平成28年度の1円玉の新規流通が4年ぶりにゼロになる見通しです。
電子マネーやスマートフォンのアプリを使った決済が普及したことで、1円玉などの少額硬貨の使用頻度が少なくなっているのが要因です。
財務省は昨年末、28年度の1円玉製造枚数の計画を従来の100万枚から55万枚に減らしました。
その用途も記念硬貨などにするものであるため、このままだと同年度は通常のルートで流通する新しい1円玉は出てこない見込みです。
1円玉の流通の減少傾向は最近始まったことではありません。
財務省は22~24年度にも新たな流通をさせませんでした。
しかし、26年4月の消費税率8%への引き上げで、1円玉の需要が膨らむと判断して25年度からは新規流通を再開していました。
ところが「Suica(スイカ)」など電子マネーの利用拡大が加速。
日銀が今年2月に公表した統計では、電子マネーの去年の累計決済金額が前年比1割増となり、5兆円の大台を始めて突破しました。
米アップルのアイフォーンを使った決済サービス「アップルペイ」が昨秋に国内で開始したことも後押ししていると見られます。
このため、新たな流通の必要性は薄れていると判断されました。
一方、1万円札は前年度比17%増の12億3千万枚の発行計画で、8年ぶりに増加しました。
訪日外国人客が百貨店などで買い物をする際に現金を多用していることや、金利が低いなかで、自宅などでタンス預金をする高齢者が増加したことなどが影響していると見られます。
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