2017年2月9日木曜日

e-Taxで添付書類をPDF送信

 電子申告システム「e-Tax(イータックス)」で税務申告(申請、届出)しても別途郵送しなければならなかった添付書面の一部について、今年1月4日からPDF形式のデータ添付による送信が可能になりました。


 データ送信できるようになったのは、所得税、贈与税の申告手続きと、所得税、消費税(個人)、贈与税、相続税、電子帳簿保存法(個人)関係の申請・届出手続きに関連する書類。


 1ファイルあたり最大1メガバイトまで送信できます。


 添付書面のルールが簡素化されたことで、多少なりとも電子申告がしやすくなったようです。


 なお、平成29年1月3日以前に提出した申告、申請、届出に掛かる添付書類については、同月4日以降でもPDFでの提出はできません。


 法人税、消費税(法人)、酒税の申告手続きなどのデータ添付は、平成28年4月から可能になっています。


 PDFデータで送信した添付書類のうち、法令の規定で原本の提出が必要とされている収用証明書、登記事項証明書などの添付書類については、法定申告期限から5年間保存する必要があります。



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2017年2月8日水曜日

無予告調査は全体の4.3%

 東京税理士会(西村新会長)が会員向けに行ったアンケート調査によると、事前通知がなかった無予告調査の件数は93件で、全体の4.3%でした。


 このうち臨場後速やかに国税通則法の手続きにのっとって納税者の理解と協力を得て調査が行われたものは82件にとどまりました。


 なかには納税者の理解を得られないまま調査が開始されたと考えるケースもあったそうです。


 法令に則っていない調査が行われていることが懸念されます。


 また、税理士が税務代理権限証明書を提出しているにもかかわらず、納税者にしか通知せずに調査にいたったケースが117件に及んだことが分かりました。


 税理士が税務代理権限証明書を提出すると、必ず税理士に通知をされなければなりませんが、国税当局は厳密に通知義務を守っていなかったことになります。


 調査対象者の取引先などに対して実施される税務調査である「反面調査」は170件で、そのうち反面調査であることを実施した後に知ったのは87件で過半数を上回りました。


 反面調査は取引先などに知らせたうえで実施することになっているはずですが、税理士に知らせずに実施しているケースが大半を占めていることが浮き彫りになりました。



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2017年2月7日火曜日

国税庁:2015年度租税滞納状況を公表!

 国税庁は、2015年度租税滞納状況を公表しました。

 それによりますと、2016年3月末時点(2015年度)の法人税や消費税など国税の滞納残高が、前年度に比べて8.2%減の9,774億円となりました。

 新規発生滞納額は、前年度に比べ16.2%増の6,871億円と2年連続で増加したものの、整理済額が7,744億円(前年度比15.9%増)と新規発生滞納額を大きく上回ったため、滞納残高も減少しました。

 2015年度に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8,903億円)の約36%まで減少し、2015年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は1.2%と前年度(1.1%)からほぼ横ばいでした。

 2004年度以降、12年連続で2%を下回り、滞納残高はピークの1998年度(2兆8149億円)の約35%まで減少しました。

 税目別にみてみますと、消費税は、新規発生滞納額が前年度比33.5%増の4,396億円と2年連続で増加し、税目別では11年連続で最多で、全体の約64%を占めております。

 一方、整理済額が4,533億円と上回ったため、滞納残高は3.9%減の3,340億円となり、16年連続で減少しました。

 法人税は、新規発生滞納額が同5.9%減の634億円と2年連続で減少し、整理済額が832億円と大きく上回ったため、滞納残高も15.6%減の1,069億円となり、8年連続で減少しました。

国税庁では、

 ①新規滞納に関しては、全国の国税局(所)に設置している「集中電話催告センター室」での整理

 ②処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となって訴訟を提起して整理

 ③財産を隠ぺいして滞納処分を免れる案件については、国税徴収法の「滞納処分免脱罪」による告発で整理することで、

効果的・効率的に処理しております。

 景気回復により税収は増えているものの、国税庁では、こうした新規滞納の未然防止、大口・悪質事案や処理困難事案を中心に厳正・的確な滞納整理を実施しております。

 今後の動向に注目です。



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2017年2月6日月曜日

「償却資産に係る固定資産税制度のあり方について」を諮問! 日税連

 日本税理士会連合会(以下:日税連)は、会長の諮問機関である税制審議会において、毎年度1年間かけて税制上の諸問題を検討し、その結果を報告しております。

 納税者の代理人としてプロの立場から税制の見直しを行っていますが、2016年度は「償却資産に係る固定資産税制度のあり方について」を同審議会に対し、諮問しました。

 それによりますと、企業が保有する事業用の償却資産に係る固定資産税制度は、シャウプ勧告に基づき1950年に創設されたものであり、市町村の行政サービスに対する応益課税であるといわれております。

 その税収規模は約1兆6,000億円となっており、与党の「2016年度税制改正大綱」では、「固定資産税が市町村財政を支える安定した基幹税であることに鑑み、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持する」とされております。

 一方、償却資産に対する課税は、企業の設備投資の阻害要因になること、製造業などの設備投資型の業種に税負担が偏っていることなど課題が挙がっております。

 さらに、償却資産を活用して得られる所得に係る事業税や住民税との重複課税になること、諸外国の税制をみると償却資産に対して固定資産税を課税している国はほとんど見当たらないことといった観点から、制度そのものを縮小又は廃止すべきであるという意見もあります。

 実務の観点からは、償却資産の評価方法について、残存価額の有無、特別償却や少額減価償却資産の取扱いなどの点で法人税や所得税における減価償却制度と齟齬があり、法人の決算期に関係なく賦課期日と申告期限が定められているため、企業に煩瑣な申告事務を強いております。

 また、課税範囲については、家屋と償却資産の区分判定が困難な場合や、登記制度のある土地等と異なり課税客体の捕捉が不完全などの問題も指摘されております。

 そこで、日税連では、現行の償却資産に係る固定資産税制度について、免税点や税率水準のあり方などを含め、中小企業の事務負担を踏まえて総合的に検討するよう、税制審議会に諮問しました。

 今後の動向に注目です。




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2017年2月3日金曜日

V字回復のススメ ~MBA的思考の裏技~

◆ゴーン氏「V字回復、もちろんできる」

 燃費試験の不正問題が発覚し、壊滅的打撃を受けた三菱自動車ですが、日産自動車が三菱自動車株の34%を取得し、救済に乗り出すこととなりました。

 カルロス・ゴーン氏は、1999年フランスのルノー社副社長から日産自動車の建て直しにCOO(最高執行責任者)として着任し、「日産リバイバルプラン」でリストラや工場閉鎖、購買コストの削減などの大胆な改革を実行し、長年業績の低迷に苦しんだ日産を、強力な指導力でV字回復に導きました。

 そのゴーン氏が、三菱自動車を「経営体制やシナジーでV字回復させる」と宣言しています。


◆V字回復とは

 V字回復とは、字のごとく落ち込んだ利益が劇的に回復する様を表しています。

 回復する前の落ち込みが大きければ大きいほど、V字回復の成果も大きく見えます。

 MBAの会計学の教科書では初歩的な手段として、ビッグバス効果という手法を学びます。

 ビッグバスとはBig bath(大きな風呂)という意であり、企業に蓄積した損失を洗い流すというニュアンスがあります。

 米国では、経営者が交代する際に、前経営者のもとで蓄積した損失に将来のリストラ費用を上乗せして計上することで、翌期の費用を圧縮し、収益が劇的に改善したように見せるために使われることがある手法です。

 ゴーン氏のV字回復は、まさにビッグバス効果と言えます。


◆V字回復のススメ

 税務会計に縛られずに会計計上する(=見積損失を税務申告書で否認加算する)場合、使えない資産の評価損での切り下げやリストラ費用を過大計上する”taking a bath”という手法で、V字回復を演出することが可能となります。

 ただし、この演出は通常1度限りであり、いつも使えるものではありません。継続的な好業績の維持には別の経営手腕が必要です。

 とはいえ、再建屋として経営招致された場合や、急な代替わりで一気に信頼をつかまなければならないなどのひっ迫した事情がある場合には、外科的裏ワザとしておススメといえます。


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2017年2月2日木曜日

平成29年度税制改正 資産課税編

 資産課税の主な改正は、次の通りです。

●財産評価の適正化

1.取引相場のない株式評価の見直し

①類似業種比準方式による株価の算出方法について、

 (イ)類似業種の上場会社の株価については、2年間の平均を選択可能に、
 (ロ)比準要素である、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額に連結決算を反映したものとする、

 (ハ)比準要素のウエイトを「1:1:1」(現行1:3:1)に、

 (ニ)会社規模の判定基準について、大会社及び中会社の適用範囲を総じて拡大する。

②株式保有特定会社の判定基準に、新株予約権付社債を加える。


2.広大地評価の見直し

 面積に応じて比例的に減額する現行の評価方法から、各土地の個性に応じて面積・形状(奥行、不整形)等に基づき評価する方法に見直し、適用要件を明確化する。


 この改正は、上記1の①は平成29年1月1日以後、1の②と2は、平成30年1月1日以後に相続等により取得した財産の評価からの適用です。


●相続税等(贈与)の納税義務の見直し

 相続税等の納税義務の範囲については、相続人等又は被相続人等の住所要件が10年(現行:5年)以内に改正、住所が一時的である外国人同士の相続等については、国外財産を課税対象にしない、日本に住所及び国籍を有しない相続人等が、過去10年以内に日本に住所を有していた被相続人等から相続等により取得した国外財産は課税対象とする(短期滞在の外国人を除く)。

 この改正は、平成29年4月1日以後の相続等からの適用です。


●医療法人の持分放棄と贈与課税

 持分あり医療法人が持分なし医療法人への移行計画の認定を受け、一定の要件を充足した場合、当該医療法人の持分放棄に伴う経済的利益には贈与税を課さない、とする改正がなされています。

 適用については、所要の措置を講じた後となっています。


●タワマン課税の見直し

 居住用超高層建築物(タワマン)に課す固定資産税については、階層別専有床面積補正率(1階を100として階が1つ増すごとに39分の10を加えた数値)を適用した課税に改められます。

 改正は、平成30年度(平成29年4月1日前に売買契約が締結されたものを除く)から新たに課税されるものに適用されます。







2017年2月1日水曜日

個人番号カード取得者は982万枚

 総務省が発表したデータによれば、昨年12月27日までに申請に基づき発行されたマイナンバーカードは982万枚でした。


 マイナンバー制度の前身である住民基本台帳カードの発行枚数が12年かけて850万枚にも届かなかったことを思えば上々の数字にも思えますが、マイナンバー制度導入時に総務省が掲げた3カ月で1千万枚、1年で3千万枚という目標とはあまりにかけ離れた数字と言わざるを得ません。


 発行枚数が伸び悩んだ理由の一つには、制度スタート早々に発覚したカード交付システムの障害があります。


 制度を運営する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)と自治体間の中継サーバーに生じた障害は完全に解消されるまでに半年近くの時間を要し、一時期は申請したカードを受け取れるまで数カ月かかるという状態が続きました。


 11月末までには交付業務の遅れは全自治体で解消されたものの、「すぐにはカードを受け取れない」という状況が申請ペースを腰折れさせた感は否めません。


 とはいえ、遅れが解消された後もカードの申請ペースは上がっておらず、より根本的な原因として、カード取得のメリットを納税者が実感できていない面はありそうです。


 また、さらなる普及拡大を狙い、政府は今後矢継ぎ早にさまざまな分野でのカードの活用を推し進めていく方針ですが、もともと税と社会保障のみに使われる特定個人情報として位置づけられたマイナンバーの利用範囲をなし崩しに広げていくことには不安が残ります。



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