国税局は「法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額」を資本的支出と言っています。
ですからそうならなければ修繕費ということです。
しかしその判断は非常にあいまいかつ微妙で、その判断に迷う場合は結構あります。
国税当局もそのへんは認識しており、形式基準を公表しています。
その内容を整理し、迷った時の判断基準にしましょう。
第1次判定……支出金額が20万円未満か又はおおむね3年以内の周期で発生するかどうかで判定、該当すれば修繕費で処理します。
第2次判定……次に明らかに資本的支出になるもの、明らかに修繕費になるものがあれば、それぞれ資本的支出、修繕費で処理します。
第3次判定……第2次判定で処理した残額が、次のイ、ロのいずれかに該当すればその残額を修繕費で処理できます。
イ.60万円未満
ロ.修理・改良等を行った資産の前期末現在の取得価額(未償却の帳簿残高でなく買った時の価額)のおおむね10%相当額以下
第4次判定……第1次から第3次判定の基準でも判定できない場合には、その部分については「7:3基準」を適用して形式的に区分することも可能です。
この「7:3基準」とは、法人が継続して①その金額の30%相当額か、②その修理・改良等をした資産の前期末における取得価額の10%相当額の、いずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときはこれを認めるとされています。
◆請求は一括でなく詳細に
上記はいずれにせよ修繕費か資本的支出か判断できない場合です。
判断できない場合とは往々にして修理もしたけどついでに補強や機能のUPを図ったような場合で、請求が一括でどこまでが修理かわからないといった場合が多いのです。
そのため、修理と補強や機能UP部分が明確になるように請求書を記載してもらうことが肝心です。
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