2018年4月3日火曜日

ROE一辺倒でいいのか その2

記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター

 ただ、レバレッジ経営を継続するには前提があります。

 それは資金調達がいつでも簡単にできるということです。

 安全性を犠牲にして余裕資金を削っているのですから、資金が必要なときには、金融機関から容易に借入できる環境でなければなりません。

 現在は、そういう環境にあるといえます。

 しかし、金融環境が変われば、話は変わります。

 かつてのリーマンショックの時には、資金調達が困難な状況が出現しました。

 あの天下のGMでさえ資金不足から経営不安に陥ったほどでしたから。

 いくら収益性が高くても、会社がつぶれては元も子もありません。

 会社あっての収益性です。

 そうしたときには自己資本比率がクローズアップされます。

 好況時にはROE向上の足枷として非難された豊富なキャッシュは、景気が悪くなると不時の洪水に備える有効な防波堤としてもてはやされるようになります。

 時代はいつも一定ではないのです。

 あるいは時代は変わらなくても、会社自体が経営危機に陥る時があります。

 そうなると、誰もROEなど見向きもせず、自己資本比率ばかりに焦点が当たるようになります。

 ROEを高めるために分子の利益を増加させることは、いつの時代でも変わらぬ真理です。

 ただ、自己資本比率が非常に高く、多少の環境変化にはビクともしない会社は別ですが、そこまではいかない会社は安易な分母削減策には慎重であるべきでしょう。

 企業経営において大切なのはバランスです。好況な時にも、苦難の時代が来ることも予想して備えておくことが必要だと思います。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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