日本公認会計士協会は、2017年度税制改正意見・要望書を公表しました。
それによりますと、「政策的要望」と「個別的要望」に分類し、主としてわが国の税制の構造的問題に関して意見・要望を行う「政策的要望」では、税の中立性の原則に立脚し、IFRS普及の妨げにならないよう必要な法人税法改正を行うことなど合計8項目の意見・要望を行い、「個別的要望」では、税目ごとに合計60項目の意見・要望を行っております。
政策的要望において、法人税法における課税所得計算と企業会計の調整について、
①税の中立性の原則に立脚し、IFRS普及の妨げにならないよう必要な法人税法改正を行うこと
②法人税法の改正に当たっては、企業会計の基準を十分に尊重することを要望しております。
IFRSの国際的な普及が進むなか、企業が選択できる会計基準の幅が広がる一方で、税における損金経理要件が妨げとなり、この点、税の中立性を損なうおそれがあると指摘しております。
そして、IFRS等の上場企業に適用される会計基準や法制度をめぐる論議を注視した上で、税務と会計が結果として異なることもあり得ることを前提に、別表上申告調整したものも会社の確定した意思表示として広く認めるなどの損金経理要件の見直しを弾力的に検討することを求めております。
また、法人税法の改正にあたっては、企業会計の基準を十分に尊重し、会計と税務がいたずらに乖離することのないよう、見直し又は配慮も求めております。
さらに、消費税の軽減税率制度及びインボイス制度については、
①消費者及び事業者が混乱しないよう軽減税率の対象品目の区別が明瞭な制度設計をすること
②軽減税率制度の導入に当たっては、新たな益税が発生しないよう配慮すること
③軽減税率制度とともに導入されるインボイス制度について、事業者において混乱のない導入可能な制度設計とすること
の3点を要望事項として掲げております。
今後の税制改正の動向に注目です。
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