2015年5月28日木曜日

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税


《結婚・子育て資金の一括贈与の非課税創設》
平成27年4月より「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税」制度がスタートしています。
こちらは「教育資金の一括贈与」の「結婚・子育て」版です。信託協会によれば平成26年12月現在の教育資金贈与信託の契約数は101,866件、信託財産設定額合計は6,973億円だそうです。「高齢者資金を若年世代に移転する」という政策意図に見事にはまったものといえるでしょう。このような「成功例」もあり、今回の税制改正で「結婚・子育て資金」の非課税制度の創設をみた訳です。
《「通常額」を「その都度」支出する場合》
もともと、扶養義務者から「生活費」又は「教育費」として贈与を受けた場合には、①金額が通常必要と認められるものであり、②必要な都度、「生活費」「教育費」に充てられるものについては、贈与税の非課税とされています。子・孫が父母・祖父母から婚姻後の生活を営むために通常必要とされる家具什器等の購入資金とするために贈与した場合もこれにあたります。また、結婚式や披露宴の費用を親などが負担した場合も、式・披露宴の内容や招待客との関係、地域の慣習の事情に応じて、本来負担すべき者に分担されている場合には、贈与に当たらないこととされています。
《「一括贈与」のニーズの高まり》
ただし、「将来の結婚のために渡しておきたい…」という場合には、「通常額」を「その都度」という要件にあたらないため、贈与税の課税対象となってしまいます。このような「一括贈与」を対象として設けられたのが今回の非課税制度です。
20歳以上50歳未満の方が「結婚・子育て資金」に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、直系尊属(父母や祖父母)から①信託受益権を付与された場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預け入れた場合、又は③書面による贈与により取得した金銭等により証券会社で有価証券を購入した場合には、それらの価額のうち1,000万円までの金額については、金融機関等の営業所等を経由して「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出することにより贈与税が非課税となります。

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