日本新聞協会は、財務省案は消費者に様々な負担と混乱を強いるもので、税制としてきわめて問題が多いとして反対を表明しました。
また、日本書籍出版協会など出版4団体も財務省案に反対を表明しました。
財務省案とは、消費税率10%時の負担緩和策として、飲食料品等の税率2%分を還付する案(仮称:日本型軽減税率制度)をいいます。
具体的には、消費税率を10%に引き上げる際、全品目に10%の税率を課した上で、飲食料品等(酒類を除く)の増税分の一部を限度額の範囲内で「ポイント制」により還付する仕組みで、飲食料品の消費税額を把握するためマイナンバーカードを活用するとしております。
新聞協会は、この案の最大の問題として、事業者の事務負担軽減を優先して、その分を消費者にしわ寄せていることだと指摘しております。
出版4団体も、
①購入時の支払いには10%が一律にかかるため痛税感の緩和にはならない
②還付金額には上限が設けられるので、負担軽減の効果が減殺される
③マイナンバーカードの活用が前提となっているが、カードの読取り機を全国の小売店に設置する費用が膨大になり、そもそも、システム構築が10%引上げ時に間に合わない。
④カードの紛失や盗難などで、個人情報が流出する危険性があるなどの問題点を挙げております。
新聞協会は、これら構造的な問題を抱えている以上、 今回の財務省案あるいはこれに類する事後還付方式の消費税軽減措置を導入すれば、国民生活に混乱を招くことは必至として、今回の財務省案のように、消費者の負担軽減という軽減税率の趣旨が損なわれる措置ではなく、軽減税率制度を導入することを求めております。
また、出版4団体も、税率10%引上げ時には書籍・雑誌・新聞等(電子媒体を含む)を軽減税率の対象とするよう求めております。
ヨーロッパの先進諸国やアジア諸国と同様、民主主義と文化の基盤となっている新聞等については、知識への課税は最小限度にとどめるべきという社会政策上の観点からも軽減税率を適用すべきだと主張しております。
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