2018年10月14日日曜日

酒税の税率構造の見直しと日本ワインの表示ルール開始

◆ビール系飲料とその他の発泡性酒類の税率

 ビールメーカーが税率格差を意識して新ジャンルの開発に力を注ぐ状況は、国際競争力の促進の足かせになるという指摘やクラフトビールへの関心の高まりなどの状況があり、平成29年の税制改正により税率格差の解消が図られています。

 具体的には、ビール系飲料は一律155,000円に、その他の発泡性酒類は対象範囲をアルコール度数11度未満(改正前・10度未満)に拡大した上で100,000円とされます。

◆清酒の減税とワインの増税

 醸造酒類について、平成29年の税制改正で基本税率が100,000円となります。

 しかし、この改正に伴い、清酒と果実酒(ワイン)の特例税率は廃止されて基本税率に一本化されますので、清酒は20,000円の減税、果実酒(ワイン)は20,000円の増税となります。

◆税率改正の実施時期

 上記の税率改正の施行時期は平成32年10月1日とされています。

 しかし、急激な変更は消費者への影響が大きいことから、平成32年10月1日から段階的に税率変更が実施されることとなっています。

◆「日本ワイン」の表示ルール開始

 ここ十数年で酒類の分類が大きく見直されましたし、税率変更だけでなく、消費者ニーズへの対応など、酒類業界は今、大きな転換期を迎えているように思います。

 その1つとして、平成30年10月30日から開始される、「日本ワイン」の表示ルールがあります。

 これまで国内にはワインに関する公的な表示ルールが存在しませんでした。

 そのため、輸入した濃縮ぶどう果汁などを原料としたワインも「国産ワイン」と呼ばれていましたが、表示ルールでは、国産ぶどうのみを原料として国内で製造したワインを「日本ワイン」として表示することができるようになります。

 また、「日本ワイン」に限っては表示ができるだけでなく、一定のルールに従って、①地名、②ぶどうの品種、③ぶどうの収穫年をラベルに表示することもできるようになります。

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