土地の譲渡益に対する重課措置は、1973年(昭和48年)に、地価の高騰を背景に法人等による土地投機の抑制を図る目的で創設されたもので、同制度は、個人が棚卸資産である土地等又は雑所得の基因となる土地等を譲渡した場合には、所有期間が5年以下の土地等の譲渡による事業所得又は雑所得については、他の所得と分離して、譲渡益の52%(所得税40%+地方税12%)を、譲渡所得は39%(同30%+9%)をそれぞれ重課するものです。
一方、法人に対する土地の譲渡益については、通常の法人税に加え、所有期間が5年以内の短期所有のものは10%、5年超の長期所有のものは5%が追加課税されます。
しかし、これらの重課措置は、バブル崩壊以降、地価については長期的な下落傾向にあったため、土地の流動化を通じた土地取引の活性化や有効利用を促進する観点から1998年から停止され、現在も土地取引の停滞が懸念されることから、重課の課税停止措置が延長されたと思われます。
また、「優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、一般的に住宅・宅地開発は事業期間が長く、コストやリスク等が高くなっていることから設けられたもので、公的機関等への土地の譲渡を容易にするほか、一定の優良な事業を行う民間事業者等の用地取得を円滑化し、事業に要する期間の短縮化、事業に係るコストやリスクの軽減を図っております。
同特例は、所有期間が5年を超える土地等の譲渡のうちに、国や地方公共団体、一定規模の土地の造成を行う業者に優良宅地の造成等の譲渡がある場合に限り、税率が軽減されます。
該当されます方は、ご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、平成29年11月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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