企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の創設が平成28年度税制改正大綱に盛り込まれました。
その名称から個人を対象にしたふるさと納税制度と似た仕組みのイメージが強い制度ですが、異なる点は少なくありません。
個人を対象にしたふるさと納税制度では、地方公共団体への寄付金のうち、2千円を超える部分に相当する所得税の寄付金控除や住民税の寄付金税額控除が受けられます。
自己負担が少ないのが特徴です。
一方、会社が企業版ふるさと納税制度を利用したときには、会社は寄付金の4割の負担は必要です。
また、個人を対象にしたふるさと納税制度の利用が増えたのは、2千円の自己負担で、社会貢献ができるうえ、寄付の「お礼」として地元特産品を受け取れるからにほかなりません。
企業の場合は、寄付を受け取った自治体が寄付企業の社員に公共施設の優待券を与えることは認めるものの、入札などで便宜を図ることは当然ながら禁じる見通しとなっています。
社会貢献活動をアピールできるという側面はありますが、税優遇と受け取れる「お礼」のよる〝うま味〟は個人版と比べて圧倒的に弱いといえるでしょう。
そのため、これまでも地方自治体に寄付してきたような資金に余裕のある企業にとってはありがたい制度であるものの、新たに会社に寄付を促す効果がどれだけあるのかと疑問視する税の専門家も多いようです。
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