今年から、生命保険の契約者変更があった時に、変更内容やその時点での解約返戻金相当額を記載した調書の提出が保険会社に義務付けられるようになっています。
今般の見直しによって課税当局による契約情報の把握がより徹底されることなる点を把握しておきたいところです。
従来は調書の提出は「保険金の支払いが生じた時」のみの義務でしたが、今年1月からは名義変更をするだけでも調書の提出が必要となりました。
また変更時点での解約返戻金相当額の記載も義務化されています。
さらに契約者の死亡によらない契約変更についても、これまでは「払い込んだ保険料の総額」だけを記載すればよかったところを、「変更後の契約者が払い込んだ保険料の総額」も記載するよう義務付けられました。
税務上、契約者の死亡によって保険が相続人などに引き継がれると、その時点での解約返戻金相当額が相続財産となり申告義務が発生します。
また通常の契約者変更では、前の契約者が負担した払込保険料に相当する受取保険金部分が贈与税の対象となります。
しかし従来の制度では、契約者変更だけでは法定調書が提出されないため、課税当局が名義変更の事実を十分に把握できていませんでした。
そのため、契約引き継ぎによって得た相続財産を申告していなかったり、保険金を受け取る際に前の契約者が支払った保険料まで「自分の払込保険料」として経費に含めたりするケースが起きていました。
見直しにより、名義変更時と保険金支払時の2段階での情報把握を徹底することで、納税者への監視を一層強めることになります。
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