減

 相続税では配偶者に対する税額軽減措置があります。

 被相続人の配偶者が取得した相続財産の課税価格が1億6千万円以下、又は配偶者の法定相続分相当額以下である場合には、配偶者に相続税はかかりません。

 もし、相続人が配偶者のみの場合はどうなるのでしょうか。

 相続人が配偶者のみの場合には、配偶者の法定相続分は100%です。

 そうすると、相続財産が100億円とか1兆円とかの場合にも、税負担額はゼロということになります。

◆相続人が配偶者のみという状態

 相続人が配偶者のみという状態は、親や子や孫、そして兄弟姉妹や甥姪もいない被相続人だったという場合だけでなく、他の相続人が相続放棄をした、又は他の相続人が相続欠格・相続廃除になった、という場合にも起き得ることです。

◆相続放棄の結果の配偶者単独相続

 相続放棄者は、遡及的に相続人でなかったものと扱われ、その子供たちの代襲する権利もないものとされます。

 しかし、これは民法の扱いで、相続税法では、相続放棄は原則としてなかったものとして取り扱われます。

 従って、相続放棄があったことの結果としての配偶者の単独相続では、配偶者の法定相続分は100%にはなりません。

◆相続欠格・相続廃除とは

 相続欠格・相続廃除も、相続人資格喪失事由です。

 相続欠格には、被相続人または競合相続人を死亡させようとしたり、被相続人に遺言書の作成や変更を詐欺や強迫によって強制したり、妨害したり、作成済み遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿をした場合が該当します。

 相続廃除には、被相続人に対する虐待・侮辱及び本人の著しい非行を原因とする家庭裁判所の廃除審判が必要です。

 生前の廃除申立と遺言による廃除申立があります。

◆相続欠格・相続廃除は民法どおり

 なお、相続欠格・相続廃除の場合には、欠格・廃除とされた者の子供たちの代襲相続権は消滅しません。

 相続欠格・相続廃除の結果は逆に、法定相続人が増えることになる場合があります。

 相続欠格・相続廃除の結果として配偶者の単独相続が生じた場合には、相続税法に別段の規定がないので、民法通りとなり、配偶者の法定相続分は100%です。

 この場合には、税負担額はゼロということになります。

2016年10月31日月曜日

なくならない固定資産税の過徴収

 固定資産税の過徴収が全国で次々と明らかになっています。

 2年前に過徴収によって自宅まで差し押さえられたケースが判明したことから問題となり、総務省が全国の自治体に実態を確認するよう異例の通知を出すに至りましたが、今もなお多くの自治体で過徴収が見つかっています。

 いまだに判明していない固定資産税の過徴収は、全国に多く潜んでいるものと思われます。

 長野県原村は9月2日、村内の別荘地にかかる固定資産税に計算ミスが見つかり、平成17年から23年でのべ103件、計約2521万円を過徴収していたと発表しました。

 コンピューターに入力をする際に操作を誤り、それ以来誤ったまま毎年税額を計算していたそうです。

 全額を返還する方針で、10年分の利息など還付にかかる費用を含めて3千万円の補正予算を計上するとしています。

 高知県四万十市は同月6日、市内の8事業所から20年間にわたり計約1900万円の固定資産税を過徴収していたことを明らかにしました。

 利息分を加えた返還費用は約3400万円にも上ります。

 市によれば20年以上過徴収していた可能性も否定できないものの、地方税法や条例によって返還できるのは過去20年までと発表しました。

 過徴収があまりに長期間にわたるため、過去分について納税者が泣き寝入りせざるを得ない事例は全国で発生しています。

 さらに新潟県南魚沼市でも、今月に入って市内の土地1カ所に39年間の過徴収が発覚した。

 本来適用されるはずだった住宅用地の減額特例が反映されなかったそうです。

 地方税法に基づき5年分、さらに市の過誤納金補填金支払要項に基づき10年分の計約1120万円を返還しましたが、残り24年分についての補償はなく、納税者は2千万円以上を「タダ取り」される形となりました。

2016年10月28日金曜日

会社の受動喫煙対策、待ったなし!

 国立がん研究センターが受動喫煙による日本人の肺がんリスクについて、これまでの「ほぼ確実」から「確実」へと評価を引き上げたと発表しました。

 受動喫煙については東京五輪を前に政府も対応に本腰を入れており、職場での企業の対策は昨年6月より「努力義務」へと法改正されていますが、このたびの評価替えはさらに各方面に影響を与えそうです。

 国立がんセンターは肺がんリスク評価の引き上げに伴い、がん予防のガイドラインの記述についても、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」としていた部分から〝できるだけ〟を削除し、「避ける」と明言する形にグレードアップしました。

 これにより喫煙行為について各方面からの〝囲い込み〟がさらに強まることは確実です。

 平成22年に閣議決定された「新成長戦略」では、32年までの目標として「受動喫煙のない職場環境の実現」が掲げられています。

 また、日本は世界保健機関(WHO)が発効した「たばこ規制枠組条約」に世界172カ国とともに締結しており、そのガイドラインにある「すべての屋内の職場、屋内の公共の場及び公共交通機関は禁煙とすべきである」との宣言を守らなければならない義務が生じています。

 こうした現状や世界的な禁煙・分煙の潮流を受けて、厚生労働省は平成22年に、職場における受動喫煙防止対策の方向性として分煙化の促進を推奨しています。

 そして去年からは受動喫煙対策が事業者の努力義務とされたことから、企業が喫煙室を設置するなどの設備投資をしたときに一部費用を助成する制度を設けています。

 規模を問わずほとんどの企業が対象とされ、禁煙室の設備などにかかった費用の2分の1(上限200万円)が助成されます。

 交付は事業所単位であるため、各支店や工場ごとに申請しても最大200万円まで認められるので、対策の折には忘れずに申請したいところです。

2016年10月27日木曜日

住宅リフォーム推進協議会:住宅リフォームポイント制度を要望!

 住宅リフォーム推進協議会は、2017年度住宅リフォームに関する税制改正・予算に関する要望を公表しました。

 それによりますと、高齢者世代への住生活環境改善の支援として、性能向上リフォームを促進するため、省エネリフォームだけでなく、耐震、バリアフリーといった性能向上リフォームも対象工事としたリフォームポイント制度(仮称)の創設を要望しております。

 高齢者は、所得税の納税額も少なく、リフォーム減税のメリットが受けにくいと指摘し、一定の省エネ性能を有する住宅の新築やエコリフォームに対して、様々な商品等と交換できる「省エネ住宅ポイント制度」のような制度は分かりやすく使いやすいこと、減税制度ではメリットを受けにくい高齢者にとっても有益なものと考えてリフォームポイント制度の創設を要望しております。

 一方、比較的収入が少ない若年層は、新築住宅の取得は困難で、中古住宅購入や親からの相続といったケースが多いことから、中古住宅のリフォームの促進に向け、若年層の多くがリフォームの際に利用している住宅ローンについての更なる減税措置を要望しております。

 現行のリフォーム減税制度のついては、耐震リフォーム減税の対象住宅の要件の変更、不動産取得税の特定措置の延長、住宅ローン減税の期限延長を要望しております。

 耐震リフォームによる所得税及び固定資産税の減税は、現行、新耐震基準以前に建てられた住宅となっていますが、これを2000年の建築基準法の耐震基準改正以前の住宅に変更することを求めております。

 また、住宅ローン減税は、消費税率10%への引上げの2019年10月までの再延期に伴い、消費税増税前の駆込み需要の反動対策として実施している同減税の2019年6月30日となっている適用期限の延長を求めたものです。

 その他、長期優良住宅(増改築)認定を取得した上で、耐震改修や省エネ改修と併せて行う耐久性向上改修を所得税及び固定資産税の減税対象への追加や、現行のリフォーム税制において耐震改修や省エネ改修に関する工事証明書類は別々に定められ、これらを同時に行って税制優遇を受ける場合は、複数の工事証明書類が必要なことから、申請者の手続き負担軽減のため、既存の工事証明書類を統合することなどを求めております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

2016年10月26日水曜日

老後のライフ・マネープラン

◆老後破算を防ぐ

 最近、TV、雑誌等で「老後不安」「老後破算」と言う事を聞くことがあります。

 高齢化社会を長生きリスクと考えるならば、対策をしておくことは必要でしょう。

 日本人の平均寿命は男性「80.50歳」女性「86.83歳」となっています。

 男女平均で83.7歳は世界首位です。

 人生80年の老後に備えた必要なお金をどう手当てしてゆくかを考えることは重要ですが、老後の生活を考える際には「どう生きたいか」と言う事もあると思います。

 ライフプランとも言いますが自分の描いたライフデザインを実現する為の準備として考える事が大事でしょう。

◆生活費を考える

 総務省の家計調査によると夫65歳以上、妻60歳以上の高齢者無職世帯の実収入は平均20万7347円、可処分所得は17万7925円となっています。

 消費支出は23万9485円で毎月6万1560円不足となり不足を補う為に貯蓄を取り崩してゆくことになります。

 この調査は平均ですので実際は住む場所や生活ぶり、自宅か賃貸か等で変わります。

 一般的には60歳以降の夫婦の必要経費は次のように計算します。

①夫婦の生活・・・1ヶ月の生活費×12ヶ月×60歳時の夫の平均余命

②夫死亡後の妻の生活・・・1ヶ月の生活費×0.7×12ヶ月×夫死亡時の妻の平均余命

 現在の公的年金の平均受給額は約月22万円(夫40年厚生年金加入、妻専業主婦)で生涯5千万円から6千万円が年金から賄われる想定です。

 現実はこのような条件の方ばかりではありません。

 家計の収支を検討し、まずは支出の把握から始め自分の必要生活費を計算し対策する必要があります。

 また、毎月の生活費以外にも突然の入院や介護、不慮の事態に備えた費用として半年分位のキャッシュが必要でしょう。

◆財形年金制度等の利用

 財形年金制度は勤務している事業主を通じて給与天引きで貯蓄をしてゆく制度です。

 貯蓄型では元利合計550万円まで、保険型では払い込み保険料385万円まで利息も合わせて非課税です。

 自前で行う場合、掛け金が所得控除となる確定拠出年金個人型も注目されてきています。

 どちらも将来の公的年金の補てんとして研究の余地があるでしょう。

2016年10月25日火曜日

相続税額の2割加算と養子

◆指摘の多いのが2割加算

 相続税の基礎控除引き下げにより、課税対象者が大幅に増加し、国税庁では申告書の内容に誤りがあると疑われる場合に、納税者に文書を送付し申告書の見直しを促していますが、特に指摘の多いのが「相続税額の2割加算」のようです。

◆相続税額の2割加算

 「相続税額の2割加算」とは、相続又は遺贈により財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族及び配偶者、以外の者である場合に、相続税額を2割加算するとするものです。

 一親等の血族とは父母や子を指します。このため、それ以外の者、すなわち、被相続人の兄弟姉妹が相続等で財産を取得した場合や、血縁関係がない者などに遺贈があった場合等に2割加算があるということになります。

 また、孫も2割加算の対象ですが、被相続人の子が相続開始以前に死亡するなどし、代襲相続人となっている場合には2割加算は不要です。

◆一親等の法定血族でも孫養子は

 一親等の血族には「養子」も含まれますが、例外があり、被相続人の直系卑属で被相続人の養子になっている者、つまり“孫養子”は2割加算対象外に含まれません(代襲相続人は除く)。

 「養子」に2割加算はないが、“孫養子”に限っては2割加算があるというこの取扱いのところに間違いが多いようです。

◆孫養子類似の一親等の法定血族だが

 国税庁の質疑応答事例に「被相続人の直系卑属でない者が養子となっている場合」の事例があり、ここでは「子の配偶者」が養子となっている場合に2割加算がないことを示しています。

 すなわち、“孫養子”以外の「養子」は一親等の血族に含まれるため、例えば、「孫の配偶者」や「養子の養子縁組前の子(養子の連れ子)」が養子となっていても2割加算は不要です。

◆代襲相続でも2割加算される例

 国税庁の質疑応答事例には、代襲相続した孫やひ孫で、遺贈があるので代襲相続人の地位を放棄した場合、この相続放棄者には2割加算除外の適用がない、という珍事例も紹介しています。(代襲相続の規定では放棄をなかったものとするとしていない。)

2016年10月24日月曜日

のれん償却方法の違いから見る企業文化

 現在の日本の会計基準では、M&Aで生じる資産側に発生するのれんについて、20年以内で定期的に償却をすることを定めています。

 一方、IFRS(国際会計基準)や米国会計基準では定期償却はせず、のれんはそのままの金額で資産に残し、買収した事業や企業の収益性が落ちたときに、減損として費用処理するようにしています。

 したがってこの場合、収益性が落ちない限り、のれんの償却は発生しません。

 資産にあるのれんを償却すれば、損益計算書に費用が発生するのに、償却しなければ費用が出ないので、日本の会計基準はM&Aでは不利になると言われています。

 のれんを償却しようがしまいが、会計上の処理方法が違うというだけであり、キャッシュフローには関係なく、企業行動に影響することはありません。

 M&Aをするかしないかは、企業なり事業を手に入れるために投下したキャッシュフローと、獲得した企業や事業が将来獲得するであろうキャッシュフローを比較して判断することですから、会計基準の変更自体は企業に影響を与えないと考えるべきです。

 ただ、会計基準が違えば表示される利益が違ってきますから、株価には影響を与えることはあるかもしれません。

2016年10月21日金曜日

経済産業省:2017年度税制改正要望を公表!

 経済産業省は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、第4次産業革命を中心とした「攻めの経営」の推進の観点から研究開発税制の延長・強化を求めております。

 この背景には、第4次産業革命を強力に推進するため、AI(人工知能)やビッグデータ等を活用した高付加価値なサービス開発を支援する狙いがあるとみられております。

 具体的には、研究開発税制について、AIやビッグデータ等を活用した高付加価値なサービス開発を支援するため、

①「試験研究」の定義中に、「サービス開発」を追加

②増加型の廃止に伴って、総額型の控除率について、試験研究費の増減に準じてメリハリがつく仕組み等を導入

③上乗せ措置のうち、高水準型については延長

④オープンイノベーション型の運用改善を行うこと

などを要望しております。

 研究開発税制において新たに支援すべき「サービス開発」については、サービスは無形性等の特性を持つため、従来、その付加価値はサービス提供者の経験則(「暗黙知」)に依存しており、サービス産業の生産性は低いのが現状です。

 そのため、サービス産業の生産性の向上には、データの収集・分析等の工学的・自然科学的な手法により「暗黙知」を「形式知」に変換することでサービスの付加価値を高める研究開発が必須との考えを示しております。

 「サービス開発」の事例として、飲食サービスでは、従業員の行動に関するあらゆるデータを収集・分析することで、料理の提供時間の短縮や最適化等、付加価値を高めるための研究開発を、農業支援サービスでは、熟練農家の「ノウハウ」を、データとして収集・分析することで、熟練農家の農作業の「判断」を見える化し、若者など非熟練農家の農作業にかかる「判断」を支援するサービスの開発などを例示しております。

 また、2014年度の財務省の報告によりますと、研究開発税制を活用している企業は9,087社あり、そのうち約7割(6,221社)は中小企業(税法上は資本金1億円以下)で、研究開発税制適用額は6,746億円にのぼっております。

今後の税制改正の動向に注目です。

2016年10月20日木曜日

《消費税》 住宅の貸付けと言っても色々です。

 消費税法上、住宅の貸付けは非課税扱いとなることは広く知れ渡っています。

 ただ、その一言では必ずしも解決できないこともありますのでご注意ください。

1.家具付き住宅の場合

 家具、照明器具、エアコンなどの住宅付属設備を含めた全体を貸付けの対価として賃貸借契約を締結している場合は、家賃全体を非課税として扱います。

2.1ヶ月未満の住宅の貸付けの場合

 住宅の貸付けであっても、ウイークリーマンションなどのように1ヶ月未満の貸付けや民泊等は旅館業に係る貸付けに該当するため非課税になりません。

3.駐車場付きの住宅の場合

 戸建住宅のように住宅の敷地の一部にある駐車スペースは、それも含めた全体が住宅の貸付けとして非課税の扱いとなります。

 しかし、賃貸用マンションのように必ずしも駐車スペースが住宅と一体でなく独立した賃貸借の目的の施設となっており、駐車料金として住宅部分とは別に定められている場合は、その駐車料金は課税扱いとなります。

4.賃貸借契約の際に発生する付帯収入

 住宅の賃貸借契約の際に賃貸人が収受する礼金、保証金の償却や更新料のように賃借人に返還しなくてよい部分は、家賃と同様に非課税として扱います。

 敷金など返還を必要とする部分はもともと資産の譲渡に該当しませんので、消費税上課税の対象になりません。

5.共益費や管理費の取扱い

 外灯の電気料、清掃費用や庭木の管理費用などのように、共同住宅でその利用者が共通に使用する施設の応分負担として徴収する共益費や管理費は住宅の貸付けの対価の一部として非課税扱いとなります。

6.賃貸中の住宅を売却した場合

 売却代金のうち、土地の譲渡対価については非課税ですが、建物部分の譲渡対価に対しては課税の対象となります。

 住宅の譲渡代金は土地と建物との一体金額で取引されることが通常ですので、その場合はその譲渡代金を土地と建物に合理的に按分する必要があります。

2016年10月19日水曜日

株主リストの添付が義務化

◎登記悪用の違法行為が後を絶たず

 株主総会議事録を偽造して、役員になりすまして役員変更登記をしたり、本人承諾のない取締役就任登記をしたりして、会社財産を処分するなど、法人登記を悪用した犯罪や違法行為が後を絶たないようです。

 それで、本年10月1日からの法人登記に際しては、「株主リスト」の添付が要求されるようになりました。

◎商業登記規則等の改正により

 株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請では、

(1) 登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合

(2) 登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合

には、株主リスト提出が要件とされました。

 株主総会決議を省略する場合にも株主リストの添付は必要です。

◎株主リストの記載事項

 添付株主リストには、議決権数上位10名以上又は議決権割合合計が3分の2以上の株主に係る次の事項を記載します。

①株主の氏名又は名称

②住所

③株式数

④議決権数

⑤議決権数割合

⑥以上に関する代表者の証明

(ただし、全株主同意を要する登記では、⑤は不要です。)

 本年10月1日前の株主総会であっても、その日以降の登記申請では、株主リストの添付が必要です。

 種類株式発行会社の場合は、上記③は、「種類株式の種類及び数」となります。

◆別表(二)を代用できる

 法務省のホームページでは、株主リストの書式例・記載例を公表するとともに、企業側の負担を考慮し、同族会社等判定明細書(A)や有価証券報告書の「大株主の状況の欄」(B)などの既存書類を利用できるとしています。

 (A)というのは、法人税申告書の別表(二)のことです。

 上記①~⑤の記載が完全で、そこに代表者の証明がなされれば、要件を具備した書面になります。

 なお、3分の2以上要件の判定に同族関係者の保有株式の合計が必要ですが、別表(二)は同族グループ毎に付番することになっているので、そのままで判定要件具備のようです。

2016年10月18日火曜日

個人型DCが来年改正

 来年から個人型確定拠出年金(DC)の制度が変わります。

 節税効果を売り物に個人の投資行動を促す狙いですが、新しく制度の対象に加わる専業主婦は掛け金に対する所得控除が認められていないなど注意すべき点もあります。

 自民党税制調査会が専業主婦世帯の税負担を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討するなど、今後税制が大きく変わる可能性があるだけに、対象者には慎重な判断が求められそうです。

 個人型DCは、

 ①掛け金の全額所得控除、

 ②運用益の非課税、

 ③給付金の税制優遇措置

の3つの税制優遇措置が最大のメリット。

 一方、積立金の運用は加入者自身の責任で行うこと、原則60歳まで引き出せないこと、口座手数料がかかることなど注意点もあります。

 従来は自営業者や企業年金のない会社員が対象でしたが、今回の制度改正で主婦や公務員、すでに企業年金に加入済みの会社員も対象に加わります。

 このうち、所得がない専業主婦では掛け金に対する所得控除が認められていません。

 控除の対象はあくまで加入者本人の掛け金のみで、社会保険料のように配偶者など本人以外の負担を含めることができないためです。

 課税所得が500万円ある対象者が毎月2万3千円を拠出した場合、節税効果は所得税と住民税の合計で年8万2800円。

 30年間で考えると、積立額828万円に対して248万4千円もの効果がある計算ですが、こうしたサラリーマンなど向けの説明を専業主婦層がそのまま受け止めないよう注意が必要と言えます。

 運用益については非課税ですが、利回りや開始時期によって左右される面もあります。

 3号被保険者である専業主婦には「保険料を支払わなくても基礎年金が受け取れるのは不公平」との議論があり、配偶者控除の見直しが進む可能性もあるため、慎重な検討が欠かせません。

2016年10月17日月曜日

ネット公売にあの人気バンドが……

 税金を滞納した人から国税当局が差し押さえた財産が出品されるネット公売に、有名バンドの名前が登場したことが話題をよびました。

 そのバンドは1990年代に数々のヒット曲を発表した「黒夢」で、公売に出品されたのは同バンドの名称「黒夢」やそのアルファベット表記「KUROYUME」の商標権です。

 黒夢はボーカルの清春(きよはる)さんを中心に結成されたロックバンドで、平成6年のデビュー以降、若者を中心に人気を博しました。

 11年に活動停止しましたが、22年には活動を再開し、23年にはアルバムも発表していました。

 デビュー当時は大手音楽事務所に所属していましたが、現在はボーカルの清春さんが設立したレコード会社が権利関係を管理しているそうです。

 国税当局がネット公売に出品する財産は、原則的に税金の滞納によって差し押さえられた財産。

 不動産や美術品、車といった物品だけでなく、資産価値のある商標権も対象となっています。

 すでに公売は終了しており、「黒夢」は68万1千円で落札されたそうです。

 購入者はインターネットで配信する音楽ファイルやさまざまな商品に名前を使うことができるようになります。

2016年10月14日金曜日

訪日外国人の酒税免除へ

 国税庁と観光庁は、訪日外国人観光客が酒蔵やワイナリーなどで酒類を購入する際に酒税を免税する制度を設けるように税制改正要望に盛り込みました。

 免税して買い求めやすくすることで、酒蔵巡りなど地方の観光振興につなげるなど、日本の酒類に対する認知度を高めるのが狙い。

 訪日外国人観光客向けに消費税抜きで商品を販売できる現行の免税店制度を活用し、免税店制度を使える酒蔵などでは消費税に加えて酒税も抜いて買い物ができるようにします。

 地方の観光振興が主目的のため、ドラッグストアなどで酒類を購入しても酒税は免税されません。

2016年10月13日木曜日

長期保有土地の買替特例延長へ

 国土交通省は税制改正要望で、会社が持っている遊休地を別の資産に買い替えることを後押しする特例措置の期限延長を求めました。

 税の専門家や不動産関係者の間で幾度となく廃止の可能性がささやかれてきましたが、来年3月のタイムリミットが3年間延長されそうです。

 不動産を売却するとその譲渡益が課税対象になり、納税資金を差し引けば手元に残る現金は少なくなります。

 売却で得た利益で別の事業用資産を取得しようとしても、新たに資金調達をする必要性が生じることがあり、土地取引や設備投資に消極的になってしまいかねません。

 そこで、国は少しでも会社が事業用資産を買い替えしやすくなるよう、税制上の特例措置を講じています。

2016年10月12日水曜日

上場株式の相続時評価を1割減

 金融庁は上場株式の相続評価につき、相続してからの価格変動リスクを考慮して、相続時の時価の90%程度に割り引いて評価するべきと、平成29年度の税制改正要望で求めました。

 不動産など他の資産と比べて不利になっている現状を解消して、株式投資への資産の流れを促したい考えです。

 現行制度では、上場株式は原則として相続時点の時価で評価されています。

 一方で、土地は公示地価の80%程度、建物は建築費の50~70%程度が相続税の評価額。実際の取引価格にばらつきがあり、路線価などの算出頻度も少ないことから、価格変動リスクがあると判断されているためです。

 ただ、上場株式も、相続時から遺産分割協議などを経るまでの一定期間譲渡できないのにもかかわらず、市場の急激な変動で価格変動リスクにさらされるケースも多くあります。

2016年10月11日火曜日

国税当局、増員要求で脱税・滞納の監視強化

 国税庁はこのほど、来年度に向けた要望予算額と、機構・定員要求の内容を明らかにしました。

 約1千人の増員を要求するなかで、近年増えている国際的な租税回避とIT化への対応のために、複数の新設ポストを要望しています。

 また全国の国税局や税務署で調査・徴収に当たるための増員を求めました。

 来年度に向け、国税庁が増員要求を行ったのは1107人。

 ただし来年度に1千人強の定員合理化も行う方針であることから、純増要求数は53人となります。

 新設ポストが要望されたのは、パナマ文書で話題となった国際的な租税回避行為への対応や、電子申告推進への対応にかかる部署です。

2016年10月7日金曜日

厚生労働省:2017年度税制改正要望を公表!

 厚生労働省は、2017年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設や、保育の受け皿の整備等を促進するための税制上の所要の措置などを要望しております。

 前者は、内閣府との共同要望で、仕事と家庭を両立し、女性の活躍を促進する等の観点から、ベビーシッター等の子育て支援に要する費用の一部について、ベビーシッター等子育て支援に要する費用を対象とする新たな控除制度の創設を求めております。

 認可外保育施設やベビーシッター等に要する費用の一部について、税制上の所要の措置を講ずることで、希望する保育サービス等を利用できない子育て家庭の負担を軽減し、若い世代が安心して結婚し子どもを産み育てやすい環境や女性が働きやすい環境の整備を目指すとしております。

2016年10月6日木曜日

雇用管理改善が人材の定着を促す

◆人手を確保するのに必要なこととは

 景気の緩やかな回復基調の中で有効求人倍率が上昇傾向にある中、特に中小企業の多くで人手不足が常態化することが予想されます。

 厚労省の「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施)の調査結果が発表されました。

 調査結果から見て「今後どのような企業の求人が充足されやすいか」という視点から、企業が労働条件や職場環境等の改善に取り組むことと労働生産性や業績の向上との関連を見てみました。

2016年10月5日水曜日

“三現主義”の難しさ

 “三現主義は、“現地で、現物を見て、現実に即して判断すること”を意味し、“三現主義に基づく的確な状況判断”は全ての経営問題の解決を図るための基礎です。

 「状況判断の誤り」は「誤った対策」に直結し、重大な経営損失を招きます。

◆“三現主義“最大の障害と対応策

 “三現主義“の徹底は、トップから一般社員までの業務に取り組む日常の意識・行動を変える課題であり、容易ではありません。

 “三現主義“の徹底を図るとき、最大の障害は「人間には、思い込み・先入観・憶測で判断する性癖があるため、意識的に見ようとしなければ見えない」と言う障害が存在し、生産・企画業務・営業など全ての職域で次に例示するような“三現主義の徹底と対策の方向性”が必要です。

 [“三現主義”徹底の方法(例示)]

 ①生産現場で不良品や設備故障が発生した時には“三現主義“に基づく的確な状況判断が不可欠です。

2016年10月4日火曜日

2016年度税制改正:通勤手当の非課税限度額引上げ!

 2016年度税制改正において、通勤手当の非課税限度額が月額15万円(改正前10万円)に引き上げられ、2016年1月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されております。

 このうち、政令施行前の1月1日から3月31日までに支払われるべき通勤手当で、改正後の新規定を適用した場合に過納となる税額については、今年の年末調整の際に精算を行います。

具体的な手続き、手順として、

① 既に改正前の非課税規定を適用したところで所得税等の源泉徴収をした(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算

② 「2016年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、①の計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入

2016年10月3日月曜日

外国人による家事支援サービス

◇外国人による家事支援、ついにスタート

 国家戦略特別区域法の改正で外国人家事使用人の受入れが解禁されたことを受け、7月27日、神奈川県や内閣府などが外国人による家事支援サービスを手掛ける事業者として3社を認定、通知書を交付しました。

 国家戦略特別区域法ではこの外国人家事使用人の受入れを「国家戦略特別区域家事支援外国人受入事業」と名称付けており、その事業内容を「国家戦略特別区域内において家事支援活動を行う外国人を、本邦の公私の機関が雇用契約に基づいて受け入れる事業」としています。

2016年9月30日金曜日

人材募集の留意点

《労働者募集に際しての注意点》

 人材募集に関して有効求人倍率は1.37倍と求人が活発な状況にありますが、労働者の募集に際して注意をする点について考えてみたいと思います。

 法的に規則で規制されている事項は主に3つあります。

①年齢について

 募集に関しては原則として年齢制限を設けてはならない事になっています。

 例外として、定年年齢を上限としてその年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合、例えば若年者等のキャリア形成を図る為、期間の定めのない労働契約の対象者として募集する時や技能、ノウハウを継承する観点から特定の職種において年齢層の人数の偏りを是正する為、特定の年齢層を期間の定めのない労働契約の対象として募集する時等です。

2016年9月29日木曜日

自治総合センター:税務行政への活用に関する検討結果を公表!

 一般財団法人自治総合センターの「地方分権時代にふさわしい地方税制のあり方に関する調査研究会」は、地方税の徴収対策やその電子化やマイナンバーの税務行政への活用に関する検討結果を公表しました。

 それによりますと、ICTの急速な進展に伴うeLTAX(地方税ポータルシステム)を通じた電子申告の普及に注目、その一層の利用率向上が重要だと指摘しております。

2016年9月28日水曜日

高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例

【はじめに】

 課税事業者においては、高額な資産(以下「高額特定資産」といいます。)の購入代金に係る課税仕入れを全額控除しているにもかかわらず、その後の課税期間で簡易課税制度を選択適用することで、売却代金のみなし仕入率(例:建設業70%)相当分が本来課税仕入のない課税期間において二重に控除する等の事例が散見されていました。

2016年9月27日火曜日

2016年度税制改正:法人実効税率の見直しへ!

 2016年度税制改正において、法人税率と外形標準課税適用法人の法人事業税率が見直され、国・地方を通じた法人実効税率が2016年度に20%台に引き下げられます。

2016年9月26日月曜日

協定締結時の従業員代表とは

◆従業員代表の役割

 労働基準法や育児介護休業法、高年齢者雇用安定法等、使用者と従業員代表による各種労使協定を締結する必要のある条項が多々ありますが、最近この従業員の代表の選出について適切な選出かどうかを問われることが多くなりました。

2016年9月23日金曜日

オリンピックの報奨金

◆オリンピックの報奨金

 南米で初めてのブラジル・リオデジャネイロオリンピックは、財政難の中、悲喜こもごもいろいろありましたが、日本選手のメダルラッシュで無事終わりました。

2016年9月21日水曜日

相続税増税で税収2割増の地域も

 平成27年の相続増税以来、相続税の税収が増えているというデータを関東信越、名古屋、大阪の各国税局が公表しました。

2016年9月20日火曜日

「夫婦控除」の創設を検討

 配偶者の収入が一定以下の場合に所得からの控除を認める「配偶者控除」の見直しをめぐり、政府は夫婦合算の所得から一定額を控除する「夫婦控除」の創設を検討していることが分かりました。

2016年9月16日金曜日

源泉徴収免除制度の対象となる特定の国内源泉所得の改正!

 2014年度税制改正において、源泉徴収免除制度の対象となる特定の国内源泉所得については、「外国法人又は非居住者の恒久的施設に帰せられる国内源泉所得」(「対象国内源泉所得」)とする改正が行われております。

2016年9月15日木曜日

賃貸用建物の譲渡と課税事業者

 個人で不動産の賃貸業を営む方(免税事業者)が、たまたま前々年の平成26年(本年、平成28年)、いわゆる基準期間に賃貸用建物を1千万円超(税込)で譲渡していた場合、本年、平成28年は課税事業者になって、仮に、本年中に貸店舗等の賃貸収入などがあれば消費税の納税義務が生じることになります。

2016年9月14日水曜日

予備自衛官の雇用で企業に税優遇

 大規模災害の発生時などに招集される予備自衛官を雇った企業に法人税の優遇を認める案を、防衛省が要望しています。

2016年9月13日火曜日

熊本地震被災者に対する税務上の措置等FAQを公表!≪熊本国税局≫

 熊本国税局は、熊本地震災害により被害を受けられた人の税務上の措置(手続き)等について、照会の多い事例を取りまとめたFAQとして公表しております。

2016年9月12日月曜日

2016年度税制改正:グリーン投資減税の見直しに注意!

 2016年度税制改正において、エネルギー環境負荷低減推進税制(グリーン投資減税)は、売電用の太陽光発電設備を対象から除外するなどの見直しを行った上で、適用期間が2018年3月31日まで2年間延長されました。

2016年9月9日金曜日

印紙税の課税文書とは?

 印紙税の「課税文書」に該当する場合には、印紙を貼る必要あり、国税庁では「印紙税額一覧表」に列挙しております。

2016年9月8日木曜日

褒めて動かす

 社員のやる気を高めるには「良い点を褒めるのが効果的」であると言われています。

 しかし、褒め方によっては、かえって逆効果となる場合もあり、注意が必要です。

2016年9月7日水曜日

外国人労働力拡大案提言

◆単純労働にも外国人受け入れか

 今後本格化してゆく日本の少子高齢化や人口減少による人手不足解消の為の外国人労働力の受け入れを検討している自民党の「労働力確保に関する特命委員会」では、外国人労働力の受け入れの拡大を提言しています。

2016年9月6日火曜日

経済産業省:都道府県でエンジェル税制の申請を受付!

 経済産業省は、第五次地方分権一括法の施行に伴い、2016年4月1日からエンジェル税制の申請・相談窓口が、各経済産業局から、都道府県に変更となることを明らかにしております。

2016年9月5日月曜日

都市部の地籍調査の進捗は24% 地籍調査とは?

◆「地籍調査」とは?

 「地籍調査」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか? 

2016年9月2日金曜日

経営ビジョンの要件

 経営ビジョンは、企業にとって、社員とその他のステークホルダーにとって、重要な意義をもっており、そのためにいくつかの要件を満たすものでなければなりません。

2016年9月1日木曜日

生保協会が死亡保険金の非課税枠拡充要望

 相続対策で生命保険が活用される理由のひとつに、受け取った死亡保険金の額のうち「法定相続人数×500万円」は相続税が非課税になる点が挙げられます。

2016年8月31日水曜日

インボイス2年半先送り

 消費増税と軽減税率導入が平成31年10月まで延期されたことを受け、政府は税率ごとの正確な税額を経理区分するインボイス(適格請求書)制度の導入も合わせて2年半先送りする方針を固めました。

2016年8月30日火曜日

ふるさと納税の経費率は5割

 ふるさと納税制度の実質予算は年間764億円という推計を、このほどニッセイ基礎研究所がまとめました。

2016年8月29日月曜日

JAFがクルマ税制の見直し求めて調査

 日本自動車連盟(JAF)は自動車ユーザーを対象に、自動車税制関連のアンケート調査を8月にインターネット上で実施しました。

2016年8月26日金曜日

確定申告後に計算誤りなど申告内容の間違いに気づいた場合

 確定申告をした後で計算誤りなど申告した内容に間違いがあることに気づいたときは、申告した内容を改めることになりますが、税額を少なく申告していたときは、「修正申告」をして正しい税額に修正します。

2016年8月25日木曜日

暦年贈与:父母等からの財産の贈与は、特例税率を適用!

 2015年1月1日以降に、暦年課税の場合において、父母や祖父母など直系尊属から財産の贈与を受けた人(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の人に限る)のその財産に係る贈与税の額は、一般税率ではなく、特例税率を適用して計算します。

2016年8月24日水曜日

相続時精算課税方式って何?

 相続時精算課税制度とは60歳以上の親等から20歳以上の子等へ贈与がされた場合に選択により適用されます。

2016年8月23日火曜日

「中小企業等経営強化法」が施行されました!

◆中小企業等の生産性向上の為の法律です

 経営力強化のために適切な取組を計画した中小企業・小規模事業者等を政府が積極的に支援する法律が施行されました。

2016年8月22日月曜日

厚生労働省:スイッチOTC薬控除の対象の医薬品を告示!

 厚生労働省は、2017年1月1日から適用されるスイッチOTC薬控除(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象となる「特定一般用医薬品」を告示しております。

2016年8月19日金曜日

添付書類のイメージデータにより提出が可能へ!

 2016年4月1日から、e-Taxで申告、申請・届出等を行う場合、別途郵送等で書面により提出する必要がある添付書類について、書面による提出に代えて、イメージデータ(PDF形式)により提出することが可能になりました。

2016年8月18日木曜日

介護離職者の増加対策

◆年間10万人超の介護離職者

 内閣府の「平成27年版高齢社会白書」によると平成23年10月から24年9月までに介護や看護を理由とする離職者は10万1千人もいたそうです。

2016年8月17日水曜日

固定資産税の過徴収相次ぐ

 島根県津和野町が住民85人の固定資産税につき、平成18年から10年にわたって過大に徴収していたことが明らかになりました。

2016年8月16日火曜日

償却資産税の見直し論が浮上

 中小企業等経営強化法(7月1日施行)には、企業が生産性を高めるために必要とする金銭的負担を緩和する施策がいくつか盛り込まれています。

2016年8月15日月曜日

国税庁:義援金に関する税務上の取扱いFAQを公表!

 国税庁は、熊本地震による被害者を支援するため、熊本県下や大分県下の災害対策本部等に義援金や寄附金を支払った場合の税務上の取扱いや、募金団体に対して支払う義援金が国等に対する寄附金(特定寄附金)として取り扱われるための確認手続き等について、照会の多い事例を、「義援金に関する税務上の取扱いFAQ」として、公表しております。

2016年8月12日金曜日

介護休業給付金の支給率アップ

◆8月より支給率を引き上げ

雇用保険の介護給付金はこれまで休業開始時の賃金の40%でしたが、平成28年8月以降に開始する介護休業からは支給率が67%になります。

支給額の比較をしてみると休業開始時日額1万円の方が3ヶ月(1ヶ月を30日として)介護休業を取った場合の総支給額で見てみます。

1ヶ月の30万円×40%=12万円。

3ヶ月で36万円が最大支給額でした。

新しい支給率の場合は1ヶ月30万円×67%=20万1千円、3ヶ月で60万3千円とかなり引き上げられています。

又、介護休業給付金の算定基準となる賃金日額の上限額も8月1日以降に開始する介護休業から引き上げられます。

◆年齢区分適用ランクの変更

介護休業給付金の算定基準となる賃金日額の上限は雇用保険の賃金日額の上限(一定の年齢ごとに区分)を基に決められています。

これまでは「30歳から44歳までの賃金日額の上限額」を適用していましたが、平成28年8月1日以降に開始する介護休業からは「45歳から59歳まで」の賃金日額の上限額」を適用します。

支給率をアップしたり上限額の年齢区分適用ランクを引き上げたりは、働き盛りの人が介護休業を取得するようになった時に備えていると言う事でしょう。

又、8月1日以降に介護休業を開始した方で支給対象期間中に賃金の支払いがある場合、賃金額が「休業開始時の賃金日額に支給日数をかけた額」に対し13%を超える時には支給額は減額され80%以上支給される時は給付されません。

◆介護休業の分割取得

介護離職問題がクローズアップされる中、改正によって仕事と介護の両立支援制度の見直しも行われています。

これまでも育児介護休業法では介護休業の規定はありましたが、休業日数が原則1回に限り93日までの取得に限定されていました。

そこで3回を上限に分割取得できるようになります。

介護休暇日数は現在年5日で、それは変わりませんが半日単位の取得も認められるようになります。

平成29年1月から施行の予定です。

2016年8月10日水曜日

預貯金と遺産分割

◆預貯金は遺産分割の対象外?

「相続財産」と聞いて思い浮かべるものに、「預貯金」を挙げる人は少なくないでしょう。

2016年8月8日月曜日

2016年8月5日金曜日

国税庁:消費税の軽減税率の事例集を公表!

 政府は消費税増税の延期を発表しておりますが、その一方で、国税庁は、消費者や事業者が軽減税率の対象になるかどうかを判断するための参考となる事例集を公表しております。

2016年8月4日木曜日

三世代同居リフォーム特例の標準的な工事費用を告示!

 国土交通省は、三世代同居に対応したリフォーム特例の標準的な工事費用を告示で明らかにしております。

2016年8月3日水曜日

マイナンバーと外国人雇用

☆マイナンバーは外国人にも

 マイナンバー制度では日本に住民登録のあるすべての人に個人番号が付されます。

2016年8月2日火曜日

実は一番難しい?許認可と建物の使用承諾

〇許認可の基本、『場所』

 事業の内容によっては各関係官庁から許認可を得なければ営業できないものがあります。

2016年8月1日月曜日

2016年7月29日金曜日

固定資産税での設備投資減税スタート

 中小企業が新たに取得した機械装置の固定資産税を3年間半額にする特例などを盛り込んだ中小企業等経営強化法が7月1日に施行されました。

2016年7月26日火曜日

2016年度税制改正:国税もクレジットカード納税が可能に!

 2016年度税制改正において、クレジットカード納付制度が2017年1月4日より国税にも導入されます。

2016年7月25日月曜日

最小行政区画ってなに?

◆会社の定款と最小行政区画

 会社の名称や所在地、事業目的などの基本事項を定めた会社の基本規則を「定款」と言います。

2016年7月22日金曜日

結婚育児一括贈与特例の利用が伸び悩み

 昨年からスタートした「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例」の利用が伸び悩んでいるようです。

2016年7月21日木曜日

銀行の暦年贈与支援サービスにお墨付き

 年間110万円までの贈与は課税対象になりませんが、一定期間、定期的に継続してお金を受け渡す契約(定期金給付契約)に同意して贈与すると、無税で財産を引き渡すことができなくなるおそれがあります。

2016年7月20日水曜日

2016年7月19日火曜日

登録免許税の税率の軽減措置の適用期限2年延長へ!

 2016年度税制改正により、登録免許税の税率の軽減措置の適用期限が2018年3月31日まで2年延長されました。

2016年7月15日金曜日

どっちが優先? 遺言と遺産分割協議書

◆年々増える遺言作成件数

 相続・遺言に対する関心は年々高まっており、平成26年1月~12月に全国の公証役場で作成された遺言(公正証書遺言)は10年前から約4万件も増加し、ついに10万件を超えました。

 家庭裁判所で扱われた遺産分割事件も同様に増加傾向にあり、こうした背景も影響していることがうかがえます。

 故人の遺志をできるかぎり尊重したいものですが、遺言を書いたときと相続時では家族の状況が変わってしまうということもあります。

 では、遺言の内容と異なる遺産の分割をすることは可能なのでしょうか。

◆遺言と違う遺産分割は可能?

 相続人の間で遺産分割の方法を話し合うことを遺産分割協議と言い、その結果を書面にしたものが遺産分割協議書です。

 判例では、
①遺言によって遺産分割協議が禁止されている場合、
②遺言執行者が選任されている場合を除き、
遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることは事実上認められています。

 実際、遺言と異なる遺産分割の方法を協議することは珍しくありません。

 しかし、だからと言って全て遺産分割協議書が遺言に優先する、という意味ではありません。

 遺言の内容によっては注意が必要です。

◆遺産分割の方法が指定された遺言

 過去、最高裁では、特定の財産を特定の相続人に相続させる内容の遺言の場合、遺言者の死亡によって、財産は直ちに確定的に相続人に帰属するとした判決が行われました(平成3年4月19日最高裁判決)。

 「特定の財産を特定の人に相続させる内容」とは、たとえば「長男○○に埼玉県××の土地を相続させる」というのがこれにあたります。

 この場合、その後に行った遺産分割は本来の意味での「遺産分割」ではなく、相続人間の取引として財産が移転するものとされています。

 その結果、不動産の相続登記を行う際、遺産分割協議の結果をすぐさま登記できず、まずは「遺言に基づく登記」をした後、「相続人間の取引の登記」の二段階で申請しなければならないなど、相続事務に支障をきたすことがあります。

 こうなると手続き費用も手間も二重にかかってしまいますので、注意が必要です。

2016年7月14日木曜日

民間の労災保険 使用者賠償責任保険

◆使用者賠償責任保険の契約者が増えている

 使用者賠償責任保険は労災認定された事案について、企業の安全配慮義務等を問われ法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるものです。

 近年はうつ病等による労災認定件数の増加、賠償額の高額化を背景に大手損害保険会社グループでも2015年の契約件数は前年度比率1.5倍となっています。

 この傾向は今後も続くと予想されます。

◆今後重要視される使用者責任保険

 労働基準法では業務災害で従業員が病気やけがを負った場合、会社は必要な補償を行わなくてはなりません。

 その為労災保険に加入し、従業員が業務災害を負った補償は労災保険から給付を受けます。

 労災保険から給付される事で会社は従業員に対する補償義務を免れる事ができます。

 しかし損害賠償責任を負った時、例えば死亡事故等の場合は遺族が会社に対し損害賠償請求を求める事があります。

 「使用者賠償責任保険」は労災保険給付を上回る補償の提供や和解金の支払いの為に利用する事ができます。ですから労災上乗せ保険と呼ぶこともあります。

 使用者賠償責任保険とは転ばぬ先の杖的役割と言えるでしょう。

 労災保険から従業員に保険給付がされた場合、治療費、休業補償、遺族補償がありますが、慰謝料などは給付されません。

 労災保険から労働基準法に定められた金額が給付されたとしても、会社の安全配慮義務違反が問われると労災保険とは別に民事上の損害賠償を求められることがあり、最近は損害賠償額も高額傾向にあり、1億円を超える事もすくなくありません。

◆リスクを考え検討を

 中小企業の場合、多額の賠償金を支払う事は経営の危機を伴う事も想定されます。

 業務災害はどの企業にも起こりうる危険性をはらんでいるとも言えます。

 但し、保険に加入すればリスクヘッジにはなりますが保険料がかかります。

 保険料は定額のものから業種、雇用形態、企業規模で違っている保険もあります。

 これまでの労働災害の発生状況等も考え、費用と効果を勘案して加入を検討することが良いでしょう。

2016年7月13日水曜日

中小企業の範囲と税制のあり方」に対する検討結果を公表!

 税制審議会は、2015年度諮問事項「中小企業の範囲と税制のあり方について」に対する検討結果を取りまとめした。

2016年7月12日火曜日

ふるさと納税、利用4倍に激増

 任意の自治体に寄付することで税優遇を受けられる「ふるさと納税」制度による寄付額が、この1年で4倍に増えたことが総務省の発表で分かりました。

2016年7月11日月曜日

生前贈与ニーズが高水準で推移

 平成27年の贈与税申告納税額は2402億円で、前年と比べると400億円減少しました。

2016年7月8日金曜日

2016年7月7日木曜日

国税の納付方法の種類

 8月1日は2016年分申告所得税の予定納税額(第1期分)の法定納期限・振替日です。

2016年7月5日火曜日

都市と農山漁村の人材交流

 地方創生においては東京一極集中を是正し、いかにして都市から地方への人の流れをつくるかが課題になっています。

2016年7月4日月曜日

来日芸能人の消費税課税方式の見直し

◆来日芸能人の消費税課税方式の見直し

 2016年は往年のロック・レジェンドの来日が目白押しですが、彼らの来日に合わせて…という訳ではないのですが、日本では4月1日より国外事業者が行う芸能・スポーツ等に係る消費税の課税方式が見直されています。

2016年7月1日金曜日

取締役と会社の利益相反取引

◆取締役と利益相反取引

 買い物をするとき、消費者であればできるだけ安く購入したいと考え、販売者であればできるだけ高く売りたいと考えますね。

2016年6月30日木曜日

会社役員賠償保険の保険料の税務上の取扱い

 国税庁は、これまで給与課税の対象とされていた会社負担の会社役員賠償保険の保険料の税務上の取扱いについて、経済産業省(以下:経産省)からの照会に回答しております。

2016年6月29日水曜日

医療費控除の特例措置を創設!

 2016年度税制改正において、軽い症状であれば病院に行かず市販薬で治療するセルフメディケーション(自主服薬)推進のための施策として、「スイッチOTC薬控除」(医療費控除の控除額計算上の特例措置)が創設されます。

2016年6月28日火曜日

労働保険の年度更新28年度のポイント

◆雇用保険料率は引き下げ

 労働保険料は前年の4月から今年の3月までに支払った賃金を基に昨年度(平成27年度)当初に概算で申告、納付していた保険料を今年度(平成28年度)の初めに精算します。

2016年6月27日月曜日

軽減税率とインボイス

◆軽減税率対象品目及び税率

 今年の税制改正では、消費税の軽減税率導入の法規化がありました。

2016年6月24日金曜日

マイナポータルに暗雲

 マイナンバーに関する個人情報をインターネットで確認できる専用サイト「マイナポータル」の本格的な運用開始時期が、予定より半年遅れの来年7月になること分かりました。

2016年6月23日木曜日

税の専門家のうっかりミス続出

 税の専門家でも税金に関するミスを犯すことを前提に、税理士業界には顧客からの損害賠償請求の負担を緩和する「税理士職業賠償責任保険」(税賠保険)があります。

2016年6月22日水曜日

雇用促進税制の本体部分の見直し

はじめに

 平成28年度税制改正では、雇用者の数が増加した場合の税額控除制度(いわゆる雇用促進税制)の本体部分が改正され、対象となる増加雇用者数が特定地域基準雇用者数に限定されるとともに、適用期限が平成30年3月31日(改正前:平成28年3月31日)まで2年延長されることとなりました。

2016年6月21日火曜日

消費増税延期がクルマ税制を直撃

 自動車関連税制のうち、増税と同時に廃止されることが決定していた自動車取得税は、消費増税の延期によって2度目の〝余命延長〟を余儀なくされる可能性が高いようです。

2016年6月20日月曜日

伊勢志摩サミット会場取り壊し

 伊勢志摩サミットの会場になった国際メディアセンター(IMC)が、総工費約28億5千万円もかけて建設したにもかかわらず、約3億円をかけて解体されることになっていて、「税金の無駄遣い」という声も挙がっています。

2016年6月17日金曜日

2016年度税制改正:雇用促進税制の改正内容に注意!

 2016年度税制改正において、雇用を増やす企業を減税する雇用促進税制は、適用対象となる雇用者をフルタイムの勤務者に限定し、また、対象地域を大幅に縮減した上で適用期限が2年延長されます。

2016年6月16日木曜日

少し変わりました! 農地の納税猶予

◆贈与の納税猶予は「認定農業者」が要件に

 平成28年4月より「農地等の贈与税・相続税の納税猶予及び免除」の規定が一部改正されています。

2016年6月15日水曜日

平成28年度キャリアアップ助成金

◆キャリアアップ助成金とは

 有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。

2016年6月14日火曜日

新設法人の増加率が鈍化

 去年1年間で設立された法人は、東京商工リサーチの調べでは全国で12万4996社でした。

2016年6月13日月曜日

2016年6月10日金曜日

企業の配偶者手当の行方

◆見直しの時が来そうな配偶者手当

 4月から女性活躍推進法も施行され女性の就業環境も広がりつつあります。

2016年6月9日木曜日

所有者らしい振る舞いだから

◆名義人課税が原則という見解
 
 不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。

2016年6月8日水曜日

ふるさと納税、豪華返礼品に「待った」

 任意の自治体に寄付することで住んでいる土地に納める税金で優遇を受けられる「ふるさと納税」制度をめぐり、寄付者に贈る返礼品を見直す動きが一部自治体で出ています。

2016年6月7日火曜日

被災相続人は相続の「熟慮期間」延長

 平成28年熊本地震の発生日である4月14日に住所が熊本県にあった相続人は、相続の放棄または限定承認に関する判断期間(熟慮期間)が12月28日まで延長されます。

2016年6月6日月曜日

2016年度税制改正:住宅ローン控除等の適用が拡大へ!

 2016年度税制改正では、非居住者にも住宅ローン控除等の適用が拡大され、また、「多世代同居改修工事」に係るリフォーム減税が創設されます。

2016年6月3日金曜日

不動産の権利証 紛失で相談窓口

 過日、法務省は、熊本県を中心に相次ぐ地震で家屋などが倒壊し、不動産の権利証を紛失した場合の相談窓口を設けた、との新聞報道がありました。

2016年6月2日木曜日

平成28年から通勤手当非課税枠引上げ

信州上田も首都通勤圏に!?

◆真田昌幸と中小企業経営者

 NHK大河ドラマ「真田丸」の舞台が、いよいよ上田から大坂に移りましたが、ここまでは、信繁(幸村)の父である昌幸役の草刈正雄さんの怪(快)演?が印象的です。

2016年6月1日水曜日

パナマ文書で名画が見つかる!

 タックスヘイブンを経由した金融取引が記された「パナマ文書」によって、思わぬ〝探しもの〟が見つかることとなりました。

2016年5月31日火曜日

財務省ゲーム、クリア要件は増税?

 財務省が作成したゲーム「財務大臣になって財政改革を進めよう」が公表されてからしばらくの間、「クリアするためには、『増税』を実行するしかないのか……」と話題になりました。

2016年5月30日月曜日

三菱自動車、エコカー減税分を負担

 三菱自動車は軽自動車の燃費偽装問題を受け、車の保有者に支払い義務が生じるエコカー減税の追加課税分を全額負担する方針を明らかにしました。

2016年5月29日日曜日

会社が被災者に物的支援をしたら?(原稿提供:エヌピー通信社)

 熊本地震の発生を受けて、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は4月下旬、チャーターしたヘリコプターで佐賀から熊本に向かい、被災地に救援物資を運び込みました。

2016年5月6日金曜日

ややこしい軽減税率の線引き

 消費税の軽減税率の対象を「酒類と外食を除く飲食料品」と「定期購読契約をする週2回以上発行の新聞」とすることが昨年末の税制改正大綱で決まりましたが、この線引きは納税者にわかりづらい点がたくさんあることから、国税庁が関連Q&Aを公表しています。

2016年4月29日金曜日

2017年1月から『通勤手当の非課税限度額』が引上げへ!

 2017年1月から、月10万円とされている通期手当又は通勤用定期乗車券の非課税限度額が5万円上乗せされて月15万円となります。

2016年4月27日水曜日

《2016年度税制改正》外国人旅行者向け消費税免税制度を拡充へ!

2016年度税制改正において、外国人旅行者による旅行消費の経済効果(インバウンド効果)を地方に波及させる観点から、外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)が、2016年5月1日から拡充されます。

2016年4月24日日曜日

《マイナンバー》勤務先に副業は知られるか

◆よくある質問・・・就業後のアルバイト

 マイナンバーに関しての質問で多いものの1つに「会社に内緒でアルバイトをしているのがばれる事は無いでしょうか?」というのがあります。

2016年4月22日金曜日

日司連が空き家の相談内容分析

 日本司法書士会連合会(日司連)が、空き家に関する電話相談窓口「全国空き家問題110番」(昨年8月23日実施)に寄せられた相談内容を集計・分析し、実施報告書として公表しました。

2016年3月17日木曜日

改正行政不服審査法の4月施行

◆行政法の手続法の体系

 行政不服審査法は、行政事件訴訟法とセットになっている法律で、両者を合わせて行政救済法という分野を構成しています。



 また、行政の事前事後手続に関する法律の分野を構成するものとして、事前手続の行政手続法と事後手続の行政不服審査法がセットとして存在します。

2016年3月16日水曜日

仕事と介護の両立には

◆介護休業法の改正の動き

 厚生労働省は1995年の施行以来ほとんど見直しされていない介護休業制度の規定について「介護による離職ゼロ」を目指すため、法整備に動き出しました。



 労働政策審議会が育児・介護休業法等を改定する法案を近く国会に提出します。

2016年3月15日火曜日

資産にあるリスクを見極める(その2)

 昨今、百貨店のブランド力も落ちてきました。



 消費不況と言われていますが、特に百貨店の地盤沈下は顕著です。

2016年3月14日月曜日

資産にあるリスクを見極める(その1)

 企業は資産リスクを対価にリターンを獲得します。


 
 ただ、時代の要請や企業自体の変化でリスクを取る資産は変化していきます。

2016年3月11日金曜日

総務省:地方税分野におけるマイナンバー取扱いを公表!

 総務省は、地方税分野におけるマイナンバー取扱いについて、HP上などで公表しております。



2016年3月10日木曜日

還付申告書 提出期限はいつまで?

 確定申告ですが、申告書を作成している段階で算出した税額が、源泉徴収された税額及び予定納税した税額に満たず、マイナス、すなわち税金が支払超過となっていることもままあります。


2016年3月9日水曜日

その領収書、経費で落ちますか?

◆その領収書は経費になりますか?

 文筆業を営むAさんは、参加者が医者、歯医者、弁護士など多岐にわたる異業種交流会を主宰しています。


 年に数回、昼は伝統芸能に触れ、夜は鮨会と称しておいしいものをいただく会です。

2016年3月8日火曜日

税務大学校が江戸税制を紹介

 江戸時代中期に老中として権勢をふるった田沼意次は、商工業者組合からの営業税徴収を決めた人物です。



 年貢率を引き上げる増税策に限界を感じ、新たな徴収制度を導入したそうです。

2016年3月7日月曜日

中小企業に最大3千万円の補助金

 中小企業庁は、中小企業のサービス開発、試作品開発、生産プロセス向上などに補助金を助成する「ものづくり・商業・サービス補助金」の募集を始めました



補助金は平成27年度補正予算で組まれた取り組みのひとつです。

2016年3月6日日曜日

個人の確定申告 申告手続きに留意!

 確定申告の期限も残り10日あまりとなりました。

 多くの方は、ほぼ準備が完了し申告書の作成かと思います。

2016年3月5日土曜日

受取利息の源泉税が変わります

多くの方が忘れておりました


 平成28年1月1日以降法人が受け取る預金の利子には、地方税(都道府県民税利子割)が課税されなくなりました。

2016年3月4日金曜日

マンション事務所の税金が変わる?

  マンション内の事務所部分の固定資産税の算定方法をめぐって、不動産業者が札幌市を訴えていた訴訟の判決が札幌地裁で出ました。




  裁判長は「市が用いた税額の算定方法は地方税法に違反している」として、本来の税額との差額に当たる計約61万円の支払いを市に命じました。

2016年3月3日木曜日

社員食堂は軽減対象に含まれず

  政府は平成29年4月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率制度について、適用対象外となる「外食」の線引きルールを決めました。




  学校給食は外食には含めず、軽減対象とする一方、社員食堂や学生食堂は通常のレストランなどと同様に対象から除外されます。

2016年3月2日水曜日

労使コミュニケーションの実態

  厚生労働省が昨年発表した「平成26年労使コミュニケーション調査」は、労使間の意思の疎通方法やその運用状況等事業所と労働者の意識の実態を調査したものです。



  全国約5,500事業所で常用労働者数30人以上事業所と、そこに雇用される労働者約6,400人を対象にしたものです。

2016年3月1日火曜日

残業削減の取り組み

  独立行政法人労働政策研究・研修機構が従業員100人以上の企業約2500社から回答された調査の結果、最近過去1年における1カ月当たり所定外労働時間は平均24.5時間でした。



  また、過去1カ月当たり45時間超えの所定外労働時間労働を行った正社員が1人でもいた企業の割合は76.5%で、60時間超えが61.4%、80時間超えは39.9%でした。

2016年2月29日月曜日

異業種からの農業参入【その2】

  異業種からの農業参入においては具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。



  
  そこで島根県においてトマトの栽培に参入した建設業者A社の取組みをみていきましょう。

2016年2月28日日曜日

異業種からの農業参入(その1)

  本業での経営環境が激化する中、他の業種から農業へと参入する動きが注目されています




  異業種からの農業参入における例として、食品関連産業からの参入があげられます。

2016年2月27日土曜日

フィンテックの進化と事業での活用(その2)

  最近、注目を集めているフィンテックですが、今後は、ますます新たなサービスが誕生するでしょう。



  とくに技術の進歩が期待されているのは指紋認証の分野です。

2016年2月26日金曜日

フィンテックの進化と事業での活用(その1)

  最近、フィンテックという言葉を耳にする機会が増えました。


  これは、FinTechといって、Finance(ファイナンス)とテクノロジー(technology)を組み合わせた造語で、金融分野での技術革新を指します

2016年2月25日木曜日

ベルギーの法人税が違法認定

  EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会は、ベルギーで多国籍企業に対して行われている法人税の優遇制度を違法と認定し、優遇を受けた企業に対して追徴金を課すよう同国に命じました。


  EUが近年進めている多国籍企業の国際租税回避行為に対する捜査の一環で、企業に課される追徴金は合計約7億ユーロ(約900億円)にも上るそうです。

2016年2月24日水曜日

役員と旧姓の登記

夫婦別姓について最高裁が初めての判断



  平成27年12月、夫婦別姓を認めない民法の規定について争った裁判で、最高裁判所が初めて「憲法に違反しない」という判断を示しました。

2016年2月23日火曜日

国外居住親族に係る扶養控除等に関する事項【№2】

注意事項としては、




親族関係書類は、国外居住親族の旅券の写しを除き、原本の提出又は提示が必要

2016年2月22日月曜日

国外居住親族に係る扶養控除等に関する事項

  国税庁は、国外居住親族に係る扶養控除等に関する事項をQ&A(源泉所得税関係)として取りまとめ、同庁ホームページ(HP)上に掲載しました。




  2015年度税制改正において、2016年1月1日以後に支払うべき給与等及び公的年金等の源泉徴収や給与等の年末調整から、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、当該親族に係る親族関係書類や送金関係書類を提出又は提示することが義務化されました。

2016年2月21日日曜日

住宅借入金等特別控除の適用要件!(その2)

  さらに、耐震基準に適合していなくても、自分で耐震工事を行うことで住宅借入金等特別控除を適用できますが、



住宅借入金等特別控除の適用要件!



  住宅借入金等特別控除とは、居住者が住宅ローン等を利用して、マイホームを新築、取得又は増改築等をし、

2016年2月20日土曜日

企業版ふるさと納税が創設へ

  企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の創設が平成28年度税制改正大綱に盛り込まれました。



  その名称から個人を対象にしたふるさと納税制度と似た仕組みのイメージが強い制度ですが、異なる点は少なくありません。

通勤手当の非課税限度額15万円に

 平成28年度税制改正大綱には通勤手当の非課税限度額の引き上げが盛り込まれています。



  今年1月1日以降に社員が受ける通勤手当から対象となる見通しで、非課税限度額は10万円から15万円になります。

2016年2月18日木曜日

イータックス相談は月曜混雑

国税庁が公表したデータによると、確定申告期にe-Tax(イータックス)に関する質問をするのであれば、なるべく月曜日は避けたほうがよいようです。


2016年2月17日水曜日

ネット公売の目玉はロールスロイス

 全国の国税局や税務署が税金滞納者から差し押さえた財産を売却する「インターネット公売」が2月に開催されます



  すでに参加申し込み期限は過ぎていますが、目玉の高級車ロールスロイスがどのくらいの金額で落札されるのかに注目が集まっています。

2016年2月16日火曜日

雇用保険65歳以上の新規加入が可能に

◆65歳以上の方でも新規加入ができるように



 厚生労働省は来年度から65歳以上の高齢者も新規に雇用保険に加入する事ができるようにする方針を固めました。

2016年2月15日月曜日

マイナンバー制度の法人番号

◆法人番号とは

 マイナンバー制度では、国民一人一人に付与される個人番号の他に、会社法等によって登記された法人や団体、国の機関等に新しく「法人番号」が指定されています。



 法人番号は一法人に対して一番号が指定されます。