2017年10月20日金曜日

厚生労働省:企業の実情も踏まえて、配偶者手当の見直しを要請!

 2017年度税制改正において、所得税・個人住民税における配偶者控除及び配偶者特別控除を見直し、配偶者控除を満額受けられる配偶者の年収上限を103万円から150万円に引き上げました。

 この見直しにより、いわゆる「103万円の壁」を解消し、就業調整を意識しなくても済む仕組みの構築が期待されますが、そのためには、税制だけでなく、社会保障制度や企業の配偶者手当などの面で総合的な取組みを進める必要があるとみられております。

 今回の改正で、「103万円」という水準が、企業の配偶者手当制度などの支給基準に援用されているとの指摘があります。

 与党の税制改正大綱では、企業に対し「今回の見直しを踏まえ、労使の真摯な話し合いの下、就業調整問題を解消する観点からの見直し」を要望しております。

 厚生労働省(以下:厚労省)においても、企業の実情も踏まえて、配偶者手当の見直しを強く要請しております。

 また、厚労省の2015年職種別民間給与実態調査によりますと、家族手当制度がある民間事業所は76.5%で、そのうち配偶者に家族手当を支給する事業所は90.3%にのぼりました。

 有配偶女性パートタイム労働者の21.0%は、税制、社会保障制度、配偶者の勤務先で支給される「配偶者手当」などを意識し、その年収を一定額以下に抑えるために就労時間を調整する「就業調整」を行っております。

 そのため、パートタイム労働で働く配偶者の就業調整につながる配偶者手当(配偶者の収入要件がある配偶者手当)については、配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しが求められ、厚労省では、労使において、個々の企業の実情(共働き、単身者の増加や生涯未婚率の上昇等、企業内の従業員構成の変化や企業を取り巻く環境の変化など)も踏まえて、真摯な話し合いが進められることを期待しております。

 また、厚労省は、「配偶者手当」を含めた賃金制度の円滑な見直しにあたり、労働契約法、判例などに加え、企業事例などを踏まえ、その円滑な見直しに向けて留意する必要がある点として、

①ニーズの把握など従業員の納得性を高める取組み
②労使の丁寧な話合い・合意
③賃金原資総額の維持
④必要な経過措置
⑤定後の新制度についての丁寧な説明

の5点を挙げております。

 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年10月19日木曜日

2017年度税制改正:所得拡大促進税制の見直し!

 所得拡大促進税制とは、一定の要件をすべて満たした場合、給与総額の増加分の10%を法人税額から控除できる制度ですが、2017年度税制改正において、新たに「前事業年度比2%以上の賃上げ」という要件を設定し、この要件を満たした企業には税額控除の上乗せが行われることになりました。

 平均給与等支給額が前事業年度比で2%以上増加した場合、大企業は通常の10%に2%を上乗せした12%の税額控除が受けられ、2%未満の場合は同税額控除自体が適用できなくなります。

 一方、中小企業者の場合は、これまでどおり平均給与等支給額が前事業年度より上回っていれば、10%の税額控除を適用することができます。

 さらに、前事業年度比で2%以上増加した場合、12%を上乗せした22%の税額控除を受けることができ、企業規模で控除率に差を設けて、大企業は増加給与額の12%を、中小企業者は増加給与額の22%を、それぞれ法人税額から税額控除できるようになりました。

 所得拡大促進税制の要件は、給与等支給額の総額が2012年度から一定割合以上増加していること、かつ給与等支給額の総額が前事業年度以上であること、一人当たりの平均給与等支給額が前事業年度を上回ることの3要件を満たした場合、給与等支給総額の10%を法人税額から税額控除(上限は法人税額の10%(中小企業は20%))できます。

 大企業の場合は、これらの要件のうち、平均給与等支給額が「前年度比2%以上増加」に変更されました。

 また、新設法人であっても一定の調整措置を満たせば同税額控除を適用することができましたが、改正後は、大企業では平均給与等支給額が前事業年度比で2%以上増加していなければならないため、調整措置を適用しても当期からの税額控除はできなくなります。

 そして、新設法人である資本金1億円以下の中小事業者の場合、上乗せ措置の適用要件は満たさないものの、一定の調整措置により10%の税額控除のみを適用することになりますので、該当されます方は、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年10月18日水曜日

雇われ社長(特に外資系企業)へのインセンティブボーナス

◆役員に対する給与の税法規定

 役員に対する給与の税法規定が大きく変わったのは平成18年3月でした。

 それまでは役員賞与が損金不算入(=法人税法で経費とならない)という規定でしたが、平成18年4月1日以降開始する事業年度からは「定期同額給与」、「事前確定届出給与」、「利益連動給与(H290401から業績連動給与)」だけが損金(=法人税法の経費)になるという規定に変わりました。

 「これは税務上の経費とならない」という決め方から、「これだけが経費となる」と180度変わりました。

 この改正の趣旨は、会社の利益の増減を役員報酬の改定で利益調整できないようにするということでした。

◆外資系日本子会社社長は一従業員!である

 外資系日本子会社の場合、一般的に、海外の親会社が100%株主であり、子会社役員は株式の保有がありません。

 そのため、取締役の報酬を決議する株主総会での議決権を持ちません。

 つまり、自分の役員報酬を自分で決めることはできません。

 また社員も含め年俸制が多く、日本の企業のような盆・暮れの賞与という慣習はほとんどありません。

 一方で、「個人の成績で決定される」インセンティブボーナスという制度を持つ会社は少なくありません。

 インセンティブボーナスは、一見「利益連動給与」に類似するものにも思われがちですが、親会社100%株主の同族会社には適用されません。

 また、「事前確定届出給与」も他の社員に対して定期的に賞与を支給している常態になければ適用が困難です。

 このように社長へは賞与(=インセンティブボーナス)を会社の損金として支払うことはできないのですが、海外の親会社(特に米国)は、「頑張った分をボーナスとして払えないのは納得できない!」として、日本の税法規定を理解してもらえません。

◆インセンティブボーナス支払のウルトラC

 これまでは、ボーナス分は翌年の役員報酬に反映させて、12か月で「定期同額給与」として支払うしか方法がありませんでした。

 ところが、平成27年3月16日民商第29号通知(法務省)【代表取締役が日本に住所を有しない場合の申請に関する通知】により、取締役を国外親会社の役員だけで構成させることで、日本子会社社員にインセンティブボーナスを払える環境となりました。

 これはウルトラCともいえる方法ですが、子会社に日本在住の役員がいないという事態はビジネス上大きなマイナス要因ともなりかねません。

 親会社の経営判断ですが、慎重な検討が必要です。

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2017年10月17日火曜日

時間外労働の限度に関する基準

◆法定労働時間を超えた時間外労働の基準

 法定の労働時間を超えて労働させる場合、又は法定の休日に労働させる場合には、事前に労使間で時間外労働、休日労働に関する協定(36協定)を結び労働基準監督署に届出をしておく必要があります。

 36協定を定める時には労働時間の延長の限度に関する基準があります。

 36協定は下記の基準に適合したものにするようにしなくてはなりません。

①業務区分の適合化・・・・業務の範囲の明確化、具体的業務区分が必要
②一定期間の区分・・・・1日を超えて3ヶ月以内の期間と1年間の両方を協定する
③延長時間の限度(法定の休日労働含まず)・・・・例)期間が1週間の場合、一般労働者は15時間、対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働時間制の適用労働者は14時間を超えないものとする

◆適用除外

 次の事業又は業務には延長限度時間は適用されません。

①工作物の建設
②自動車の運転業務
③新技術、新商品の研究開発
④厚生労働省指定事業又は業務

◆特別条項付き協定

 臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合に特別条項付き協定を結べば限度時間を超えて時間を延長する事ができます。

 要件は次の通りです。

①原則としての延長時間(限度時間以内の時間)を定める事
②限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情を具体的に記す
③特別の事情とは一時的、突発的であり、一年の半分を超えないことが見込まれる事
④限度時間を超える労働時間の割増賃金率を定め、法定割増率を超えるよう努める

 特別条項付き協定には限度時間の上限が無いので長時間労働になりがちとの見解もあります。

 過重労働にならぬよう安全配慮義務を考えた上で行いたいものです。


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2017年10月16日月曜日

次世代無線通信規格がもたらす変化

 次世代の超高速無線通信「第5世代(5G)」の開発が加速しています。

 5Gとはデータ通信などに用いる国際規格で、現在の規格、4Gの次に適用される予定になっています。

 5Gは4Gよりも10~100倍の高速通信が可能です。

 画質の美しさはもとより、従来実現できなかったサービスが可能になるため、新たなビジネスチャンスの宝庫として注目を集めています。

 日本のほかには、米国、欧州、中国、韓国が2020年の実用化を目途に開発を進めています。

 日本国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が商用化を目指し、実証実験をはじめました。

 新技術のなかでも、期待されているものの一つが立体映像の分野です。

 通信速度が速くなったことで、データ量の多い、3次元映像がインターネットで楽しめるようになります。

 具体的には、専用のヘッドセットを装着することで、スポーツ選手やアイドルを間近で見ているような体験が可能になります。

 オリンピックのサッカーならば、あたかも自分が試合会場のピッチ付近に立っているような体験ができ、選手がすぐ横を走り抜けるといった立体映像を楽しむことができます。

 また、アイドル歌手と一緒にダンスを踊る、間近で歌を聴くといった、テレビにはないネットでの映像コンテンツが実現可能になります。

 ほか、VR(バーチャルリアリティ)で月面旅行を楽しめる、スマホで冷蔵庫の中身をスーパーから確認できるなど、さまざまなことが可能になります。

 また、バスの自動運転や工事で用いる建機の遠隔操作、医療分野では遠隔治療など、新市場の創出、拡充に期待が高まっています。

 次世代の超高速無線通信「第5世代(5G)」の開発が進んでいます。

 実用化により、私たちの生活に変化をもたらすといわれています。

 映像分野はもとより、バスなどの交通分野にも変化が訪れる可能性があります。

 その中、自動運行に関する実験が既に始まっています。

 5Gは情報伝達の遅延が少ないという利点があり、自動ブレーキの精度が格段に上がるといわれています。

 将来、バスは神戸の「六甲ライナー」などと同様に、無人運転になる日が来るかもしれません。

 5Gの実用化により生まれる新市場は130兆円という試算もあり、巨大市場でのビジネスチャンスに期待が集まるのもうなずけます。

 ただ、世界では、日本以外にも米国、欧州、中国、韓国など、多数の国が5Gの開発に取り組んでいます。

 そのため、各国間で機器やサービスの覇権争いに関して激しさを増しているという現実があります。

 現在、5Gの商用化で先端を走るのは米国企業です。

 ほか、スマホのアプリケーション技術では、中国やスウェーデン、フィンランドなどの企業が進んでおり、日本は後塵を拝しています。

 競争が激化する中、日本の巻き返しを期待したいところでもあります。

 もう一つの懸念材料はテレビ離れに拍車がかかることです。

 5Gの実用化により、3次元映像の実現をはじめ、スマホなどのコンテンツが魅力を増すことが予想されます。

 その中で、テレビは従来とは異なる映像を制作するなど、舵切りにより視聴者を確保するのか。

 それとも、スマホとの協業を通して、新たな収益の形を模索するのか。

 今後、テレビの変化も注目のポイントの一つとなります。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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2017年10月13日金曜日

兼業・副業による人材活用

 生産年齢人口の減少に対し、働き盛りの世代により高い生産性を発揮してもらう観点から、兼業・副業の許容に向けた議論が進んでいます。

 経済産業省は、「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」を設置し、兼業・副業の実態や優良事例の把握を行い、現状の課題及び官民がなすべき政策的方向性を検討してきました。

 2017年3月に公表された同研究会の提言などを取りまとめた報告書によると、兼業・副業のメリットとデメリットは企業側、従業員側ごとに以下の通りに整理されます。

 まず企業側のメリットとしては、「人材育成」「優秀な人材の獲得・流出防止」「新たな知識・顧客・経営資源の獲得」などがあげられます。

 また、従業員側のメリットとしては、「自身の能力・キャリア選択肢の拡大」「自己実現の追求・幸福感の向上」「創業に向けた準備期間の確保」などがあげられます。

 一方で企業側のデメリットとしては、「本業への支障」「人材流出等」「従業員の健康配慮」「情報漏洩等、様々なリスク管理」などがあげられます。

 また、従業員側のデメリットとしては、「就業時間の増加による本業への支障等」「本業・副業間でのタスク管理の困難さ」などがあげられます。

 兼業・副業にはこうしたメリット、デメリットが指摘されつつも、兼業・副業を推進することによって、
①オープンイノベーションの促進、
②自己実現・人材育成の促進を通じた一億総活躍社会の創出への貢献、
③成長産業である地方の中小企業や公益的な事業分野への人材供給の活性化
などといった政策的期待が高まっているのです。

 では兼業・副業による人材活用を推進している企業では具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。

 ここでは中小企業庁経営支援部が2017年5月に公表した「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」に掲載されている株式会社フューチャースピリッツ(事業内容:ITインフラ事業及びクラウドサービス事業)の取組みについてみていきましょう。

 同社は、2016年6月に業務時間内に自社の業務に関係のないことを行える制度である「会社公認“働かない制度”」を導入しました。

 これは事業や活動の内容、収入の有無などを記載した申請書を会社に提出し承認されると、副業を含め、月間で最大20時間を自由に使うことができるというものです。

 制度の導入に至った経緯としては、社会経済の変化のスピードが速まる中、時代の流れを掴むには 異業種人材を含む社外の人間との接触や業務外の主体的な活動によって社員の知識・能力を高めることが欠かせないとの判断に至ったことによるものです。

 制度の導入にあたっては、制度の背景や趣旨を社員に的確に理解してもらう必要性から、全社員を対象とした定例会議の場で、社長自らが直接社員に対して同制度を紹介しました。

 また、制度の運用にあたっては、社員と意思疎通を密にとることで、不公平感をできるだけ発生させないように配慮し、社長自身も制度を活用する当事者や周囲の社員の反応を把握しつつ個別にケアを行っています。

 このような兼業・副業に関する新たな制度を導入することで、社員が起業家の感覚を持ちつつ能動的に事業の創発に携わったり、社員のモチベーションが向上したりするなどの効果が期待されているのです。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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2017年10月12日木曜日

毎年1千億円超の休眠預金発生

 預金者本人と連絡が取れなくなって10年以上が経つ「休眠預金」が、毎年1千億円超のペースで生まれていることが分かりました。

 本人などからの払い戻し請求に応じた額を除いても年間700億円以上が生まれているそうです。

 東京商工リサーチはこのほど、銀行が休眠預金の払い戻し請求に対応するために計上する「睡眠預金払戻損失引当金」の額を調査し、発表しました。

 引当金は過去の払戻実績などに基づいて、金融機関の負債の一部として会計処理されるものです。

 調査によると、107金融機関の今年3月期決算時点での「睡眠預金払戻損失引当金」の総額は、前年同期から3.4%増えて951億4800万円でした。

 この結果には、決算書の科目に同引当金の項目がないメガバンクの実態が含まれていないため、実際に積み上がった国内金融機関の休眠預金の額が1千億円を軽く超えたものであることは確実と言えます。

 また金融庁によれば、休眠預金の発生額は2014年3月期で1187億円(うち払い戻し460億円)、15年3月期で1278億円(同518億円)、16年3月期で1308億円(同565億円)と、徐々に増加していることが分かります。

 払い戻しを受けていない人も多い状況です。

 なお、昨年12月に「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」が成立したことで、休眠預金は、福祉・健康増進・地方活性化などの社会的事業への活用が可能となっています。

 実際に休眠預金が助成されるのは19年秋頃となる見通しです。

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