2019年3月14日木曜日

国税庁:2017事務年度の相続税の調査事績を公表!

 国税庁は、2017事務年度(2018年6月までの1年間)の相続税の調査事績を公表しました。

 それによりますと、2015年中に発生した相続を中心として、申告額が過少なものや申告義務がありながら無申告と思われるものなど1万2,576件(前事務年度比3.8%増)を実地調査し、そのうち83.7%にあたる1万521件(同6.0%増)から3,523億円(同6.9%増)の申告漏れ課税価格を把握して、加算税107億円を含む783億円(同9.3%増)を追徴課税しました。

 実地調査1件あたりでは、申告漏れ課税価格2,801万円(前事務年度比3.0%増)、追徴税額623万円(同5.3%増)となりました。

 また、申告漏れ額が多額だったことや故意に相続財産を隠ぺいしたことなどにより重加算税を賦課した件数は1,504件(同15.7%増)となり、その重加算税賦課対象額は576億円(同6.7%増)、重加算税賦課割合は14.3%(同1.2ポイント増)となりました。

 申告漏れ相続財産の内訳をみてみますと、「現金・預貯金等」が1,183億円(前事務年度1,070億円)と最多、以下、「有価証券」が527億円(同535億円、構成比15.2%)、「土地」が410億円(同383億円、同11.8%)、「家屋」が62億円(同56億円、同1.8%)、「その他(不動産、有価証券、現金・預貯金等以外)」が1,289億円(同1,189億円、同37.1%)となりました。

 無申告事案は、前事務年度より25.2%多い1,216件の実地調査を行い、そのうち84.3%にあたる1,025件(前事務年度比36.5%増)から987億円(同14.0%増)の申告漏れ課税価格を把握し、88億円(同27.7%増)を追徴課税しました。

 国税庁は、海外資産関連事案についても資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案などを積極的に調査しており、2017事務年度に1,129件(前事務年度比23.1%増)の実地調査を行い、そのうち134件(同14.5%増)から海外資産に係る申告漏れ課税価格70億円(同32.5%増)を把握しました。

2019年3月13日水曜日

勤怠時間の把握と勤怠システム

◆勤怠管理をしていますか?

 近年、労働時間の勤務時間を記録していないで未払い残業などを請求されるケースが増えており、一旦未払い残業代を請求されると会社側が不利な事が多く、ほぼ無力で請求された通りの結果になる可能性が高い状況になっています。

 働き方改革の一環で労働安全衛生法の改正もあり、2019年4月からは管理職の労働時間の把握を企業に義務付ける方針です。

 また、労働基準法の改正で残業時間の上限規制(中小企業2020年4月施行)が強化され、従業員側と労使協定を交わしても年間720時間、1カ月で100時間未満まで、2カ月から6カ月平均で月80時間以内となり、上限規制が守られない時は「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と厳しい罰則も予定されています。

 まだ、労働時間を把握していない企業では、勤怠管理をして従業員の労働時間を把握することは急務と言えるでしょう。

◆勤怠管理の方法とハードル

 皆さんの企業では勤怠管理方法は紙、Excel、タイムカード等何を使用しているでしょうか。

 勤怠管理はタイムカードや紙による管理からITを活用した勤怠管理システム導入が進んできています。

 勤怠管理システムとは、自動的に勤怠が集計され意図していた集計結果が表示されるものです。

1.出勤簿(勤務表)への客観的な時刻の記録が可能
2.労働時間の集計を自動化する
3.労働時間の管理強化と業務の効率化を両立する

、というものです。

 導入のメリット、デメリットとしては、
(1)労働時間の客観的把握
(2)労働時間、休暇取得等の管理強化
(3)時間集計、休暇等の業務効率化
上記の(1)と(2)は簡単に実現できますが(3)の業務効率化の実現ができるかどうかがポイントになります。

 業務効率化がなぜ重要なポイントかと言えば、勤怠システムをそのまま使っただけではできない勤怠ルールを定義してシステムに落とし込む必要があるからです。

 就業や勤務形態等の状況に対応させる設定が必要です。いちいち手修正をしていては効率化が図りにくくなってしまう事があるからです。

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2019年3月12日火曜日

パートから正社員になった場合の有給休暇

◆パートから正社員に引き上げた時

 社内にいい人材がいて、パートタイマーで働いていた方を正社員にして是非長く働いてもらいたいと考えた時、パート本人からフルタイムで働けるようになって正社員を希望した時等、パートタイム労働者から正社員に引き上げる理由は様々です。

 その場合は今まで働いていた期間とこれからの身分との関係で年次有給休暇の扱いは変わるのでしょうか?

 今まで保持していたパート時代の有給休暇日数は引き継がれるのでしょうか?

 パートタイマー労働者の有給休暇は比例付与で週の所定労働日数や年間の働く日数で変わります。

 パートタイマーで働いている途中で正社員に切り替わった時は有給休暇の付与日数はどう変わるでしょうか?

◆年次有給休暇付与日数の考え方

 年次有給休暇付与日数を計算するポイントは勤続年数と付与する日(基準日)の雇用契約内容です。

 まず勤続年数ですがパートとして雇用した日から通算して考えます。

 毎日勤務でなくとも勤務時間数が短くとも、継続して働いていれば雇用契約の最初の日からが勤続年数になります。

 パートとして雇用された日から6か月後、1年6か月後と付与する日(基準日)が到来し、基準日に締結している契約により付与する日数が決まります。

 注意が必要なのは、いったん白紙に戻して正社員になった時点から改めて6か月後に10日を付与する取り扱いは正しくないことです。

◆正社員に切り替えた場合の例

 週3日勤務パートタイムの方が週5日勤務の正社員に変更した場合、3年6か月目に正社員になった時は正社員用の有給休暇日数の14日が新たに付与されます。

 また、3年7か月目に正社員になった時は切り替え時に付与し直すのでなく、パート時で直近に付与されている日数のままで、次の基準日の4年6か月目に新たに16日が付与されます。

 パート時代の未使用日数分は翌年まで繰り越されます。

 雇用契約内容が変わると労働条件も変わりますので雇用契約書に年次有給休暇日数も明示しましょう。

2019年3月11日月曜日

キャッシュレスは日本に根付くか

 「キャッシュレス」の波が押し寄せ、お金は大きな変化を遂げようとしています。

 いまや世界においての支払いは、クレジットカードや電子マネー、スマホなどで済ませるスタイルが浸透しています。

 クレジットカードや電子マネーの魅力は、お釣りや小銭のわずらわしさから解放される点が一つです。

 中でも便利なのがスマホの決済です。

 お財布からお金やカードを取り出す必要がなく、スマホをかざすだけで支払いが完了。

 荷物があっても片手で決済できるので便利です。

 また、ランチや飲み会で割り勘をするとき、同席者がLINEのアプリを持っていれば、同席者同士、1円単位で送金できます。

 結果、小銭がなくて、だれかが多く払うといったこともなくせます。

 もう一つのメリットはお金の管理のしやすさです。

 カードや電子マネーの中には、利用履歴がパソコンやスマホで確認できるものがあります。

 レシートをとっておかなくても、何にお金を使ったか、合計額がわかり、自身で集計するよりも管理が簡単になります。

 メリットは利用者だけではありません。現金の比率が低くなれば、店側は現金を盗まれる心配が減り、警備にかかる経費を削減できます。

 また、銀行などはATMの数を減らすことになるので、ATMの維持・管理のコストが減少、それに伴いお金の輸送も減るので犯罪に巻き込まれる危険性も少なくなります。

 ほか、小売店ではレジのお金を数えて、残高を確認する必要もありません。

 お釣りを間違えるといったミスも減らせます。

 こうした数多くの利便性の高さに気づいた顧客や店が増えることで、さらにキャッシュレス化が進むと考えられます。

 世界の多くの国でキャッシュレス化が進んでいます。

 中でも、最先端をいくスウェーデンでは、「現金お断り」を掲げる店もあります。

 また、銀行の多くがATMの閉鎖に取り組んでいる状態です。

 隣国の韓国もキャッシュレス決済が浸透しており、比率は90%に及ぶといいます。

 日本では、財布からお金を出す光景が一般的で、キャッシュレス決済の比率は18%程度にとどまっています。

 とはいえ、日本でも、国を挙げてキャッシュレス化に取り組んでいます。

 検討会では、2025年までにキャッシュレス化を40%に拡大し、将来は80%を目指すといいます。

 最近では、消費税率引き上げに合わせ、キャッシュレスで決済した消費者にはポイントを還元するといった施策が検討され、話題になりました。

 企業にとって、キャッシュレス化のもう一つのメリットはマーケティングデータが得られることです。

 カードや電子マネーで支払いを済ませると、履歴から顧客の年齢、性別、住まいなどのデータが蓄積されます。

 さまざまな属性のデータから、属性ごとに、どのような商品を好むかがわかるようになります。

 結果、自身の店でどの商品をすすめるのが良いか、売上をあげるのに役立つ情報が得られます。

 スマホ決済の利用者が増える中、今、多くの企業がキャッシュレス関連の市場に参入しています。

 運営会社の収益源は手数料です。

 キャッシュレス化が進めば進むほど、多額の利益が見込めます。

 このほか、支払いのシステムを構築するIT企業や、データを活用し、新たな提案をするコンサルタントなど、キャッシュレス化を取り巻く市場には多くのビジネスチャンスがあります。

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2019年3月10日日曜日

極ZERO裁判で国税勝訴

 115億円の追徴課税を巡ってサッポロビール社と国税が争う裁判の判決が下され、東京地裁はサッポロの請求を棄却しました。

 判決の詳細は非公開ながら、税法の「立法趣旨」が司法判断の決め手となったことがうかがえます。

 サッポロは2013年に「世界初の製法」をうたい、ビール系飲料のなかで最も税率の低い第3のビールとして「極ZERO」を販売。

 翌14年、国税庁から「第3のビールではなく発泡酒に当たる可能性がある」と指摘されました。

 発泡酒なら酒税は第3のビールの約1.7倍となり、それまで売り上げた分にかかる酒税の差額115億円を納税する義務が生じます。

 未納分の税金は、納めるのが遅れるほど延滞税が多くかかります。

 同社はこれ以上負担が増えないよう納めるだけ納めておいて、第3のビールだと証明した後に返してもらうという手段をとりました。

 しかし国税が返還を拒否したため、両者の対決が始まったのです。

 国内大手のビールメーカーが数字上のスペックを見誤ることはなかなか考えにくいことです。

 となれば、極ZEROは第3のビールの要件を数字では満たしていながら、裁判では認められなかったということも考えられます。

 手掛かりとなるのが、同社の訴えを巡る国税不服審判所の非公開裁決です。

 この裁決に当たり審判所は、「その他の発泡性酒類」が規定された06年改正酒税法の立法趣旨に触れています。

 改正法で基本税率よりも低い特例的な税率を設けたのは、税率が急激に変われば生産や消費に多大な影響を与えるためであると説明。

 その上で「その他の発泡性酒類」の特例税率は、当時販売されていた第3のビールの商品群と「同種の製造方法によるもの」に限定する趣旨があったとしました。

 そしてこれらを踏まえると、あくまで推測ですが、『世界初の製法』をうたった極ZEROは法が想定する〝製法〟ではないため「その他の発泡性酒類」に該当しないと結論付けたとみられます。

 純粋に原材料の割合などスペック上の理由だけで第3のビールに該当しないのなら、立法趣旨に踏み込む必要はないはずです。

 地裁判決についてはまた異なる論拠から判決が出されたのかもしれませんが、審判所と同種の判断がされた可能性は否定できません。

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2019年3月9日土曜日

ふるさと納税の返礼品にギフト券

 2019年度税制改正大綱で、過度な返礼品への規制案が盛り込まれた「ふるさと納税」の周辺が再び騒がしくなっています。

 大阪府泉佐野市は返礼品に加えて寄付額の最大20%分をネット通販大手「アマゾン」のギフト券にして提供するキャンペーンを始めたと発表しました。

 ギフト券は10%分と20%分の2種類で、総額100億円分に達したら終了するとしています。

 市の特設サイトから3月末までの申し込みが対象です。

 寄付金集めの競争激化を抑えようと、政府は返礼品を「調達費が寄付額の3割以下の地場産品」に限るよう定め、6月以降は違反自治体への寄付は制度から除外する予定です。

 これに対し、泉佐野市は返礼品の調達額を寄付額の4割程度に設定し、17年度には全国首位の約135億円の寄付を集めていることから反発していました。

 中央政界からも規制緩和を求める動きが出始めました。

 公明党の山口那津男代表は記者会見で「市町村の狭い地域の産品を強要するのは少し固すぎる。

 ふるさと創生に資する、納税者の意思にも反しないあり方は柔軟であってもいい」と、「地場産品」の定義を市町村から県内などに広げるよう求めました。

 呼応する声は自民党内でもあるといいます。

 統一地方選や参院選をにらみ、市町村や利用者に配慮を示そうという動きとみられます。

 ただ、様々な思惑が交錯する中で、各々の「ふるさと」を応援するという制度本来の趣旨が顧みられることはほとんどありません。

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2019年3月8日金曜日

中小企業における多能工化・兼任化の推進

 中小企業において人手不足が深刻化する中、多能工化・兼任化の推進によって業務量の平準化や業務の効率化を図ることが求められています。

 「中小企業白書2018年版」において、中小企業における従業員の多能工化・兼任化の取組みについて実施されたアンケート調査の結果についてみていきましょう。

 中小企業における従業員の多能工化・兼任化の取組状況についてみると、回答企業の73.3%が多能工化・兼任化に取り組んでいることがわかります。

 また業種別には製造業での取組割合が88.1%と他の業種に比して高くなっています。

 従業員の多能工化・兼任化を進めるに当たって、併せて行った取組みの内訳をみると、「業務マニュアルの作成・整備」、「従業員のスキルの見える化」の回答割合が特に高くなっています。

 「業務マニュアルの作成・整備」については、従業員に新たな業務を担当させる上での学習環境の整備としての役割を担っているものと考えられます。

 また、「従業員のスキルの見える化」は、各従業員が有している能力の確認や、今後習得させるべき能力を定めるために必要なものと推察されます。

 従業員の多能工化・兼任化によって得られた効果についてみると、「従業員の能力向上」と回答した割合が52.7%と最も高くなっており、以下「全体の業務平準化による、従業員の負担の軽減」35.6%、「繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上」35.1%の順となっています。

 このように多能工化・兼任化により、業務量が平準化され従業員の負担軽減につながるとともに、他部署からの支援に回れる人材が増えることで処理能力の向上につながるなどの効果が期待されるのです。

 では、中小企業におけるIT利活用にあたっては具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。

 そこで「中小企業白書2018年版」において、非製造業(温泉旅館)でありながら業務を見直したことで多能工化を実現し、生産性を向上させた企業として紹介された、温泉旅館の取組みについてみていきましょう。

 繁忙期に従業員が休めない状況が続くという状況に対処するため、同社では2015年末に、業務効率化による従業員の負担軽減を図る取組みを開始しました。

 例えばこれまで夕食時間を2部制としテーブルセッティングしていたのを廃止し、顧客が好きな時間に来る方式に変えたことで、夕食の準備時間の短縮と顧客満足度の向上を両立させることができました。

 続いて、分業制だった従業員の多能工化に取組みました。

 従業員に丁寧に説明を行いつつ改革を実行していった結果、仲居がレストランを手伝ったり、仲居以外のスタッフが宴会の仕事を手伝ったりなど、従業員間で互いの業務の支援を行う体制が構築されていきました。

 長時間労働の是正に苦労する企業が多い旅館業の中で、同社は残業を一人当たり週2時間程度まで削減し、その上で残業手当の減少分は賞与を増やすことにより従業員に還元しています。

 2017年4月からは週休2日制をほぼ導入し、各従業員が取得する年間休日を30日増やすことにも成功しました。

 このように従業員に丁寧に説明を行いつつ多能工化を進めることで、従業員の能力向上や業務平準化による負担軽減を図ることが可能となるのです。

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