そのうち、短期間の実地調査で非違を指摘する「着眼調査」は2万1226件で、前年から2割増えています。
また文書や電話によって来署依頼をする「簡易な接触」は前年よりわずかに減少したものの、約58万件と調査件数全体の9割を占めました。
脱税の手口なども複雑化するなかで、短期に集中的な調査を行って実績を上げている状況がうかがえます。
税務調査の種類は大きく4つに分けられます。
まず高額、悪質な脱税などに時間を掛けて取り組む「特別調査」があり、これには着手から終了まで数カ月かかることも珍しくありません。
次に、下調べの上で数日かけて現場で調査を行う「一般調査」があり、税務調査と聞いて思い浮かべるような最もスタンダードな手法がこれです。
さらに短く、半日ほどの現場調査で終える「着眼調査」があり、この3手法を合わせて、現場に赴く「実地調査」と呼ばれます。
唯一、実地調査に当てはまらないのが、文書や電話によって来署依頼をするなどの方法によって申告を修正させる「簡易な接触」で、これは税務調査の法的手続きが厳格化された2013年以降、激増しています。
国税庁によれば、今年6月までの1年間に行われた約65万件の所得税調査のうち、「特別調査」と「一般調査」の合計は4万9012件で、前年より1千件ほど増加しています。
注目したいのは3つ目の「着眼調査」で、前年1万7973件だったところが、今年は2万1226件と、一気に2割増加しました。
国税庁は近年になり、重点的に取り組むテーマとして税務調査の〝選択〟と〝集中〟を挙げていて、高額な不正が見込まれる案件には人や時間などのリソースを大量投入する一方で、それ以外の軽微な不正については省力化を図っていくというメリハリ化に取り組んでいます。
半日程度で終わる着眼調査の増加は、国税のそうした姿勢の表れと言えそうです。
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