生命保険のうち、死亡保障のついた商品の保険料が来年4月から引き下げられる見込みです。
平均寿命が延びて死亡リスクが減少したことが原因で、生保各社は来年に向け、新たな保険料の素案作りに入りました。
引き下げられるのは、被保険者が死亡すると保険金を受け取れる「死亡保険」の保険料。
現行よりも、契約期間が決まっている定期保険ならば最大で25%、一生涯保障が続く終身保険でも5%ほど値下げされる見通しです。
保険料引き下げの背景にあるのは、来年4月に発表される「標準生命表」の改訂です。
標準生命表は、公益社団法人日本アクチュアリー会が作成する、日本人の寿命や年齢ごとの死亡率などのデータを基に「おおよそこれくらいの年齢で死亡する」という数値を算出したもの。
保険会社はこの標準生命表をもとに、保険金に応じた保険料を設定しています。
同表は平成8年に初めて作成され、11年後に初めて改訂されました。
そしてさらに11年後の30年4月、再改訂された標準生命表が適用されることになります。
改訂されれば、近年の平均寿命の延びを反映して、死亡率が引き下げられることは確実で、そうなると掛金を払い込む期間が延びる掛け捨て型の死亡保険では保険料が下がるというわけです。
もっとも標準生命表の改訂は契約者にとってプラスの影響だけを及ぼすわけではありません。
平均寿命が延びれば、がん保険などの医療保険は、その分保険会社の支払いが増えることになります。
そのため終身の医療保険は、逆に3~5%ほど保険料が値上げされる可能性もあります。
改定された保険料は、新規契約分と契約を更新した人が対象となります。
既存契約については適用されない見込みです。
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