2018年6月18日月曜日

(前編)東京税理士会:2017年度税務調査アンケートを公表!

 東京税理士会は、2017年度税務調査アンケートを公表しました。

 その調査結果(有効回答数1,716会員)によりますと、対象期間(2016年7月~2017年6月)に2,495件の税務調査があり、このうち「納税者のみに通知があった」件数は245件(9.8%)で、前年より4.4ポイント増加しました。

 通知がなかった無予告調査件数は99件(4.0%)で、このうち「事前通知はなかったが、税務調査が速やかに開始されたもの」が77件(77.8%)でした。

 無予告調査は、納税者の負担が特に大きいことから、東京税理士会では、「正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあるとき」又は「調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」以外は避け、事前通知は要しないとの判断は慎重にするよう求めております。

 回答のあった調査件数2,445件の内訳は、「法人税(消費税含む)」が1,887件と約77%を占め、「所得税(同)」が266件、「相続税(含む贈与税)」が172件、「消費税(単独調査)」が81件、「その他国税」が39件となりました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年4月16日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2018年6月15日金曜日

(後編)生命保険の契約者変更に注意!

(前編からのつづき)

 しかし、保険金が支払われないことから申告漏れが多く、保険会社から支払調書も提出されないこともあって、国税当局による把握も難しいとされておりました。

 その影響もあってか、2015年度税制改正において生命保険に関する調書制度の見直しが行われましたので、2018年1月1日以降の生命保険の契約者変更は税務署に把握されております。

 また、生命保険の契約者と被保険者が異なるケースで契約者が死亡した場合には、保険契約は相続人等に引き継がれて継続することになります。

 その後、保険事故が発生して保険金が支払われた場合、保険金受取人は保険金から自分が支払った保険料を差し引いて所得計算することになりますが、その際、契約変更前の契約者が支払った保険料も経費に含めてしまう誤りがよくあるといいます。

 その契約者たる地位に基づいて保険契約を解約し、解約返戻金を取得した場合には、保険契約者はその解約返戻金相当額を保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税が課税されますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2018年6月14日木曜日

(前編)生命保険の契約者変更に注意!

 2015年度税制改正において保険に関する調書制度の見直しが行われ、「保険会社は、保険契約者の死亡により契約者の変更が行われた場合や生命保険契約等の一時金の支払いが行われた場合には、契約変更等の情報を記載した調書を作成し税務署に提出すること」とされたため、2018年1月1日以後の生命保険の契約者変更は税務署に把握されます。

 保険金が支払われれば保険会社から税務署に支払調書が提出されますが、これまでは契約者変更だけでは支払調書は発生せず、納税者自ら申告しない限り税務署が契約者変更の事実の把握はできませんでした。

 しかし、同制度の見直しにより、契約者変更を前提に保険加入したケースなどは課税関係にご注意ください。

 例えば、親が契約者で子が被保険者というケース、子が契約者及び被保険者で親が保険料負担者というケースでは、親が死亡しても保険金は支払われませんが、解約返戻金等相当額が「生命保険契約に関する権利」として相続財産やみなし相続財産となり相続税の課税対象となります。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2018年6月13日水曜日

雇用保険手続きにマイナンバー記載が必須に

◆5月からの雇用保険のマイナンバー取扱い

 平成28年1月から利用が開始されたマイナンバーですが、税の方では確定申告等で利用が進んでいます。

 事業所における社会保険手続は平成30年3月5日から記載が求められるようになりました。

 また、これまでマイナンバーの記載がなくとも窓口で受理されていた雇用保険関係についても、5月からはマイナンバーの記載がないと原則、返戻されますので注意が必要です。

○マイナンバー記載が必要な届出など
1、雇用保険被保険者資格取得届
2、雇用保険被保険者資格喪失届
3、高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
4、育児休業給付金支給申請(初回)
5、介護休業給付支給申請

○個人番号登録や変更届の必要な届出(マイナンバーが未届けの場合)
6、雇用継続交流採用終了届
7、雇用保険被保険者転勤届
8、高年齢雇用継続給付支給申請(2回目以降)
9、育児休業給付金支給申請(2回目以降)

◆すでにマイナンバーを届けている場合

 個人番号の記載のある届出、上記1~5番については届出の都度マイナンバーを記載することになっていますが、既に他の書類で届出している場合は、届出の欄外に「マイナンバー届出済」と記載して個人番号の記載を省略することができます。

 個人番号の記載欄のない届出、上記6~9は「マイナンバー届出済」の記載は不要ですが未届けの場合は届出書類が戻されてしまうので個人番号登録・変更届を添付し提出します。

◆個人番号登録・変更届で別の登録を行う時

 事前に個人番号登録・変更届によりマイナンバーの登録を行うことが可能です。

 ただし、新規に被保険者資格を取得する従業員については被保険者番号が振りだされていないので、資格取得届に先立って個人番号登録・変更届による届出を行うことができません。

 このような場合等、個人番号登録・変更届の提出が各種届出よりも後になる時は各ハローワークに相談してください。

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2018年6月12日火曜日

相続税の延納制度

◆相続税は条件付きだが分割払いができる

 国税は、金銭で一括納付することが原則ですが、相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請によりその納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。

 この制度を「延納」といいますが、要件があり、担保の提供が必要であり、利子税の納付が必要となります。

◆延納の要件は?

 以下のすべての要件を満たす場合に、延納申請をすることができます。
①相続税の納期限までに、延納申請書を提出すること
②相続税額が10万円を超えること
③一度に金銭で納付することが困難な理由があること
④延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること

 ただし、④の要件は延納税額が100万円以下で、延納期間が3年以下である場合は必要ありません。

◆担保の種類は様々

 延納の担保として提供できる財産は、国債地方債社債・有価証券・土地建物立木・自動車船舶機械・財団等様々です。

 また、保証人の保証でもかまいません。

 ただし税務署が延納申請者の提供する担保が適当でないと判断すれば、その変更を求める場合があります。

◆延納期間と利子税の仕組みは複雑です

 延納期間は原則5年ですが、相続財産に占める不動産等の価額の割合や相続財産の内容により異なります。

 利子税の計算は、不動産等の割合によって決まる「延納利子税割合」と年によって変動する基準「延納特例基準割合」を用いているため、利率が一定ではありません。

 相続税額にもよりますが、利子税だけで高額となる場合もあるので、内容によっては銀行融資を受けて一括納付した方が有利になる可能性もあります。

 また、延納額を繰り上げて納付すれば支払うべき利子税は下がるので、対策を検討しましょう。

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2018年6月11日月曜日

つみたてNISAの公式キャラ決定

 金融庁は4月21日、投資で得た利益を長期にわたり非課税にする「つみたてNISA(ニーサ)」の公式キャラクターがワニの「つみたてワニーサ」に決定したことを発表しました。

 今後はワニーサを前面に押し出し、SNSやパンフレットを通じて制度の周知を図るそうです。

 ワニーサはしっぽの部分が「つみたて」のイメージを喚起する階段状になっているのが特徴。

 すでにワニーサ名義でツイッターを開始するなど広報活動を進めています。

 今後はイラストのバリエーションを増やし、露出の機会を増やすということです。

 つみたてNISAは、通常のNISAと同様に投資で得た利益にかかる税金が非課税となる制度ですが、1年当たりの投資上限額は通常型の120万円に比べて40万円と少額です。

 一方で非課税対象の投資期間は通常型の4倍の20年となっています。

 毎年少しずつ投資して長期で資産形成を狙う人向けの制度とされていることから、つみたてワニーサの性格は「慎重派」と設定されています。

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2018年6月8日金曜日

特定一般社団法人等に対する相続税の課税の創設(その2)

(その1からつづき)

3 純資産額の算定方法(新相令34①②)

 特定一般社団法人等の純資産額の算定は、①に掲げる金額から②に掲げる金額を控除した残額とされます。

① 被相続人の相続開始の時において特定一般社団法人等が有する財産(信託の受託者として有するもの及びその被相続人から遺贈により取得したものを除きます。)の価額(注1)の合計額(注1)財産の価額は、被相続人の相続開始の時における時価とされます。
② 次に掲げる金額(注2)の合計額
 イ.特定一般社団法人等が有する債務であって被相続人の相続開始の際に現に存するもの(確実と認められるものに限るものとし、信託の受託者として有するものを除きます。)の金額
 ロ.特定一般社団法人等に課される国税又は地方税であって被相続人の相続開始以前に納税義務が成立したもの(その相続の開始以前に納付すべき税額が確定したもの及びその被相続人の死亡につき課される相続税を除きます。)の額
 ハ.被相続人の死亡により相続人その他の者がその被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した給与の額
 ニ.被相続人の相続開始の時における特定一般社団法人等の基金の額
(注2)債務の金額は、その時の現況とされます。

Ⅲ 適用関係(平成30年度改正法附則43①⑤⑥)

 前述したⅠの改正は、平成30年4月1日以後の一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用されます。

 ただし、平成30年3月31日以前に設立された一般社団法人等については、平成33年4月1日以後のその一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用され、平成30年3月31日以前の期間は前述したⅡ1②の2分の1を超える期間に該当しないものとされます。

(おわりに)

 本特例により特定一般社団法人等に相続税が課税される場合には、その相続税の額から、贈与等により取得した財産について既にその特定一般社団法人等に課税された贈与税等の額が控除できることとされます(新相法66の2③,新相令34⑩)。