2015年5月25日月曜日

IoTがもたらす変化


IoT(Internet of Things)という言葉をよく耳にするようになりました。日本では「モノのインターネット」と訳されており、あらゆるモノがインターネットに接続することを意味します。これまで、インターネットに繋がるものといえば、PCや携帯電話、スマートフォンなど、限られたもののみでした。それが、IoTでは、テレビや洗濯機などの家電や自動車、さらには時計や洋服、テニスラケットといった身の回りのものまでが、インターネットに繋がるようになります。くわえて、自動車だけでなく、パーキングメーターといった付随するものや各家庭に取り付けられた電力メーターなど、さまざまなモノが対象となるのが特徴です。
なぜ、いま、IoTが注目されるのでしょうか。大きな理由は、さまざまなモノがインターネットに接続が可能になったことで、以前にはない、モノを介したサービスが提供できる点にあります。結果、企業にとっては、新たなビジネスチャンスが期待できます。
IoTは、世界のなかでも米国が進んでおり、すでに実証実験やサービス開発に取り組んでいる企業が多くあります。米国のITベンダー企業では、サンフランシスコの路上にあるパーキングメーターをインターネットにつなぎ、駐車スペースに関するデータを収集することで、空き状況を可視化しています。このシステムにより、パーキングの利用者は空いている駐車スペースを探すのに、多くの時間をかけなくてもすむようになりました。また、パーキングメーターの会社にとっては、スペースの空き時間を減らし、稼働率をあげられるといったメリットが生まれます。
IoTによりさまざまな変化が起こる可能性があります。自動車がインターネットにつながり、個々の位置情報が正確にわかるようになれば、渋滞をしている地域が明らかになります。結果、ドライバーは比較的空いている道を選んで走行できるようになるので、渋滞解消にもなります。
Tシャツがインターネットにつながるとどうなるでしょうか。シャツにセンサーを埋め込むことで、歩行距離、カロリー消費量、心拍数などのデータを収集できるようになります。このデータをインターネット上にある解析アプリケーションにつなげれば、自身の健康に役立つ情報を得られるようになります。
ほかには、テニスラケットをインターネットに繋げることも可能です。グリップ部分にセンサーを埋めることで、ボールの速度やインパクトなどのデータが収集でき、ユーザーがプレーを改善するための情報を得ることができるようになります。また、家庭用電力メーターについては、電気の使用量がリアルタイムでわかるようになり、節電に役立てることができます。
ただし、こうしたインターネットに繋げるという概念は「ユビキタス」などをはじめ、これまでもありました。IoTがユビキタスと違うのは、ユビキタスはエアコンなどの家電製品を対象にしている点にあります。
IoTは家電だけでなく、自動車や各種メーター、時計などの日用品まで、あらゆるものが繋がるところに違いがあります。したがって、その分、サービスの規模も大きくなります。IoTを活用して、他社が取り組んでいないオリジナルのサービスを開発することは、競合に対し優位に立つ機会にもなります。
記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター

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