政府は平成29年度税制改正大綱に、高層マンションの上層階の固定資産税額引き上げを盛り込む方針を固めました。
固定資産税評価額と実勢価格の開きを利用した「タワマン節税」に、とうとう課税強化の網がかけられることとなります。
マンションの固定資産税には「階層」という概念はなく、1階であろうと50階であろうと、同じ面積には同じ税額がかかっています。
検討している新たな計算方法は、高層階ほど重負担に、低層階ほど軽負担にするというもの。
おおよそ20階を境界線とし、それより上の階であれば固定資産評価額が現在より高くなるそうです。
具体的な算定方法などは今後詰めるため、どの階層からどの程度税負担が増えるのかは未確定。
政府は年末までに骨格を固めて税制改正大綱に盛り込み、早ければ再来年から新制度を開始する方針だとしています。
今回の改正の目的は「実売価格と固定資産税評価額のギャップ」の解消です。
50階以上あるようなタワーマンションでは、低層階との価格差が1億円以上開くことも珍しくないため、資産価値に差があるのに固定資産税が同一なのは不公平だという声が挙がっているというのが、与党の説明する見直しの理由です。
さらに、近年富裕層の間で行われてきた相続税対策の手法である「タワマン節税」が狙い撃ちされることになります。
不動産を相続財産として評価する際には、固定資産税評価額が算定基礎として用いられます。
つまり階数やカド部屋といった要素は考慮されません。
先述したように、マンションの分譲区画の固定資産税評価額は階数にかかわらず同一。それに対し、実際の取引価格は高層階ほど高くなる傾向があります。
タワマン節税はその差を利用して、相続税負担を抑えるスキームです。
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