2016年12月22日木曜日

所得税調査で発覚した所得隠匿事例

 平成27年度の所得税調査・消費税調査で発覚した申告漏れ事例を3つ紹介します。

 A氏はタックスヘイブン(租税回避地)であるX国に法人を立ち上げ、知的財産権を譲渡しました。

 法人はその知的財産権を、X国の居住者に買い値の数十倍の価格で転売。

 その利益の一部をA氏が受け取っていました。

 法人は事業実態のないペーパーカンパニーであり、知的財産権の譲渡益は実質的にA氏の所得でした。

 A氏は結局、国税当局から申告漏れ所得に課税されます。

 なお、A氏は「国外財産調書」を提出しておらず、未提出者へのペナルティーである「過少申告加算税額の5%加重」が適用されました。


 次に、個人事業とは別名義での口座の取り引きを隠していた事例を紹介します。

 海外から仕入れた商品のインターネット販売やネットオークションを行っていた個人事業主B氏は、他人名義の口座であれば当局に捕捉されないだろうと判断し、従業員名義の口座でも取引していました。

 従業員名義の口座については申告しなかったそうです。

 従業員の口座に加え、インターネット上の個人認証IDもB氏が管理していたため、当局はすべてB氏の事業上の所得であると判断し、所得税と消費税の追徴課税をしました。


 最後に、架空の領収書で利益を圧縮していた人の事例です。

 不動産譲渡所得があったC氏は、税務署に申告書を提出する際、実際の取り引きよりも低い額が記載された契約書と、架空の領収書を添付しました。

 C氏の狙いは譲渡価格を低くするとともに経費を高くすることによって税額を抑えるというものでした。

 国税当局の追及の結果、不動産の買い主と共謀していたことが発覚しています。

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