2018年3月7日水曜日

平成30年度税制改正 資産課税編2

 今回は、特定一般社団法人等を中心にその他の主な改正項目を概観してみます。

●特定一般社団法人等への相続税の課税

 当該法人等の役員(理事に限る。以下同じ)である者(相続開始5年以内のいずれかの時において当該法人等の役員であった者を含む)が死亡した場合には、当該法人等が当該法人等の財産を同族役員(被相続人も含む)の数で等分した額を当該被相続人から遺贈により取得したものとみなして、当該法人等に相続税(既に課された贈与税額を控除)を課税する。

 なお、(1)特定一般社団法人等とは、公益・非利型法人その他の一定の法人以外の一般社団・財団法人で、次のいずれかの要件を満たす一般社団法人等です。

 ①相続開始の直前における同族役員数の総役員数に占める割合が2分の1を超えること。
 ②相続開始前5年以内において、同族役員数の総役員数に占める割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であること。

(2)同族役員とは、当該法人等の理事のうち、被相続人、その配偶者又は3親等内の親族その他当該被相続人と特殊の関係にある者(被相続人が会社役員となっている会社の従業員等)を言います。

 この改正は、平成30年4月1日以後の当該法人等の役員の死亡に係る相続税について適用されます。

 但し、同日前に設立された当該法人等については、平成33年4月1日以後の当該法人等の役員の死亡に係る相続税について適用され、平成30年3月31日以前の期間については上記(2)②の2分の1を超える期間に該当しない、となっています。

 しかし、平成30年4月1日から同族理事を2分の1未満に見直しておく必要があるかと思われます。

●その他の改正項目

(1)農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度については、

 ①貸付けられた生産緑地その他一定の農地の貸付にも納税を猶予する。また、
 ②三大都市圏の特定市以外の生産緑地について、営農継続要件を終身(現行:20年)とする等幾つかあります。また、

 (2)相続税の申告書の添付書類については、戸籍謄本のコピー、法定相続情報一覧図の写しでもよくなります。

 前者の適用は、都市農地の貸借円滑化に関する法の施行の日以後、後者の適用は、平成30年4月1日以後に提出する申告書からとなっています。

 後継者問題を抱える企業の事業承継・M&Aは、今や税理士事務所でも他人事ではありません。

ご勇退をお考えの税理士先生、ご連絡ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿