会計検査院がこのほど発表した最新報告書は、2014年度に1千億円を超える税金が各省庁などによって〝ムダ遣い〟された実態を指摘しています。
最新報告書によると、14年度に発生した税金の無駄遣いや不適切な経理は570件で、金額にすると1568億6701万円でした。
そのうち、法律や政令、予算として付けられた目的に違反していた「不当事項」が450件で164億6537万円、検査院が無駄遣いの改善や制度の見直しを求めた「意見表示」と「改善要求」は49件で721億円でした。
ムダ遣いの詳細を見ると、1つの案件で最も大きな額を指摘されたのは防衛省で、航空自衛隊のレーダー機器に関するものでした。無駄が出てしまったレーダー機器の価格は総額243億5267万円にも上ります。
単独案件の指摘金額では航空自衛隊が最高額ですが、件数ベースで見てみると、厚生労働省が292件で、単独で全体の過半数を占めています。
同省は過去10年間にわたって毎年もっとも指摘件数が多く、いわば報告書の〝常連〟と言えます。
同省の指摘項目を見てみると、医療費の過大給付が目立ちます。実際よりも高い保険点数で算定していたり、初診料を二重に加算していたり、本来定められた区分とは異なる高価な医療行為として給付していたりと、さまざまな過誤によって、10億円以上の医療費を過大に支出しているそうです。
失業保険や生活保護の給付でもそれぞれ数千万円の過大給付がありました。
報告書では、社会的に話題となったさまざまなテーマについても取り上げています。
新国立競技場をめぐるずさんな管理運営体制が問題となった日本スポーツ振興センター(JSC)では、新国立の建設計画に絡む設計業務などで、書面による正式な契約を交わさないまま業者に多数発注を行っていたことが明らかになっています。
また、STAP細胞論文問題のあった理化学研究所では、同細胞にかかる不正の調査に要した費用は9170万円、これまでに研究に投じてきた費用が5324万円だったことを検査院が明らかにしました。
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