被相続人の預貯金は相続人同士で自由に話し合って遺産分割できず、民法で定められた通りに各相続人が受け取るという最高裁の判例が見直されることになりそうです。
これによって遺産分割で預貯金も不動産や株式などの資産と同様に扱われます。
遺産相続の際の預貯金の取り分をめぐって争われている審判で最高裁大法廷は10月19日、当事者双方の意見を聞く弁論を開きました。
大法廷は判例変更が行われる際に開かれるため、判例が変更される可能性が極めて高くなります。
判例が変更になれば、預貯金が相続人の話し合いで遺産分割することができ、相続人全員の合意がなくても、裁判所の判断で事例に応じた配分が可能になります。
判決は年内に出される見通し。
遺産分割は、遺言書がないときや、遺言書に記載されていない財産が見つかると相続人が話し合いによって取り分を決めるのが基本。
相続人全員の合意が得られず、話し合いが決裂すると、裁判所に判断を仰ぐことになります。
不動産や株式などについては裁判所に申し立て、取り分を決定することができますが、預貯金については審判の対象外とされ、取り分は民法の規定に従って相続するとされていました。
それは、最高裁の判決で預貯金のように分けることができる債権は「自動で(法定の相続分を)受け取れる」と示され、この判例に基づき預貯金は原則として、話し合いによる遺産分割の対象に含めてこなかったからです。
ただし、裁判所の実務では相続人全員の合意があれば、預貯金を遺産分割の対象に含めています。
例えば、遺族ふたりで法定相続割合が2分の1だったときに、協議の結果、ひとりは預金が7割、もう一人は土地と預金3割を相続するというようなことが行われてきました。
しかし、相続人全員の合意が得られない場合が問題になっていたのです。
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