「キャッシュレス」の波が押し寄せ、お金は大きな変化を遂げようとしています。
いまや世界においての支払いは、クレジットカードや電子マネー、スマホなどで済ませるスタイルが浸透しています。
クレジットカードや電子マネーの魅力は、お釣りや小銭のわずらわしさから解放される点が一つです。
中でも便利なのがスマホの決済です。
お財布からお金やカードを取り出す必要がなく、スマホをかざすだけで支払いが完了。
荷物があっても片手で決済できるので便利です。
また、ランチや飲み会で割り勘をするとき、同席者がLINEのアプリを持っていれば、同席者同士、1円単位で送金できます。
結果、小銭がなくて、だれかが多く払うといったこともなくせます。
もう一つのメリットはお金の管理のしやすさです。
カードや電子マネーの中には、利用履歴がパソコンやスマホで確認できるものがあります。
レシートをとっておかなくても、何にお金を使ったか、合計額がわかり、自身で集計するよりも管理が簡単になります。
メリットは利用者だけではありません。現金の比率が低くなれば、店側は現金を盗まれる心配が減り、警備にかかる経費を削減できます。
また、銀行などはATMの数を減らすことになるので、ATMの維持・管理のコストが減少、それに伴いお金の輸送も減るので犯罪に巻き込まれる危険性も少なくなります。
ほか、小売店ではレジのお金を数えて、残高を確認する必要もありません。
お釣りを間違えるといったミスも減らせます。
こうした数多くの利便性の高さに気づいた顧客や店が増えることで、さらにキャッシュレス化が進むと考えられます。
世界の多くの国でキャッシュレス化が進んでいます。
中でも、最先端をいくスウェーデンでは、「現金お断り」を掲げる店もあります。
また、銀行の多くがATMの閉鎖に取り組んでいる状態です。
隣国の韓国もキャッシュレス決済が浸透しており、比率は90%に及ぶといいます。
日本では、財布からお金を出す光景が一般的で、キャッシュレス決済の比率は18%程度にとどまっています。
とはいえ、日本でも、国を挙げてキャッシュレス化に取り組んでいます。
検討会では、2025年までにキャッシュレス化を40%に拡大し、将来は80%を目指すといいます。
最近では、消費税率引き上げに合わせ、キャッシュレスで決済した消費者にはポイントを還元するといった施策が検討され、話題になりました。
企業にとって、キャッシュレス化のもう一つのメリットはマーケティングデータが得られることです。
カードや電子マネーで支払いを済ませると、履歴から顧客の年齢、性別、住まいなどのデータが蓄積されます。
さまざまな属性のデータから、属性ごとに、どのような商品を好むかがわかるようになります。
結果、自身の店でどの商品をすすめるのが良いか、売上をあげるのに役立つ情報が得られます。
スマホ決済の利用者が増える中、今、多くの企業がキャッシュレス関連の市場に参入しています。
運営会社の収益源は手数料です。
キャッシュレス化が進めば進むほど、多額の利益が見込めます。
このほか、支払いのシステムを構築するIT企業や、データを活用し、新たな提案をするコンサルタントなど、キャッシュレス化を取り巻く市場には多くのビジネスチャンスがあります。
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