日銀は金融政策を若干修正しましたが、いぜんとしてマイナス金利を継続しています。
日銀は「マイナス金利にすれば貸出金利が低下し、設備投資が増加することによって、実体経済が活性化する」と言っています。
果たしてそうなるでしょうか。
金利低下が設備投資に与える影響を損益計算書の表示を通して考えてみましょう。
設備投資は二つの側面から見ることができます。
一つは実際に機械や工場などの実物資産に投資することに伴い生じるものであり、もう一つは設備投資を行うときに付随的に発生する金融面に関するものです。
この両者は損益計算書で明確に分離して表示されます。
実物資産に対する投資は大別して増収効果と合理化効果の二つの効果が期待できます。
増収効果は生産量の増大や品質の改善により売上高増大を狙ったものであり、合理化効果は生産効率や販売効率の改善により製造原価や販売費および一般管理費の減少を図るものです。
増収効果も合理化効果も営業利益の増加を目指します。
一方、設備投資をするには資金調達が必要になり、資金調達に際してコストが発生します。
多くの場合、銀行から借入金を起こすことになりますが、銀行に支払う金利は支払利息として営業外費用に計上されます。
自己資金で設備投資をする場合は営業外収益の受取利息や受取配当金の減少として表示されます。
どちらにしても資金調達関連コストの増加は営業利益には影響を与えず、経常利益から変動することになります。
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