わが国の生産年齢人口(15~64歳)は、1995年の約8,700万人をピークに減少に転じており、2015年には約7,700万人と20年の間に約1,000万人減少しています。
その一方で、労働力人口(15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの)の推移をみると、1995年から2015年までの減少幅は約42万人に留まっており、生産年齢人口ほどには減少していないことがわかります。
その背景の一つに65歳以上の労働参加率が高まっていることがあげられます。
こうした中、中小企業の人材確保においてシニア人材への期待が高まっています。
2018年版中小企業白書によると、60歳以上の雇用者数は2007年から2017年の10年の間に約330万人増加しており、シニア世代の労働参加が進んでいることが示されています。
60歳以上の男女の就労希望年齢についてみると、「働けるうちはいつまでも」と回答した割合が28.9%と最も高く、「65歳くらいまで」「70歳くらいまで」がそれぞれ16.6%の順となっており、シニア世代において労働参加の意思が強い者の割合が相応に高いことがわかります。
シニア世代のうち、収入になる仕事に就くことを希望しながら現在仕事を探していない者に対しその理由を確認したところ、「適当な仕事がありそうにない」と回答した割合が最も高く、そのうち約2割が「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」と回答しています。
このように中小企業は、賃金・勤務時間などの希望に柔軟に対応しつつ、労働参加の意思が強いシニア世代の雇用の受け皿となることが期待されているのです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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