2016年9月21日水曜日

相続税増税で税収2割増の地域も

 平成27年の相続増税以来、相続税の税収が増えているというデータを関東信越、名古屋、大阪の各国税局が公表しました。


 国税庁が6月に発表した資料では贈与税の申告が年々増えていることが明らかにされていて、増税による相続税の負担増と、それに伴う生前対策のニーズの高まりが数字にもはっきり表れた格好です。

 名古屋国税局が8月に公表した昨年度の国税収納状況によると、国税全体で6兆3770億円となり前年から10.6%増えました。

 名古屋局の収納額は4年連続の増加です。

 株高基調の影響を受けて法人税や個人の所得税が伸びたことに加えて、消費税率が8%に引き上げられたことも大きな影響を及ぼしました。

 消費税の収納額は前年度比22.3%増です。

 消費税よりさらに高い増加率を見せたのが相続税です。

 収納額は前年度の2175億8300万円から23.4%増え、2684億6300万円となりました。

 基礎控除引き下げと最高税率引き上げによる影響は主に東京都心部の家持ちの納税者などに大きいと見られていましたが、増税がそれ以外の地域にも負担増を強いていることが、データ上ではっきり示された形です。

 また茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野を管轄する関東信越国税局でも、相続税収納額は前年比8.3%と1割近く増えています。

 相続税や消費税の増加によって、国税全体の収納額も3年連続増加、伸び率は9.7%となり、2年連続で4兆円を突破しました。

 大阪国税局では相続税の収納額は3421億円と前年度から15.9%減少しました。

 ただし前年の数字は大口の相続案件が集中したことが原因ともみられ、前々年度の3036億円からは増加しています。

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