2017年9月29日金曜日

ふるさと納税上限規制で得する人

◆過熱する返礼品競争に総務省が待った

 過熱する一方のふるさと納税返礼品競争に対し、総務省が待ったを掛けました。

 「返礼割合の高い返礼品」や「金銭類似性の高いもの」そして「資産性の高いもの」を自粛するように、各自治体に対して、総務省が平成29年4月1日付で通知し、通知を通じて徹底を要請していくということです。

 これまでは具体的な基準を示していませんでしたが、「返礼割合は3割以下」、「商品券などの換金できるものはダメ」、「家電品も転売できるのでダメ」といった通知です。

 ふるさと納税の返礼品は、知られていなかった地域の名産品を全国の人々に知ってもらう良い機会です。

 返礼品が気に入って、通信販売などで直接取寄せにつながれば、地域経済振興にもなります。

 その趣旨では意味があるので、国も平成27年4月から、限度額を2倍に拡大し、ワンストップ制度も導入しましたが、歯止めが必要になったということなのでしょう。

◆最近の過熱ぶりの一端も規制に影響?

 最近はそれまで年一回限りの返礼品を何度でもOKとしたり、人気のある品は前年から予約の寄附となったりしています。

 限度額に余裕のある高額所得者は、肉や野菜、その他生活必需品が定期的に送られてきて買い物に行く手間が不要となるような使い方をしている人もいるようです。

◆この上限規制で得をする人もいる!?

 「ふるさと納税は2千円の負担で限度額の範囲内であればタダでもらい放題!」という話は、間違いです。

 ふるさと納税の返礼品は、「他の各種所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」なので、一時所得となります。(所得税法34条)

 ただし、課税所得の計算で50万円の特別控除があるので、ほとんどの方は課税されない結果となっているだけなのです。

 返礼率が5割の場合には、特別控除50万円を超えるには100万円超のふるさと納税であれば、一時所得の課税があることになります。(=他の一時所得ゼロと前提)

 今回の総務省の通知「返礼割合3割」の上限が守られている前提では、過去に確定申告で5割の返礼率で申告していた人も3割でよいことになります。

 今後は1,666,667円超のふるさと納税で課税され、課税される所得も5割から3割に減ります。


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2017年9月28日木曜日

必ずしも脱税とは言えない「所得隠し、海外への所得移転」

◆読者を誤解に導く記事の定型文

 新聞紙上を賑わせる「〇〇国税局は、△△会社の税務調査で、国内で計上すべき所得を海外子会社へ移転したとして、移転価格税制に基づき20××年×月期までの×年間に計約□□億円の申告漏れを指摘していたことが分かった」といった報道は、読者に△△が脱税会社という印象を与える典型的なミスリーディング記事です。

 理由は、この時点の事実として、脱税というよりも、税務調査での当局の見解が、課税の元となる所得(=儲け)がどちらの国に属するかにつき会社側と相違しているだけだからです。

 すなわち、△△社は、利益は海外子会社のものと認識し、一方の国税は日本の親会社のものとして、認識が違うだけなのです。

◆移転価格税制とは

 企業が海外の関連企業との取引価格(移転価格)を通常の価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することが可能となります。

 移転価格税制は、このような海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するため、海外の関連企業との取引が、通常の取引価格(独立企業間価格=第三者取引価格)で行われたものとみなして所得を計算し、課税する制度です。

 わが国の独立企業間価格の算定方法は、OECD移転価格ガイドラインにおいて国際的に認められたいくつかの方法に沿ったものとなっています。

 納税者と国税が対立した時は、異議申立による再調査→審査請求(もしくは直接審査請求)→裁判と進んでゆきます。

 または他国との相互協議を経る場合もあります。

◆大手薬品工業へ国税局の再挑戦

 2017年7月21日の日本経済新聞の朝刊で、国税局がある大手薬品工業に5年間で約71億円の申告漏れを指摘したという報道がされました。

 過去2006年に同じような申告漏れが指摘されましたが、結局、この課税漏れは取り消されています。

 移転価格の算定方法も、2011年(平成23年)に、ベストメソッドルール(=その会社にとって最適な方法で価格を算定すること)に変わっています。

 その影響か、それ以外の要因もあったのかは不明ですが、当該国税局は再挑戦してきました。

 移転価格税制は、基本的には、国と国との税金の分捕り合いです。税収がマイナスとなり国税も必死になっているのでしょう。

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2017年9月27日水曜日

ふるさと納税の効果を検証

 任意の自治体に寄付すると所得税や住民税の控除が受けられる「ふるさと納税」制度をめぐり、同制度が地方自治体にもたらす経済効果などを検証して数値化する取り組みが、産学官の連携で始まります。

 総務省が今年4月に全国に要請した返礼品の「3割規制」など、返礼品の価値によって地域に及ぼす経済効果にどれほどの違いが出るのかなどを調べます。

 研究は、総務省や自治体などの公的機関と、ふるさと納税ポータルサイトを運営する「さとふる」「トラストバンク」といった民間企業などから得られた情報を基に、事業構想大学院大(東京・港区)が集計し、効果を数値化するそうです。

 検証するのは、①自治体がふるさと納税にかけた予算額と、地域の事業者への経済波及効果の大きさの関係、②返礼品の種類による経済波及効果の違い、③寄付額に占める返礼品の価値である「返礼率」が寄付の多さに与える影響、④地方部と都市部の制度による経済効果の差―など。

 返礼率については、過熱する返礼品競争を防止するため、今年4月に総務省が寄付額の3割以下に抑えるよう全国の自治体に要請し、多くの自治体が見直しを行う一方、一部の自治体からは強い反発の声が上がっています。

 また都市部と地方部の制度による経済効果の違いについては、2017年度に東京都から466億円の税収が流出したほか、同制度の利用によって寄付者が居住する自治体の個人住民税が合計1767億円も減少したことが、総務省の発表で明らかとなっています。


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2017年9月26日火曜日

京都市が宿泊税導入へ

 京都市の有識者委員会は8月上旬、宿泊施設の利用者に課税する「宿泊税」の導入について市長に答申しました。

 導入されれば東京都、大阪府に続き3例目です。

 東京・大阪の宿泊税は1泊料金が1万円以上のときに利用者に課税しますが、京都市では料金にかかわらずすべての宿泊を対象にする方針。

 民泊を利用する人も課税対象とします。修学旅行生には課税しないというのが京都市の宿泊税の特徴です。

 課税額は決まっていませんが、1泊100円とすると年間20億円程度の税収が見込めるそうです。

 市は来年度の導入を目指していて、税収は渋滞緩和や観光振興に充てられることとなっています。

 観光振興予算に充当する目的で宿泊税の導入を検討する自治体は増えています。

 現在、北海道、金沢市、ニセコ町など多くの人気観光地が導入に向けた具体的な検討に入っている段階です。


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2017年9月25日月曜日

日銀とネット金融に追い込まれる銀行

 日銀の追加金融緩和が強力に進められ、銀行は追い込まれています。

 金融緩和の目的の一つは、銀行が保有する国債を日銀が買い上げ、金利を引き下げると同時に、銀行の手持ち資金を増加させ、その資金を貸出に振り向けさせようとすることにあります。

 ところが、肝心の企業の資金需要は盛り上がらず、日銀の思惑通りに企業向け貸出は伸びません。

 銀行は預金として預かった資金をどこかで運用しなければなりませんから、貸出が伸びなければ仕方がないので、金利が低くなっても国債を買うしかありません。

 運用側の国債金利が低くなるのに対応して、調達側の預金金利も低くなればいいのですが、預金金利はほとんどゼロにへばりついており、これ以上の下げ余地はありません。

 株式やREIT、外国債券といった選択肢もないではありませんが、こうした金融商品は量の問題や反転したときのリスクが大きく、銀行が大量に所有するには適していません。

 その結果、銀行は日銀の量的金融緩和で生じる金利低下に伴う利ザヤの縮小を、指をくわえて見ているしかない状況です。

 かといって、金利が反転上昇すればいいかというと、それも困ります。

 なぜなら、今度はそれまでに抱えた低金利の債券に評価損が発生するからです。

 金利低下では直接利ザヤが取れず、金利上昇では評価損が怖いという、銀行にとっては何とも出口の見えない状況になっています。

 一方で、アマゾン、楽天などが自社モールに出店する加盟店に対する融資を積極化しています。

 こうしたネット関連融資の特徴は、特定商品の物流に付随した金融であること、融資金額が小口で金利が高いこと、申し込みから融資までの期間が短いこと、決算書を使わずネットモール上の商品の売れ行き状況を融資審査の主たる材料とし、人手をかけないシステマティックな融資判断をすること、などです。

 こうした特徴の必然的帰結として、ネット関連融資が焦点を当てるのは、企業全体としての信用判断というより、当該個別融資に限定した回収可能性になります。

 これはネット経済の拡大とネット技術の進展がもたらした新時代の融資手法だといえます。

 銀行貸出が伸びない中で、ネット関連融資は時流に即していて、数少ない成長分野だといえます。

 需要の拡大が期待でき、金利も高いのですから、既存銀行も参入すればよさそうですが、ことはそう簡単ではありません。

 なぜなら、銀行は上述のネット関連融資の特色をことごとく保有していないからです。

 銀行は商流を握っていませんし、融資審査は決算書を使い、時間と人手をかけて主として人間の判断に依存して、慎重に行うことを特徴としていますから、大型の融資向きで小型のスピード融資には適していません。

 銀行は、上からは日銀の金融緩和、下からはネット関連融資に押され、袋小路に入りつつあります。

 銀行に求められるのは、かつての床柱を背にした殿様商売の感覚を捨て去り、大きな溝を乗り越え、新しい時代に打って出る勇気なのでしょう。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


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2017年9月22日金曜日

2018年度税制及び税務行政の改正に関する意見書を公表!

 東京税理士会は、2018年度税制及び税務行政の改正に関する意見書を公表しました。

 それによりますと、消費税の軽減税率と適格請求書等保存方式の導入に強く反対し、単一税率の維持と給付制度による逆進性の排除を要望しました。

 消費税率10%への引上げと軽減税率制度の導入は、2019年10月から実施(2年半延期)とされました。

 また、適格請求書等保存方式についても、2023年10月から導入される予定(2年半延期)となっております。

 軽減税率制度への反対理由として、

①導入に伴い減少する税収分を補う代替財源の確保が困難なこと

②適用対象品目の限定が困難なこと

③低所得者対策が目的であるにも拘わらず、低所得者層の負担軽減効果が限定的で高所得者層により多くの負担軽減効果が及ぶこと

④事業者の事務負担が増加するおそれがあること

などを挙げ、軽減税率制度の導入には強く反対することを明らかにしております。


 また、適格請求書等保存方式の導入に関しては、

①導入により免税事業者が取引から排除されるおそれがあること

②仕入税額控除の可否を判断するために増加する事務負担への対応が困難であること

③軽減税率が導入された場合においても、現行の請求書等保存方式によって十分対応できること

などを挙げ、適格請求書等保存方式の導入についても強く反対するとの意見を表明しております。

 2018年度改正への意見では33項目の要望事項を掲げたほか、とくに重要な改正要望事項として、所得課税では、人的控除及び控除方式、また、人的控除以外の所得控除について、その必要性を見直すこと、法人課税では、役員給与の損金不算入規定を見直すこと、消費税では、基準期間又は特定期間の課税売上高により納税義務の有無を判定する納税義務免除の制度を廃止し、新たに小規模事業者に配慮した申告不要制度を創設すること、地方税について、償却資産に係る固定資産税の申告期限を見直すこと、マイナンバー制度に関する事項として、法人番号の指定を受けることとなる者の範囲に、個人事業主を加えることや、税務代理人による本人確認は、税務代理人が提供先に対してするのではなく、税務代理人が本人に対してすれば足りることとするなど重要な改正要望事項を掲げております。

 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年8月7日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年9月21日木曜日

2017年度税制改正:当初申告要件の要否を明確化へ!

 2017年度税制改正において、申告要件が見直され、研究開発税制等のように当初申告要件が求められる租税特別措置について、納税者が立証すべき事項や当初申告の要否の明確化が図られ、要件を満たす場合には税額控除額を変更できることになりました。

 そもそも、当初申告要件とは、最初の確定申告のときに申告していない税額控除などがある場合に、後から税額控除などを受けることはできないことをいいます。

 しかし、租税特別措置については当初申告要件が存続する一方で、適用額の制限が見直され、控除が受けられる正当額を計算する際の基礎事項が確定申告書等に記載された全ての事項から特定の事項に改められ、確定申告書等に特定の事項以外の事項として記載された金額に変動がある場合には、修正申告や更正の請求によってその金額を是正し、適用を受ける金額の増額が可能になりました。

 外国税額控除や研究開発税制等において、控除額を増加させる場合には、更正の請求が必須となります。

 そして、更正による法人税額の増加に伴って連動して控除上限額が増加しても、調査に基づく更正では控除額の増加は認められないことから、調査に基づく更正後に納税者からの更正の請求を受けて、再度、更正処理を行うという課税サイドにも煩雑な手続きが求められてきました。

 2017年度税制改正では、納税者の立証すべき事項及び当初申告の要否を明確化し、要件を満たせば控除額を変更できる旨を明らかにし、税務署長は増額更正の際に、連動して控除額も増額できるようになります。

 例えば、試験研究を行った場合の特別税額控除の場合、確定申告書等に明細を記載した書類の添付がある場合に限って適用されると当初申告要件を明確化しております。

 なお、法人税に関して申告要件が見直されるのは、試験研究税制のほか、中小企業者が機械等を取得した場合の特別税額控除制度や雇用促進税制など、12の租税特別措置で、これらに対して同様の措置が講じられております。

 今後の動向に注目です。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年8月7日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年9月20日水曜日

早期経営改善計画の策定を

◆経営改善計画の簡易版です

 従来の経営改善計画は、金融機関からリスケジュール等の返済条件を緩和してもらうことを目的として策定するものです。

 早期経営改善計画では、そういった金融支援を得ることを目的としていません。

 国が認める士業等専門家の支援を受けながら、早いうちから自社の経営を見直すために現状分析から資金繰り、ビジネスモデル図など簡易な計画を策定し、金融機関に提出するものです。

◆どういうメリットがあるか?

①自社の経営を見直すことにより新たな問題と経営課題の発見や分析が出来ます。
②目標を設定する事により、目指すべき姿が明確になります。
③自社のビジョンについて金融機関と共有することが可能になります。

◆活用までの流れ

 事業者は金融機関に対して、事前に本事業を活用することを相談し、認定支援機関と連名で経営改善支援センターに利用を申請します。

 早期経営改善計画を策定し、その計画について金融機関に提出した場合、早期経営改善計画策定にかかる費用を補助されます。

 早期経営改善計画策定後1年を経過した最初の決算時に、モニタリングを実施します。

 これら早期経営改善計画策定支援に要する計画策定費用とモニタリング費用の総額について、経営改善支援センターが2/3(上限20万円)を負担するものです。

◆早期経営改善計画策定には「ローカルベンチマーク」の利用を推奨します

 ローカルベンチマークは企業の現状分析をする為のツールです。

 経営者や金融機関、認定支援機関が同じ目線で対話を行うための基本的なフレームワークです。

 具体的には6つの指標による経営状態の変化に早めに気づき、早期の経営改善に役立ちます。

 売上高が年々減少傾向にあるがその要因がよく分からない、あるいはこのままでは先行きが不安なので、経営の見直しを行いたいといった問題が生じている企業は検討しても良いかと思います。


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2017年9月19日火曜日

年金受給資格期間不足を補うには

◆10年加入でも受給ができる

 年金の加入期間が足りず受給資格が取れなかった方でも、8月1日からは老齢年金受給資格期間25年の短縮で10年あれば受給可能になりました。

 新たに受給資格を取得した方もいる事でしょう。

 年金の受給資格期間とは保険料を納めた期間ばかりでなく、保険料を納めていなくとも資格期間となる合算対象期間も含まれます。

◆合算対象期間(カラ期間)

 過去に国民年金に任意加入していなかった期間も年金の受け取りに必要な資格期間に含む事ができる期間を言います。

 期間は計算されますが年金額の算定には反映されません。

 具体的には次の様な場合で20歳以上60歳未満の期間です。

①昭和61年3月以前にサラリーマンの配偶者だった期間
②昭和61年3月以前に厚生年金等の障害年金受給者の配偶者であった期間
③平成3年3月以前に学生だった期間
④海外に住んでいた期間
⑤脱退手当金の支給対象となった期間

 これらの資格期間を合算すると年金が受給できる可能性があります。

◆年金受給資格取得や増額をする

 新たに保険料を納付して受給資格を得たり年金額を増額したりする事ができます。

①60歳以上の方の国民年金任意加入

 希望する方は60歳から65歳までの5年間国民年金保険料を納めると65歳から受け取る老齢基礎年金額が増えます。

 また、資格期間10年に満たない方は最長70歳まで国民年金に任意加入ができます。

②過去5年間に納め忘れた国民年金保険料を納付できる後納制度は、申し込みにより保険料を納める事ができます(平成30年9月まで)。

③専業主婦(主夫)の届出漏れの期間の届出

 例えば会社員の夫が退職した時や妻の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者を外れた時には、国民年金の3号から1号被保険者に切り替えの届出をします。

 届出を忘れていた時、過去に2年以上切り替えが遅れた方は記録が未納期間になっています。

 その場合は「特定期間該当届」の手続をすることで最大10年までの保険料を納める事ができます(平成30年3月まで)。


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2017年9月18日月曜日

鉱業税が非課税だった採掘物は?

 税務大学校のホームページに掲載されている「税の歴史クイズ」の最新問題です。

 明治時代に課税されていた「鉱業税」は制定当初、金鉱、銅鉱、鉄鉱、石炭のうち、どれを非課税対象にしていたのでしょうか。

 鉱業税は明治時代の税金で、採掘物の価格の1%を採掘者が納めていました。

 金鉱、銀鉱、銅鉱、石炭などの採掘に課税されましたが、鉄鉱については「製鉄業の保護振興を図るため」として非課税とされました。

 クイズの答えは「鉄鉱」です。なお、明治38年に鉱業条例が見直されて鉱業税の非課税品目が拡大しています。

 明治時代、採掘物の価格に応じて課税される「抗業税」と、鉱区の面積に応じて課税される「借区税」が課税されていましたが、明治23年に鉱業条例が制定され、それまでの抗業税に代わり「鉱業税」、借区税に代わり「鉱区税」がそれぞれ設けられました。

 鉱業税の税額は採掘物の価格の1%。一方の鉱区税は鉱区1千坪(約3300㎡)ごとに年間30銭が課税されていました。


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2017年9月15日金曜日

医療費の自己負担が3割増

 70歳以上の高齢者が負担する医療費の上限を引き上げる内容などを盛り込んだ新たな高額療養費制度が、8月1日にスタートしました。

 病院で外来診療を受けた際の自己負担が、最大で従来の3割弱増えることになります。

 来年8月には所得に応じてさらに上限額が引き上げられることも予定され、高所得者の社会保障負担は増すばかりです。

 高額療養費制度では、本人の年収に応じて3段階に自己負担の上限を定めていて、年収が約370万円以上あれば「現役並み」とみなされ、最も高い上限額が適用されます。

 70歳以上の人で、今年の7月までに診察を受けた分に関しては、外来診療1回当たりで4万4400円が上限です。

 8月から始まった新たな仕組みでは、70歳以上で年収370万円以上の人について、1カ月当たりの外来診療の自己負担上限額を5万7600円とし、従来から約3割増額しました。

 また年収156万円以上370万円未満の人についても、従来に比べて2千円引き上げられて1万4千円となりました。

 さらに、1年後の8月にも再度の引き上げが予定されています。

 来年の引き上げ時には、これまで年収370万円以上を一律に扱っていたところを、現役世代と同じ「370万円以上~770万円未満」、「770万円以上~1160万円未満」、「年収1160万円以上」の3段階に分け、上限額についても69歳以下と同額にすることが決まっています。

 これまで「現役並み」として扱っていたところを、言葉通り「現役」と同じ扱いに改めることになります。


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2017年9月14日木曜日

国税の滞納、発生超えるペースで処理

 平成28年度に新たに発生した国税の滞納額は6221億円で、前年より1割弱減少しました。

 年度末時点の滞納額の残高は8971億円となり、18年連続で減少しています。

 国税庁は滞納残高が減り続けている理由として、滞納の未然防止やコールセンターを活用した催告の効果などを挙げています。

 税目別に見ると、消費税は5%から8%に増税されてから新規滞納が急増していましたが、今回は3年ぶりに減少に転じました。

 とはいえ28年度の新規滞納額は3758億円で、全滞納の6割を占めています。

 所得税、法人税、相続税、消費税のすべてで、滞納を解消させた「整理済額」が新規発生額を上回りました。

 28年度中に整理済となった滞納額は7024億円に上っています。

 滞納整理が進んだ理由として国税庁は「大口・悪質事案や処理困難事案に対して厳正・的確な滞納整理を実施」したと説明しています。

 また、今年6月に国税庁が発表した「国税庁レポート2017」によれば、滞納整理がスムーズに進んだ要因には、差し押さえ財産のインターネット公売の活用があるようです。

 28年度にも4回の公売が実施され、高級車や宝飾品、不動産など400物件を売却した結果、約5億円が徴収されています。

 レポートでは「ネット公売は利便性が高く、より多くの参加者を募ることができるため、差し押さえた財産の高価・有利な売却に役立っています」として、公売の有効性を誇っています。


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2017年9月13日水曜日

どの資格試験も受験者数減ですね… 最近の税理士試験事情

◆7年間で3割減少した税理士試験申込者数

 毎年8月は、年に一度の税理士試験。

 今年(第67回)も全国14か所の試験会場で8月8日~10日の日程で実施されました。

 台風5号の影響もあり、悪天候の中で試験に臨まれた方も多かったはず。

 受験生のみなさんは本当にお疲れさまでした。

 国税審議会公表の今回の受験申込数は4.1万人。

 他の資格試験同様に、税理士試験も減少傾向にあります。

 平成23年には約6万人の申込みがありましたので、7年の間に約7割に減少したということになります。

◆働きながら1.4科目受験が一般的受験者像

 税理士試験は、よく「働きながら受けることができる資格試験」の代表格といわれています。

 この試験が「科目選択制度」と「科目合格制度」という特徴を持っているからです。

 税理士試験は11科目中5科目合格すればよい試験。

 必ず選択しなければならない「必修科目」(簿記論・財務諸表論)や、どちらかを選択しなければならない「選択必修科目」(法人税法又は所得税法)はありますが、基本的には難易度や勉強量、将来の必要性に応じ、受験のプランニングができます。

 科目の合格率は10~15%ですが、5科目といってもすべて同時に受験する必要はなく、一度合格した科目に有効期限はありません。

 そのため、働きながら一科目ずつ確実に合格していけばよいわけです(昨年の平均受験科目数は1.38科目)。

 病気、転職、子育てや介護などで勉強を中断しても受験を続けることもできます。

 今年で67年も実施されているという実績があることから、一科目合格でも、履歴書に書くことができるのは魅力の一つです。

◆HPから読める?若者は長い受験期間を敬遠

 このような試験であることから、税理士試験は「受験期間が長くなりがち」という一面をもっています。

 資格専門学校は「短期合格」を宣伝していますが、国税庁HPの統計を読めば、容易でないことはわかります(机上では、年受験科目数1.38×合格率12%=期待値約0.17。5科目÷0.17=なんと約29年)。

 10年以上の合格などザラ。

 これでは若い方に敬遠されてしまいます。

 実際、41歳以上の受験生の5年間の統計は1.1万人と横ばいですが、25歳以下の受験生は7.7千人から4.5千人と約4割減(会計科目受験生も4割減です)。

 最近は若い税理士の先生の中で、大学院に通われた「試験免除組」が増えている気もします。


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2017年9月12日火曜日

市町村税なのも理由がある「軽自動車税」は昔「自転車税」だった

◆自動車税は県税で、軽自動車税は市税

 自動車税は道府県税ですが、軽自動車税は市町村税。何故なのかと不思議に感じたことはありませんか?

 もともと道路運送車両法では、普通自動車等は「登録車」、軽自動車は「届出車」とされ取扱いに違いがあります。

 「登録車」を所有する場合、国(管轄の陸運局)に登録することが求められています。

 この登録が行われると、次のような法律の効果が生じることになります。

①所有権を第三者に主張できる

②自動車抵当法が利用できる

③所有権留保契約付譲渡ができる

 このような効力はナンバープレート(自動車登録番号標)を表示することで行いますが、容易に取り外しができないように「封印」がされることとなっています。

 一方、軽自動車(排気量660cc以下の三・四輪自動車)を所有する場合には、「届出車」とされ、国に登録はせず、軽自動車検査協会に届出を行います。

 ナンバープレート(車両番号標)に封印は行われません。

◆自転車荷車税(市税)が軽自動車税に!

 少し時代をさかのぼると、昭和33年までは自転車にもナンバープレート(自転車鑑札)が付けられていました。

 これは「自転車税(自転車荷車税)」の課税のためです。

 明治初期に「車税」(国税。後に府県税)という税金があったのですが、明治21年に市制・町村制が施行され、この「車税」に附加税を課し財源としました。

 その後、昭和15年に市町村税として「自転車税」「荷車税」が法定されました。

 自転車やオートバイの走行距離等を考えると、課税主体を市町村とすることは違和感ありません。

 戦後になると、昭和29年に「自転車税」と「荷車税」が統合され、「自転車荷車税」に。

 その「自転車荷車税」も昭和33年に廃止され、「軽自動車税」(原付自転車と自動車税から税源移譲された軽自動車・小型二輪を対象)が誕生しました。

 この頃の軽自動車はバイクのエンジンを車に乗せたような感覚だったのでしょうかね。

 昭和43年までは軽自動車は16歳で免許が取れました。

◆近年は税制改正で課税標準引き上げ

 このような変遷を経て軽自動車税は、軽課の市町村税として登場したのですが、近年では小型の普通自動車との税負担の公平を図るため、平成26~28年改正で軽自動車税の課税標準等が引き上げられています。


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2017年9月11日月曜日

フェイクニュースのビジネスと規制の動き

 最近、フェイクニュースという言葉を耳にする機会が増えました。

 フェイクニュースとは虚構のニュース記事を指し、もともとは楽しみながら読むものが中心でした。

 一例を挙げると、数年前、食品偽装が社会問題になったとき、発信されたフェイクニュースには「ステーキと偽り革靴提供 滋賀でも偽装」といった記事がありました。

 明らかなウソだとわかるうえで、「靴底のようなステーキ」を想い起こさせる表現を用いて読者の笑いを誘う。

 風刺と笑いにフェイクニュースの魅力がありました。

 ところが、米国大統領選挙戦のネガティブキャンペーンをはじめ、最近では、フェイクニュースは政敵を失墜させるための道具として利用されるようになり、社会問題になっています。

 とくに、米国大統領選挙のときは、ヒラリー・クリントン氏が児童虐待などに関わっているといったフェイクニュースが流れました。

 選挙戦でのフェイクニュースは米国だけでなく、フランスの大統領選挙など、米国以外にも広まっています。

 このような事態を受けて、フェイクニュースに対する対策も始まっています。

 SNSサイトのフェイスブックは、フェイクニュースの拡散を助長しているといった批判を受けたことから、とくに対策に力を入れています。

 英国の選挙前には、同国の主要紙に「フェイクニュースを見分けるコツ」といった広告を掲載し、記事の出所を確認するなど、10項目のアドバイスを講じています。

 このほかには、グーグルは、信頼できるサイトの情報が検索結果の上位に優先的に表示されるよう検索エンジンのアルゴリズム(演算方法)を見直しました。

 最近、フェイクニュースが社会問題になっています。

 それでありながら発信が止まらない背景には、フェイクニュースで利益を得られることが一つとしてあります。

 稼ぎ技の一例を挙げると、自分でウェブサイトを立ち上げ、そこにバナー広告を張ります。

 ウェブサイトを訪れた人が広告をクリックすることでお金が稼げるといった仕組みがあります。

 また、多くの人が訪れる人気サイトは、自身のウェブサイトに広告バナーを張ることで、広告掲載料を稼ぐパターンもあります。

 フェイクニュースで驚いた人たちがウェブサイトを訪問し、その訪問者数が増えるほど、サイトの運営者に広告料が多く入ります。

 ニュースの内容が過激であれば、多くの人の興味をひき、集客にも役立つわけです。

 また、ウソの記事や動画について、SNSで影響力のある人に「いいね」を押してもらい拡散するといったことを事業にしている組織もあるといわれています。

 フェイクニュースは一部の人の金儲けの手段になっています。

 ただ、フェイクニュースを発信し利益を得ている層がいる一方で、見方を変えると、現代は、フェイクニュースのウソを見破ることにビジネスチャンスがあるといえます。

 とはいえ、無数のニュースに対して、人力で真偽を見分けるのは困難です。

 そこで、韓国の大学では、AI(人工知能)を用いて、フェイクニュースの特徴をとらえ見分けるといった研究を進めているところもあります。

 AIは専門知識を要するため、参入障壁は低くありませんが、フェイクニュース対策は確実にニーズが見込めるビジネスといえます。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)





2017年9月8日金曜日

試験研究開発税制:第4次産業革命型のサービス開発とは!?

 2017年度税制改正において、研究開発税制は総額型の税額控除率が試験研究費の増減に応じてインセンティブのあるものに代わるほか、その対象となる試験研究費にビックデータ等を活用した「第4次産業革命型のサービス開発」が追加されました。

 これまで試験研究費の範囲は、「製品の製造」や「技術の改良・考案・発明」にかかる試験研究のために要する費用とされ、主に製造業によるモノづくりが対象とされてきましたが、税制改正後の政令では「対価を得て提供する新たな役務の開発」を目的として行われるものが規定されました。

 経済産業省の資料によりますと、新たなサービス開発について、「ヘルスケアサービス」、「自然災害予測サービス」、「農業支援サービス」などを典型例として提示しており、政令で新たなサービス開発とは、

①センサー等による自動的な情報の収集

②専門家による情報解析技術を用いた上記①の情報の分析

③上記②で発見された法則を利用した役務の設計

④上記③の法則が予測と結果が一致する蓋然性が高いものであるその他妥当と認められるものとの確認の全てを満たす必要がある

と規定しております。

したがいまして、①から④のそれぞれを単独で行ったとしても対象とすることはできません。

 上記②の分析については、省令の規定において、情報の解析に必要な確率論や統計学に関する知識、情報処理に関して必要な知識を有する者(情報解析専門家)により情報の解析を行う専門のソフトウェアを使用して行われる分析であることを要し、情報解析専門家の介在が不可欠と思われ、その人件費は対象費用となります。

 その他、他社に委託して試験研究を行う法人のその試験研究にかかる委託者への支払費用も対象となります。

 そして、新たなサービス開発についてのイメージの例として、「ヘルスケアサービス」では、センサーにより個人の運動や睡眠状況、心拍等の情報を収集・分析し、各個人に最適なフィットネスプランや食事プラン等を提供するものであることを示しております。

 また、「自然災害予測サービス」では、ドローンにより山地の地形や降雪情報等を収集・分析して、的確な自然災害予測を提供するものなどを示しておりますので、該当されます方は、ご確認ください。



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2017年9月7日木曜日

年金受給資格期間10年で受給可能に

◆資格期間10年で年金受給できる

 今まで老齢年金を受給できる年金受給資格期間は原則25年以上必要でしたが、平成29年8月より10年以上となりました。

 資格期間が25年未満で年金を受給できなかった方も、期間が10年以上あれば受け取れるようになりました。

 受給資格期間には保険料を納めた期間の他、加入していたとみなされる期間も含めて合算されます。

①国民年金保険料を納めた期間や免除期間

②サラリーマンで船員保険を含む厚生年金保険や共済組合の加入期間

③年金制度に加入していなくとも資格期間に加えられる合算対象期間(カラ期間)

 これらの期間を合計したものが「資格期間」です。

 資格期間が10年(120月)以上あれば年金が受け取れるようになりましたが、年金の額は40年間保険料を納めた場合が満額で保険料を納めた期間に応じて支給されます。

◆対象となる方の手続き

 期間が足りなかった方で資格期間が10年以上25年未満の方には、日本年金機構より年金請求書が生年月日毎に平成29年の初めより既に次のように送付されています。

①2月下旬~3月下旬
大正15年4月2日~昭和17年4月1日生

②3月下旬~4月下旬
昭和17年4月2日~昭和23年4月1日生

③4月下旬~5月下旬
昭和23年4月2日~昭和26年7月1日生

④5月下旬~6月下旬
昭和26年7月2日~昭和30年10月1日生の女性及び昭和30年8月1日生の男性

⑤6月下旬~7月上旬
昭和30年10月2日~昭和32年8月1日生の女性及び大正15年4月1日以前生

◆該当する方は手続を忘れずに

 現段階で資格期間10年以上25年未満のほぼ全員に送付されているはずですので確実に年金請求書を提出したいものです。

 8月分(10月に支給)より受給できます。

 なお、加入期間10年未満の方にも年内にはお知らせが届く予定です。


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2017年9月6日水曜日

中小企業の福利厚生プランの一つに 所得補償保険の活用

◆ダルビッシュの故障で「離脱補償」の保険?!

 新聞報道によると、東京海上日動火災保険はプロ野球やJリーグなどのプロスポーツチーム向けに「選手不稼働対応保険」という保険の販売を始めたそうです。

 この保険は、所属するスポーツ選手が傷害や疾病で長期離脱した場合に、離脱期間の年俸と代替獲得選手の年棒の8割を上限に保険金を支払うというもの。

 保険料は年棒の数%で、選手の年齢やポジション、過去の負傷歴等を基に算出します。

 このような保険は、高額の年俸を選手に支払う海外のプロスポーツでは常識化していて、大リーグのダルビッシュ有選手が2015年シーズンを故障で離脱したときも、年棒の半分以上が補償されたようです。

◆福利厚生プランとして所得補償保険加入

 中小企業の経営者も「従業員が長期入院をしたときは…」と不安を感じられているでしょう。

 そのような方には、「所得補償保険」(就労不能保険)の加入がおススメです。

 所得補償保険とは、被保険者が傷害や疾病によって仕事に就くことができなかったときに、就労できない期間に応じて保険金(平均所得金額の範囲内)が支払われるものです。

 会社がこの保険の保険料を負担した場合、特定の従業員のみが加入するときは給与の取扱いになりますが、全従業員を対象(普遍的加入)とするときは厚生費として損金となり、保険金の受取り(受取人:従業員)は所得税の非課税となります。


◆就労不能期間の給与は出さないで大丈夫?!

 また、業務外の傷害や疾病の場合、健康保険から傷病手当金(標準報酬月額の2/3程度)が支払われますが、厄介なことに、この期間に会社が給与を支払ってしまうと傷病手当金は支給されません。

 そこで、この所得補償保険を利用するわけです。

 実は、所得補償保険金を受取っても、傷病手当金は調整されません。

 事業主が所得補償保険を契約し、従業員の就労不能期間は、会社は給与を支払わない形にして、従業員は「傷病手当金+所得補償保険金」を受け取るという福利厚生プランができるわけです。

◆個人事業主自身のための所得補償保険

 なお、個人事業主自身が被保険者及び受取人とする所得補償保険契約は、その保険料は業務について生じた費用とみなされず、必要経費とはなりません。

 生命保険料控除(介護保険料)の対象となります。

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2017年9月5日火曜日

年金受給に必要な積立期間が短縮

 公的年金を受け取るために最低限必要な保険料積立期間を25年から10年に短縮する内容を盛り込んだ改正年金機能強化法が、8月1日に施行されました。

 年金保険料を納めた期間が10年を超えている65歳以上の人は、今年から年金を受け取れるようになります。

 給付を受けるためには申請が必要になるので、忘れないようにしたいところです。

 制度改正によって新たに年金給付の対象となるのは64万人程度とされています。

 仮に20年間の納付期間があれば、受け取れるのは月3万2千円ほどとなるようです。

 新たに年金が受け取れるようになった人の元には、今年2月から7月にかけて、日本年金機構から黄色い封筒が届けられています。

 年金を受け取るためには、同封された請求書に必要事項を記載し、その他の添付書類をそろえて、年金事務所や年金相談センターへ直接持参しなければなりません。

 なお過去に加入していたのが国民年金第1号保険者としてのみであれば、市区町村の国民年金窓口でも手続きができるようです。

 日本年金機構は、年金事務所での手続きは混雑も予想されるため、相談予約の利用を推奨しています。

 申請手続きの時効は5年となっているため、失念しないよう早めに手続きを済ませたいものです。

 実際に年金を受給できるのは今年9月分からで、支払いは10月から。

 以降、偶数月に2カ月分が支払われます。

 過去5年以内に納付忘れがあれば後納制度などを使うことで、以後受け取れる年金の額が増えることもあるので、まずは自分の過去の納付歴を確認の上で、年金事務所などで相談したいところです。



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2017年9月4日月曜日

増税後の相続がとうとうターゲットに

 国税当局の一斉人事異動からしばらく経ち、当局が本格的に税務調査に取り組む時期になりました。

 相続税では、基礎控除額が引き下げられた平成27年分の相続が調査対象になります。

 マンパワー不足を嘆く国税当局が調査数を急増させることは考えにくいのですが、課税対象者は一気に増えており、調査先選定や調査自体の質を高めて「取れるところから取る」という姿勢を強めることは間違いありません。

 国税庁が昨年11月にまとめた最新の調査実績報告書には、平成27事務年度(27年7月~28年6月)の相続税調査は「平成25年に発生した相続を中心に実施した」と記されています。

 この年に限ったことではなく、過去の報告書を見ても、調査は発生から2年以上経過した相続を対象にしていることが分かります。

 相続税が増税となった平成27年に発生した相続は、29事務年度、つまり今年7月~来年6月に本格的に調査されることになります。

 相続税の基礎控除額が引き下げられた影響により、平成27年に相続税の課税対象になった相続は前年から1.8倍に増え、10万3043件となりました。

 ここ数年の相続税調査数が1万2千件であることを考えると、今年度も同数であれば、納税額がある相続8~9件のうち1件は調査対象になります。

 財産が少ないからと言って安心はできません。


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2017年9月1日金曜日

国税庁:2017年分路線価等を公表!

 国税庁は、全国の国税局・税務署において、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2017年分の路線価及び評価倍率を公表しました。

 それによりますと、2017年1月1日時点の全国約32万5千地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は+0.4%(昨年+0.2%)となり、2年連続上昇しました。

 都道府県別の路線価をみてみますと、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分の1都2府11県から1都2府10県の計13都府県に減少しました。

 下落率が「5%未満」の都道府県は昨年の33道県から32道県に減少し、下落率が「5%以上」の都道府県は昨年に引き続きゼロとなりました。

 一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は27都市(昨年25都市)、横ばいは16都市(同17都市)で、下落は3都市(同5都市)に減少しました。

 このうち上昇率「5%以上」は14都市(同15都市)に、また、上昇率「5%未満」は13都市(同10都市)となりました。

 この要因として、都市部での再開発や不動産向け投資が拡大したことや、訪日外国人の増加を見込んだ店舗・ホテル需要の高まりなどがあるとみられております。

 都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1㎡あたりの路線価は前年から26.0%上昇の4,032万円となり、以下、2位は大阪・北区角田町の「御堂筋」1,176万円(増減率+15.7%)、3位は横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」904万円(同+15.7%)、4位は名古屋市中村区名駅1丁目「名駅通り」880万円(同+4.8%)となりました。

 なお、2017年1月1日現在において、東日本大震災に伴う原発事故に伴い、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域に設定されていた区域内にある土地等については、路線価等を定めることが困難なことから、昨年分同様、相続税・贈与税の申告にあたり、「ゼロ」評価とされております。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年7月17日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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