公正取引員会が東京電力グループの東光高岳に対して、電気メーターの取り換え工事について増税分を下請け業者に支払っていなかったとして勧告しました。
消費税転嫁対策特別措置法に定められた「買いたたき」の規定に違反すると認定されたそうです。
同社は東電から電気メーターの取り換え工事の委託を受け、中小事業者に再委託していますが、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月から15年5月までに、101人の個人事業者に対して、増税分を支払っていませんでした。
公取委からの調査開始の連絡を受けた後、昨年12月までに上乗せ額約1900万円を事業者に支払い、今後の工事費についても増税分を転嫁した額で支払うよう合意したそうです。
同社は「関係の皆様方に大変ご迷惑をおかけしました」とする文書を発表しています。
経産省が毎月発表している転嫁状況のモニタリング調査によると、昨年12月時点で、増税分を「すべて転嫁できている」と答えた事業者は、事業者間取引で84.7%、消費者向け取引で70.2%と、増税から1年9カ月が経ってもなお増税分を転嫁しきれていない状況が明らかとなっています。
また「まったく転嫁できていない」と答えた事業者も、事業者間取引で3.9%、消費者向け取引で6.2%いました。
日本商工会議所が昨年5月に行った調査では、来年4月に予定されている10%への再増税に向け、今後もすべてを転嫁できると考えている企業は36%と全体の3分の1程度にとどまったことも分かっています。
数年ごとの消費増税に業者が対応しきれていない状況が浮き彫りとなるなか、実効性のある転嫁拒否対策が求められています。
0 件のコメント:
コメントを投稿