2017年5月31日水曜日

最近の転職事情

◆転職シーズンはいつ

 例年、年度替わりの3月・4月頃は年間で最も中途採用が多い時期です。

 その理由は事業年度が変わる事で多くの企業で新事業の開始や組織再編等が行われ異動したり退職したりする人も増え、それに伴い新規募集も増える時期だからです。

 新入社員研修が行われるのも4月が最も多い時期です。

 他に転職者が増える時期は夏季賞与の後や秋採用(10月)の前、冬季賞与の後の年始ころです。

◆転職市場も売り手市場

 転職市場は年々広がり続けています。

 日本経済新聞の記事によればリーマンショック後に大きく落ち込んだ転職者数は順調に回復し昨年7年ぶりに300万人の大台に乗ったそうです。

 「DODA転職市場予測」によれば、今年上半期の求人数の増減見込みは11業種のうち「増加」が3業種、「緩やかに増加」が5業種、「横ばい」3業種との事です。

 転職の特徴として「離職後の給与の方が転職前より上がる」傾向がある事です。

 厚労省の「転職入職の賃金傾向」及び「雇用動向調査結果の概況」によれば、平成27年を境に「転職で給料増」の方が「転職で給料減」より上回り続けています。

 もう1つの特徴としては中年層以上の転職者が増加している事です。

 総務省の調査によれば昨年45歳から54歳の転職者は平成14年以降で最多の50万人もいると言う事です。

◆企業への影響

 このような転職事情の活性化は企業にも少なからぬ影響をもたらします。

 積極的に中途採用したい企業は、採用条件を上げて人材確保を考える為人件費のコスト増加にもなってきます。

 又、採用の予定が無い企業にとっても自社の従業員が良い待遇を求めて他へ流出しやすい時代でもあります。

 今は全体的に人手不足ですが、転職市場においても売り手市場は当分続きそうです。

 従業員が必要以上に不満をため込まず、モチベーションが下がらない態勢を保つための経営努力が求められると言えるのかもしれません。

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2017年5月30日火曜日

耐久性向上改修工事をした場合の減税措置の見直し!

 2017年度税制改正において、既存住宅の長期優良住宅化促進のため、耐震・省エネリフォーム減税の特例を拡充し、同特例の適用対象となる工事に特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」を追加するとともに、税額控除率2%の対象となる住宅借入金等の範囲に、特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」の費用に相当する住宅借入金等を追加します。

 一定の「耐久性向上改修工事」とは、小屋裏、外壁、浴室、脱衣室、土台、軸組等、床下、基礎若しくは地盤に関する劣化対策工事又は給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事をいい、認定を受けた長期優良住宅建築計画に基づくものや、工事費用(補助金等の交付がある場合には、補助金等の控除後の金額)の合計額が50万円を超えることなど、一定の要件を満たすものが対象となります。

 耐久性向上改修工事をした場合の減税措置は、改修資金が住宅ローンの場合と自己資金の場合の2つあります。

 ローンの場合は、特定の省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で12万5千円が5年間控除されます。

 自己資金の場合は、耐震改修工事又は省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で50万円がその年の所得税から控除されます。

 このほか、固定資産税が工事翌年度に3分の2減額される措置が設けられます。

 また、耐久性向上改修工事の証明書の発行は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する登録住宅性能評価機関、建築基準法に指定する確認検査機関などが行うものとし、その他の要件は、現行の同特例と同様となります。

 なお、省エネ改修については、適用要件を合理化し、現行の必須要件である「全ての居室の窓全部の断熱改修(全窓要件)」を、住宅全体の省エネ性能(断熱等級4など)の改修により確保した場合も適用されます。

 上記の改正は、増改築等をした居住用家屋を2017年4月1日から2021年12月31日までに自己の居住の用に供する場合に適用されますので、該当されます方は、ご確認ください。


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2017年5月29日月曜日

受動喫煙対策強化案

◆オリンピックに向けて対策

 厚生労働省が3月1日に東京五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙対策の新たな規制強化案を公表しました。

 飲食店も原則禁煙、例外として喫煙できるのは小規模なスナックやバー等に限定することを骨子とし、違反した喫煙者が指導に従わない場合は30万円以下、事業者が従わない時は50万円以下の過料を科すとしています。

 同時に健康増進法の改正案を今国会に提出する予定で2019年秋のラグビーワールドカップ開催までの施行を目指しています。

◆努力義務から強制的な義務へ

 日本の受動喫煙対策は今まで努力義務とされてきましたが、世界保健機構(WHO)からは「世界的にも低レベル」であると批判されていました。

 このため新たな規制強化案では受動喫煙対策を義務化します。

 禁煙の範囲は小中学・高校、医療機関は敷地内禁煙、官公庁や福祉施設、運動施設等は建物内禁煙、コンサート等興業目的では喫煙室の設置を認めています。

◆難しい飲食店の禁煙

 飲食店では屋外テラス席も含め禁煙とされますが、喫煙室は認めています。

 居酒屋や焼き鳥屋でも家族連れ、外国人観光客を想定し対策が強化されています。

 例外は小規模なスナックやバー等、面積が30平方メートル以下の店は対象外です。

 ホテルの客室や福祉施設の個室等の喫煙は可能です。

◆5年間の経過措置

 今回の規制強化案では既存の喫煙室について、施行後5年間は排気装置等が一定の基準を満たせばそのまま使用を認めるようです。

 飲食店等の喫煙室の設置が認められている施設だけでなく、医療機関や官公庁等も対象にしています。

 今後内容が変更される場合もありますが、禁煙でなく分煙の推進を望む意見も多く、法案の調整が注目されます。


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2017年5月26日金曜日

管理会計のススメ 機会損失・購入単価引下げvs在庫

◆自分の責務に忠実なこと≠会社全体の利益

 自分の担当する業務にとってプラスとなることをしても、それが必ずしも、会社全体の利益につながるわけではありません。

(1)機会損失を恐れすぎると…

 「買いたいというお客さんが現れた時にすぐに売れるような体制でいたい」という営業マンの気持ちもわかります。

 しかしながら、営業マンが機会損失(=売れるのに商品がなくて販売を逃すこと)を恐れる気持ちが強くなり、あれもこれもと品揃えをしたくなると、結果として会社の在庫を増やしてしまいます。

(2)大量仕入れで単価を圧縮できた結果…

 仕入れの担当者は、いかによいものを安く調達するかに心をくだきます。

 大量に仕入れをすれば、1個当たりの仕入れの価格は小さくなります。

 しかしながら、コスト削減に力を注ぐあまり、往々にして、売れ残ってしまう在庫を増やしてしまう事態を引き起こしかねません。

◆なぜ「在庫=罪庫」といわれるのか?

 ものを買うと代金を支払わなければなりません。

 お金は先払いですが、売れるまでお金は入ってきません。

 仕入れの代金を借入金で支払っている場合には、その借入の利息も発生します。

 在庫が増えれば、倉庫代や在庫の管理費もかさみます。

 すなわち、在庫には「仕入れ代金の先払い+借入金利息+倉庫代+在庫管理費」がかかるのです。

 これが“在庫は罪庫”といわれる所以です。

◆会社全体を見渡すのが社長の仕事です

 社員は、それぞれ自分の担当する業務で成果を上げることが会社の利益につながると思い、懸命に頑張ります。

 しかしながら、それぞれの担当が良かれと思って行っていることが、会社全体にとってはマイナス方向に働く場合もあります。

 会社全体を見渡し、適宜軌道修正をして、会社全体としてプラス方向に働くよう導くのが社長の仕事です。

◆会計数字を生かす

 過剰在庫は悪と言われても必要な在庫は持っていなければなりません。

 適正在庫はどのように求めればよいのでしょうか?

 たとえば、在庫には在庫回転期間というものがあります。

 適正水準は、業界ごとに違います。

 同業種・同規模の他社の数字が参考となります。

 また、自社の過去の数字との比較も役立ちます。

 会計事務所の担当者に聞いてみましょう。


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2017年5月25日木曜日

タワマン高層階は固定資産税増税

 平成29年度税制改正の関連法が3月末に成立したことを受け、4月以降に購入したタワーマンション物件の固定資産税が見直されています。

 取得価格によっては年間の税負担が10万円以上変わることもあり得るので、しっかり内容を把握しておきたいところです。

 固定資産税が見直されたのは、

①今年4月1日以降に売買契約を締結する新築物件、

②マンションの高さが60メートルを超え、建築基準法上の「超高層建築物」に該当する物件

――の両方に当てはまるタワーマンションです。

 これまでは階数にかかわらず、建物全体の固定資産税額を区分所有の面積に応じて按分していましたが、新たな計算方法では建物全体の税額は据え置いて、1階上がるごとに税負担が0.26%上がるように按分していきます。

 ちょうど中間に当たる階では税負担はこれまでと変わらず、それより低層階では減税に、高層階では増税されることになります。

 仮に50階建てのマンションで部屋の面積が同じであれば、40階なら税額は1階より約10%、50階なら約13%高くなる計算です。

 ポイントは、すでに住んでいる人には影響がないという点と、4月以降に契約する物件でも中古マンションであれば対象にならないという点。

 タワーマンションの高層階の購入を考えていて、固定資産税が気になるという人は、買うのが中古物件であれば負担増を免れることができます。


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2017年5月24日水曜日

「極ゼロ」問題が再浮上

 酒と税をめぐる問題が改めてクローズアップされています。

 サッポロビールのビール系飲料「極ゼロ」が税金の安い第3のビールにあたるかどうかをめぐって国税当局と対立してきた問題が再燃し始めたのです。

 サッポロは4月中旬、自主納付した酒税115億円の返還を求めて国を相手取って東京地裁に提訴しました。

 現在3つに分かれているビール類の税率は10年後に一本化される道筋が整いましたが、税率の違いを活用することで新商品を生んだ企業努力をどう司法が判断するのか改めて関心が高まりそうです。

 もともと平成25年に発売された「極ゼロ」。

 健康志向が高まるなか、糖質とプリン体をゼロに抑えた第3のビールとして人気が出ました。

 税率の低さもあり手に取りやすいことも受けたのです。

 ところが26年1月、「極ゼロ」が製法上、第3のビールにあたらないのではとの指摘を国税当局から受け、サッポロは販売を終了。

 製法を変えて発泡酒として再発売しました。

 そのうえでもともとの「極ゼロ」が第3のビールに該当しない場合に支払うべきだった酒税の差額分115億円を納税しました。

 その後の社内調査で、もともとの「極ゼロ」は第3のビールであるとする判断をし、サッポロは税の返還を要求。

 しかし、昨年10月に国税不服審判所への審査請求が退けられていました。

 争点を残したまま沈静化したかに思えましたが、サッポロは「返還を断念すれば、株主に説明がつかない」との判断から司法の場で争うことを決定した模様です。

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2017年5月23日火曜日

最近の日商簿記事情

◆会計事務所や経理担当者の登竜門!

 会計・経理の資格といえば、やはり日商簿記(日本商工会議所主催簿記検定)や全経簿記(社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験)です。

 日商簿記でいえば1級が一番難しく、この1級を取得すると税理士試験を受験する事ができます。

 2級資格は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる」内容とされており、資格保持者は一般的な会社の経理の知識を十分持っている者、といえるでしょう。

◆時代のニーズに合わせて内容等も変更

 日商簿記2級は平成28年6月より、出題範囲が変更されました。

 昨今のビジネススタイルに合わせ、クレジット売掛金・電子記録債権(債務)・サービス業の処理等が新たに追加され、簿記試験が企業活動や会計実務に即した内容になるよう改定されています。

 また、今までは「4級」とされていた難易度の低い資格が廃され、新たに「日商簿記初級」が2017年4月から始まりました。

 この初級は「簿記の基礎知識は企業活動や経営を理解するため、経理・会計担当者のみならず、業種・職種を問わず企業人すべてに必要とされており、短期間でこれを習得するための目標となる資格」と位置付けられているようです。

◆初級はネット受験可能

 1級・2級・3級は今まで通り、お近くの商工会議所で受験する必要がありますが、初級はパソコン教室や資格取得の為の学校等、商工会議所より施行機関として認定されている「商工会議所ネット試験会場」に赴けば受験が可能です。

 また、試験の結果は即時に出るようです。

 内容は決算処理等の部分が省略されてはいますが、簿記の基本原理・期中取引の処理・月次集計等が出題範囲となっているので、簿記を学んでいない方等には取り組みやすい目標で「経理担当では無いが、基礎的な簿記の知識くらいは知っておきたいな」と思っていらっしゃる方にはお勧めです。

 また商工会議所は「会計ソフトの操作」に特化した「電子会計実務検定」という資格認定も行っています。昔に比べると、経理まわりの選択肢も増えましたね。


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2017年5月22日月曜日

事業と非事業の判定

◆事業的規模の不動産所得

 不動産貸付けでの事業的規模の判定には、5棟10室基準があります。

 不動産所得は、その不動産貸付けが事業的規模かどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なります。

 この基準を満たすと地方税の事業税の対象になるとともに、所得税では、賃貸用固定資産の取壊し除却などの資産損失、賃貸料等の回収不能による貸倒損失、事業専従者給与(事業専従者控除)、65万円の青色申告特別控除などの必要経費算入が認められます。

 5棟10室基準は形式的な基準なので、所得税では、実質的に事業と認められる実態があるか否かの社会通念上の判断に適えばよい、とされているので、形式基準未満でも事業的規模とする余地があります。

◆不動産所得以外での事業的規模

 他方不動産所得でない場合は、事業による所得は事業所得、業務(事業的規模以外)による所得は雑所得と分類されており、この事業所得か雑所得かによって、事業専従者給与(事業専従者控除)や青色申告特別控除などの必要経費算入、赤字の損益通算、損益通算後の青色欠損金の3年間繰越などの適用の有無が生じます。

 事業所得か雑所得かの判定は、サラリーマンの副業での赤字の損益通算の場面で是非を問われることが多そうですが、サラリーマンの副業も、退職して給与所得者でなくなり、年金生活者になってからも引き続き営むものについては、最早副業ではないので、判定のハードルは低くなります。

◆年金所得者の事業所得

 損益通算に関しては、年金所得との通算は雑所得内でも出来ることなので、事業所得か雑所得かの区別に意味はありませんが、特に事業的規模に至らない不動産所得がある人の場合は、事業所得が赤字でも不動産所得から65万円の青色申告控除が出来るので、相変わらず大きな意味があります。

 日経新聞に、「働いて年金満額もらう法」という見出しで、定年延長や再雇用ではなく、従来の勤務先と個人事業主として業務委託契約を結べば年金減額の在職老齢年金制度の適用を免れられる、とありました。

 この場合には、消費税をどうするというテーマにもなります。

 事業をめぐる判定のみならず、各人の処世にも関わる選択肢です。


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2017年5月19日金曜日

企業版ふるさと納税、どこまで善意の寄付?

 内閣府はこのほど、企業版の「ふるさと納税制度」に当たる「地方創生応援税制」の第3回認定事業を発表しました。

 新たに142事業、全体事業費195億円が認定され、同制度の対象となる事業はこれで299件となりました。

 同制度では寄付企業に対する自治体からの経済的見返りの供与は禁じられているものの、寄付予定者には第2回までと同様、事業内容に密接に関わる企業の名前が並んでいます。

 地方創生応援税制は、地方を活性化させるために自治体が取り組む事業に対して、事業の理念に共感した民間企業が寄付をしたときに、税優遇を認める制度。

 対象事業への寄付について、従来の寄付金制度と合わせて最大6割を法人住民税や法人事業税から控除できます。

 ただし、4割は完全な自己負担です。

 同制度では、企業と自治体の癒着を防ぐために、経済的な見返りを用意することは禁じられています。

 具体的には、補助金の交付、低金利での融資、入札や許認可での便宜、低価格での財産譲渡、このほか経済的な利益を与えてはならないと定義付けています。

 しかし、認定されたそれぞれの事業への寄付予定者には、事業が始まった際には自治体から業務を受注する可能性のある企業名が並んでいるのが見て取れます。

 例えば福島県いわき市の「いわきツーリズム魅力発信事業」では、観光産業に注力し、周回バスや市内ツアーの実施を掲げていますが、その寄付予定者には観光客の足を担うことになるJR東日本の名前が挙げられているのです。

 禁止された「経済的な見返り」に明確なラインは存在しないため、何を違反とするかは難しいところですが、自治体と懇意にしている特定企業が税優遇を受けた上で公的な事業に関与するというのであれば、癒着の可能性は否定できないでしょう。


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2017年5月18日木曜日

武生税務署で申告書78人分が行方不明に

 金沢国税局は4月、所管する武生税務署(福井・越前市)で、平成28年分の確定申告書87件が所在不明となっていることを明らかにしました。

 所在が分からなくなっている申告書はいずれもJA越前たけふ(同市)が組合員から依頼を受けて代理作成した申告書で、同団体の「提出した」との主張に対して武生税務署は「受理していない」と反論し、真っ向から主張が食い違う状況となっています。

 同JAでは毎年、組合員の依頼に基づき、税務書類作成の許可を受けた職員が代理で税務署に申告書を提出していました。

 今年3月に代理提出を依頼した男性が、その後書類の不備に気付いて修正申告をしようとしたところ、自分の申告書が提出されていないことを武生税務署に知らされたそうです。

 同署が調べたところ、男性を含めて87人分の申告書が所在不明で、受け取った記録がないことが判明しました。

 JA越前たけふの代表理事組合長は、「87人分の書類は事前に十分確認して、3月14日に封筒に入れて持っていった。

 必要があれば物証を示して証明も行う。

 署の防犯カメラにも映っているはずだ」とコメントしています。

 金沢国税局は申告書が所在不明になった原因の調査を続けるとともに、当面は申告書の再提出を受け付けるなどの対応を行っていく方針だそうです。


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2017年5月17日水曜日

黒字申告割合が6年連続増加

 黒字申告法人の割合が6年連続で増加していることが国税庁公表の「会社標本調査」で明らかになりました。

 黒字申告割合は平成3年まで50%前後で推移していましたが、6年には40%を下回り、20年に30%を割り込みました。

 しかし、21年の25.2%を底にして徐々に回復。平成27年は申告法人263万436社のうち黒字申告は93万9577社、黒字割合は全体の35.7%となりました。

 6年連続の上昇で20年前(平成7年)の水準まで戻っています。

 黒字申告率を業種別にみると、東京オリンピック開催に向けた建設ニーズの高まりで受注が増えている建設業が41.4%でトップ。運輸通信公益事業(40.8%)、金融保険業(39.8%)と続きます。

 一方、出版印刷業(23.7%)、料理飲食旅館業(24.9%)、繊維工業(25.6%)の黒字申告率が低かったそうです。

 会社標本調査とは、国内の企業の状況を資本金階級別や業種別に調査し、まとめたもの。

 国税庁が調査、発表し、結果は税収の見積もりや税制改正などの基礎資料になります。

 昭和26年分から毎年行われ、最新の平成27年度分で66回目となっています。


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2017年5月16日火曜日

相続情報を証明書1通に

 相続にかかる必要情報を証明書1通にまとめ、さまざまな手続きを簡便化する制度が5月下旬からスタートします。

 法務省が3月下旬に明らかにしました。

 現在は親や配偶者が死亡したときには、相続人は不動産登記の変更や相続税の申告、銀行口座の解約などのため、大量の戸籍書類一式をそろえて、相続対象となる不動産を管轄する各自治体の法務局や、預金などのある金融機関ごとに提出しなければなりません。

 また提出を受けた法務局や金融機関も、申請者が正当な相続人かどうかを審査することが求められています。

 相続不動産が各地に点在しているようなケースでは、煩雑な手続きがハードルとなって資産価値の低い土地の名義人を変えないままにしていることが多く、山間部などで宅地造成する際に買収が進まない例がありました。

 また社会問題となっている空き家の増加の一因となっているとも指摘されています。

 これらの問題を受けて、法務省が新たにスタートする「法定相続情報証明制度」では、全国に417カ所ある登記所のいずれかに相続人全員分の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などの情報をそろえて提出すれば、法務局が公的な証明書を作成し、相続人には証明書の写しが交付されます。

 以降の手続きは写しを利用すれば、大量の関係書類を何度も提出する手間が省けることになるそうです。

 将来的には証明書1通で相続にかかる銀行口座の解約、自動車の名義変更、相続税の申告などもできるようにすることを目指していますが、当面は不動産登記の手続きのみでの利用が可能です。


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2017年5月15日月曜日

2017年度税制改正:国税犯則調査手続等が大幅に見直し!

 2017年度税制改正において、国税犯則取締法(以下:国犯法)が定める国税犯則調査手続等が経済活動のITC化、多様化等の進展に伴い、犯則事件を取り巻く環境も急速に変化してきていることを踏まえ、大幅に見直しが行われます。

 国犯法は、脱税など国税に関する反則が疑われた場合に、国税職員が調査する権限等を定めたものです。

 経済活動のITC化については、2011年の改正で刑事訴訟法に措置された電磁的記録の証拠収集手続にならい、証拠収集手続の整備を図り、経済活動の多様化に対しては、関税法に定める犯則調査手続にならい、調査手続の整備を図るほか、国税犯則調査手続に係る規定について、平仮名・口語体表記に改めるなどの現代語化を行います。

 2011年改正の刑事訴訟法にならって整備されることになる電磁的記録に係る証拠収集手続の整備は、

①電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法の整備
②接続サーバー保管の自己作成データ等の差押えの整備
③記録命令付差押えの整備
④差押え等を受ける者への協力要請の整備
⑤通信履歴の電磁的記録の保全要請の整備などがあります。

 上記①の電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行については、差し押さえるべき物件が記録媒体であるときは、その差押えに代えて、その記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写、印刷又は移転のうえ、その他の記録媒体を差し押えることができるようにします。

 上記②の接続サーバー保管の自己作成データ等の差押えについては、差し押さえるべき物件が電子計算機であるときは、その電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、その電子計算機で作成等をした電磁的記録等を保管するために使用されていると認めるに足る状況にあるものから、その電磁的記録を電子計算機等に複写したうえ、その電子計算機等を差し押えることができるように整備します。

 上記③の記録命令付差押えについては、電磁記録の保管者等に命じて、必要な電磁的記録を記録媒体に記録又は印刷させたうえ、その記録媒体を差し押えることができるようにします。

 今後の動向に注目です。


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2017年5月12日金曜日

2016年度税制改正:加算税制度の見直しに注意!

 すでに2016年度税制改正において、国税通則法の一部が改正され、加算税制度の見直しが行われております。

具体的には、

①実地調査に際し、調査に関する一定事項の通知(調査通知)があった以後の修正申告書等に対して、加算税が課される措置

②短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠ぺいが行われた場合には、加算税の割合が加重される措置

が設けられました。

 2016年度税制改正後の制度により、すでに法定申告期限等が到来する国税から適用されております。

 上記①の調査通知が新たな加算税賦課の基準とされたことよって、調査通知以後の修正申告には、すべて加算税が賦課されることになります。

 これまで税務調査前に行われていたのは、事前通知であって通知項目は11項目に及びますが、2016年度税制改正では、この事前通知項目から、「実地調査を行う旨」、「調査対象税目」、「調査対象期間」の3項目を抜き出し、これらの3項目を通知すれば通知が完了する形となっております。

 改正前は、会社の顧問税理士等に実地調査を行うための電話があった場合には、事前通知の11項目すべてが伝われば完了しますが、実際には日程調整などに時間を要することもあって、事前通知がすぐに完了することはありませんでした。

 しかし今後は、日程調整等に時間がかかるとしても、実地調査を行うための電話で上記の3項目の通知が済めば、その時点で調査通知については完了し、その後の修正申告に対する加算税賦課要件は完了します。

 これまでは事前通知が完了するまでに修正申告をすることにより、加算税賦課を免れるケースが散見されていましたが、時間がかからない調査通知が設けられたことで、そのような加算税賦課の回避が封じられたことになります。

 また、調査通知以後の修正申告で、調査による更正等を予知してされたものでない場合は、改正前であれば加算税賦課の対象外だったものが、改正後は過少申告加算税が5%の割合で賦課されますので、ご注意ください。


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2017年5月11日木曜日

健康保険 退職後の傷病手当金

◆資格喪失後の継続給付

 健康保険の傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがの療養の為に働く事ができない期間に給与が受けられない場合、又は給与の支払額が手当金より少ない場合に受給する事ができます。

 傷病手当金が受けられる期間は支給開始時期から最長で1年6ヶ月です。

 この間に復職した期間があって再び同じ傷病で休んだとしても、支給期間は支給開始より1年6ヶ月間の期間に算入されます。

◆資格喪失後の傷病手当金

 退職等で資格喪失した場合でも傷病手当金を受け取れる場合があります。

 資格喪失日の前日(退職日)まで被保険者期間が1年以上あり、その日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、資格喪失後も引き続き支給を受ける事ができます。

 これは資格喪失後の継続給付であり、被保険者が出産の為休業する期間に対する出産手当金も同じ制度があります。

◆任意継続被保険者となった時

 退職した時に任意継続被保険者となった場合は、資格喪失時の継続給付に該当すれば任意被保険者であっても傷病手当金を受ける事ができます。

 但し、任意継続被保険者になった後に、病気やけがの療養の為、働く事ができない時であっても傷病手当金を受け取る事はできません。

◆傷病手当金が支給調整される場合

 資格喪失後の継続給付は、資格を喪失した人が老齢年金を受けている時は原則として傷病手当金は受け取れませんが、老齢年金額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない時はその差額が支給されます。

 また、退職後に雇用保険の失業給付の基本手当を受けようとしても、傷病手当を受けていれば基本手当を同時には受けられません。

 基本手当の受給要件が「いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にある事」である為、傷病手当金は受けられないのです(基本手当の受給期間延長はできます)。

 このように退職後の継続給付で傷病手当金を受けている時には支給制限にかかる事もあるので注意が必要です。


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2017年5月10日水曜日

未支給年金の判決と国税庁の整理

◆未払給与・未払年金

 遺族の方に支給される遺族年金は、所得税も相続税も課税されません。

 ただし、相続後に支給を受けるものであっても、その死亡した人に支給されるべき年金給付のうち未だ支給されていなかったもの(未支給年金)があるときには、未払いの給与などと同じように、相続財産になるのではないか、と考えてしまいそうです。

◆未支給年金の相続性

 ところが、未支給年金については、「国民年金」についての最高裁の確定判決があり、未支給年金請求権について、最高裁はその相続性を否定しています。

 国民年金法は、未支給年金を請求できる者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしています。

 一定の遺族が「自己の名」で未支給年金の支給を請求することができるとした国民年金法は、遺族の生活保障を目的とした立場から未支給年金の支給を認めたものと解されています。

◆固有の権利とみなし規定

 従って、年金受給権者の遺族で一定の要件に該当する人は、その人の名前で当該未支給年金の支給を請求することができます。

 遺族の固有の権利に基づいて支払いを受けるものには、保険金や退職金などもあります。

 しかし、保険金や退職金と異なり、未支給年金には、相続財産とみなす規定もないので、相続財産ではなく、その遺族の一時所得の収入金額に該当します。

◆「厚生年金」と「共済年金」の規定ぶり

 これを踏まえ、いろんな未支給年金の課税関係について見てみると、厚生年金法は国民年金法とほぼ同様の規定ぶりになっているので、先の未支給国民年金と課税関係も同様とすべきとなりそうです。

 他方、「共済年金」では、請求権者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしているという点では同じですが、「遺族」がいないときは死亡した者の「相続人」に支給すると、いう規定も置いています。

 そうすると、死亡した者の「相続人」が支給を受けた場合には相続税の課税対象になるとも考えられそうです。

◆国税庁の整理

 ところが、この場合も支給を受けた者の「一時所得」になると、国税庁ホームページでは整理しています。


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2017年5月9日火曜日

地域における事業承継支援体制の構築

 2016年12月に中小企業庁より公表された「事業承継ガイドライン」では、中小企業の事業承継に関する「身近な支援者」として下記の方々を掲げています。

 商工会議所・商工会の経営指導員は日々の巡回指導等を通じて中小企業経営者との間に信頼関係を構築している中小企業にとって身近な存在です。

 地域金融機関は、中小企業に日常的に接して経営状況を把握しており、中小企業に対してきめ細かな経営支援等を実施し得る立場にあります。

 士業専門家としては、税理士、弁護士、公認会計士、中小企業診断士などがあげられます。

 税理士は、顧問契約を通じて日常的に中小企業経営者との関わりが深く、決算支援等を通じ経営にも深く関与しています。

 弁護士は、中小企業や経営者の代理人として、事業承継を進めるにあたり、経営者と共に利害関係者への説明・説得を行い、円滑な事業承継を進める役割を担っています。

 公認会計士は、監査及び会計の専門家として事業承継の様々な場面で、広い見識に基づく支援が期待されています。

 中小企業診断士は、中小企業の様々な経営課題への対応や経営診断等に取り組んでいます。

 また上記の身近な支援者に加え、各都道府県には、事業引継ぎ支援センター、よろず支援拠点などの公的支援機関も整備されています。

 このように、中小企業経営者の周囲には、身近な支援者から公的な支援機関まで、多様な支援機関が存在していることから、中小企業経営者としては、まずは身近な支援機関に声を掛けてみることが、事業承継に向けた準備の第一歩となるのです。

 では、地域における中小企業の事業承継支援にあたっては具体的にどのような取組みが求められるのでしょうか。

 ここでは栃木県における事業承継支援の取組みについてみていきたいと思います。

 栃木県では、2015年12月に施行された「栃木県中小企業・小規模企業の振興に関する条例」の趣旨等を踏まえ、自治体(県及び市町)・商工団体・金融機関及び専門家等が連携して中小企業・小規模企業への支援策を検討・実施する体制を整え、創業から事業承継まで「オールとちぎ」で支援していくことを目的として「とちぎ地域企業応援ネットワーク」を構築しています。

 同ネットワーク内には事業承継支援プロジェクトチームが設けられ、ネットワーク内の各支援者の間で事業承継支援に関する情報共有を図っています。

 また、栃木県では、専門的・実践的分野の深い知識を有するエキスパートを大学、研究機関、民間企業などから幅広く確保・登録し、事業承継等の経営課題を抱えた中小企業に対し、商工会議所・商工会を通じて派遣する「エキスパートバンク制度」を構築して専門家派遣による事業承継支援を行っています。

 エキスパート派遣に係る旅費・謝金などは初回に限りエキスパートバンクが全額負担するため、中小企業は無料(1回)で活用できます。

 この制度ではエキスパートが直接企業を訪問することから、中小企業は自社の秘密を厳守しつつ具体的・実践的な指導を直接受けることができます。

 このように、各々の支援機関は自らの専門分野に責任をもって取り組むことはもちろん、支援機関相互の連携を図りつつ、事業承継支援を切れ目なく行う体制を構築することが求められるのです。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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2017年5月8日月曜日

会計検査院:租税特別措置(所得税関係)の適用状況等を報告!

 会計検査院は、租税特別措置(所得税関係)の適用状況等についての報告書を公表しました。

 行政機関が行う政策の評価に関する法律により、法人税関係の特別措置については各省庁の政策評価が義務付けられ、また、2010年4月に施行された租特透明化法により、税負担を軽減する法人税関係の特別措置に関しては、適用実態調査結果の国会報告が行われております。

 しかし、所得税関係については政策評価が義務付けられておらず、これまで適用実態調査も行われていませんでした。

 そこで、会計検査院では、関係省庁及び財務省による所得税軽減措置に対する効果等の検証が行われているか、減収見込額が多額に上っている所得税軽減措置が必要最小限のものとなっているかなどに着眼して対象となった109措置の適用状況を検査しました。

 それによりますと、2010年度から2015年度までの6年間に、政策評価も税制改正要望の際の検証のいずれも行っていないものが80件ありました。

 減収見込額が多額に上っている所得税軽減措置としては、2015年度減収見込額8,910億円の「申告不要配当等特例等」があります。

 同特例は、上場会社から支払を受ける配当等を有する納税者について、各年分の所得税の計算上、これを除外して総所得金額を計算して確定申告することができるとするなどの措置ですが、大口株主等は事業参加的側面が強いことから、同特例は適用できないこととなっております。

 また、2015年度減収見込額1,830億円の「年金控除特例」が取り上げられました。

 この特例は、標準的な年金以下の年金のみで暮らす高齢者世帯に十分な配慮を行うことを目的として、年齢が65歳以上の納税者を対象に、公的年金等からの控除額を上乗せする措置ですが、会計検査院は「申告不要配当等特例等」、「年金控除特例」ともに関係省庁において、国民の納得できる必要最小限のものとなっているかなどの検証が十分にされていないと指摘しております。

 今後の動向に注目です。


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2017年5月2日火曜日

相続課税割合公表値を読む

◆基礎控除引下げの影響の予測と結果

 平成27年1月1日以後の相続から基礎控除額が60%に引下げられています。

 27年中の相続税申告の事績が昨年末に公表され、その制度変更の影響がどう表れているか明らかになりました。

 亡くなられた方について相続税の申告がなされた割合は10年来4.1~4.4%で推移していたところ27年は8.0%と倍近い増加になっています。

 少し前までは、6%ぐらいを予測値としている情報が多かったところです。

◆公表結果値の概要

 死亡者数は年々少しずつ増加し、ここ10年来で2割ぐらい増えてはいるところ、前年比では1.4%程度の増にすぎませんが、課税申告書提出件数は83.2%もの増になっています。

 前年比の申告書の提出を要する課税実増加件数は46,804人で、それに対応する実増加申告財産額は32,276億円で、相続申告増加1件当たり約6,900万円です。

 実増加税収は4,208億円で、相続申告増加1件当たり約899万円です。

◆都道府県別比較をしてみると

 課税申告割合、全国平均の8%に対し、都道府県別に高い方のベスト3をみると、東京15.7%(都内23区では16.7%)、愛知13.8%、神奈川12.4%です。東京の場合は、6.4人に1人の割合で相続課税がなされています。

 低い方のベスト3は、秋田2.2%、青森2.9%、鹿児島3.1%です。秋田の場合は、45.5人に1人の割合で相続課税されています。

◆変化の波と身近な経験的印象

 課税対象となる割合の高い地域が、その割合の増加の程度も高そうに思ってしまいそうですが、課税対象割合の増加率を追ってみると、その高い地域の増加変化率は東京が最低で162%、次いで京都163%、大阪164%で、これがワースト3です。

 逆に、増加変化率のベスト3は、富山246%、秋田244%、青森223%です。

 絶対数では、大都市圏で課税対象者割合が高いと言えるものの、基礎控除引下げの煽りを烈しく受けて変化の波に呑まれているのは地方なのかもしれません。



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2017年5月1日月曜日

パート主婦の扶養の要件

◆103万円の壁とは

 一般的に主婦の方がパートに働きに出ると収入額を意識する事が多いのが103万円の壁と言われるものでしょう。

 給与収入が103万円を超えると夫の収入から配偶者控除38万円が控除されなくなり課税になるからです。

 しかし103万円を超えて141万円までは配偶者特別控除があるので増える所得税は年5万から10万円と言うところです。103万円の壁と言うのは課税が始まる地点と言えます。

 この103万円超は平成30年1月より150万円超に変更されることになっています。配偶者特別控除も201万円までになりますので、課税され始める地点が150万円に変更される事になります。

 企業で扶養手当、家族手当等の名称の賃金で出されている妻の扶養手当支給要件が妻の収入は103万円以下となっている場合、妻が就労制限をかけてしまう事も考えられます。

 政府や経営者団体はこのような場合は基準を検討するように求めています。

◆パートの社会保険加入① 106万円の壁

 昨年の10月に従業員500人超の企業に勤める方に社会保険の加入が適用拡大されました。

 新たに加入対象者になる方は「週20時間以上勤務、月額88,000円以上」となっています。

 年間でみると1,056,000円となり「106万円の壁」等と呼ばれています。

 この対象は従業員500人超の企業ですから中小企業の多くは対象外です。

 一般的には「週の所定労働時間」か「月の所定労働日数」のいずれかが常用労働者の4分の3以上の勤務で加入対象となります。

 平成29年4月から500人以下の事業所でも労使合意がありパートタイマーが適用条件に合えば加入できます。

◆パートの社会保険加入② 130万円の壁

 年収130万円以上になると夫の健康保険の被扶養者から外れます。

 妻の勤め先で社会保険の加入要件に合えば加入するか、又は自身で国民健保、国民年金に加入する事になり、保険料負担が増加します。

 国民年金でも年間20万円位かかります。

 こちらの方が所得税の150万円の壁より意識せざるを得ない壁と言えるかもしれません。


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