国土交通省が公表した2018年の基準地価によれば、今年の全国の地価の平均(全用途)は前年度比0.1%上昇し、バブル期の1991年以来27年ぶりに上昇となりました。
前年まで8年連続でマイナス幅を縮小し、17年は0.3%の下落にとどめていましたが、とうとうプラスに転じたことになります。
東京、大阪、名古屋の三大都市圏は住宅地で前年比0.7%、商業地で4.2%、工業地で2.1%と、それぞれ前年に引き続いての上昇となりました。
全国の地価上昇を押し上げた最大の要因は、三大都市圏よりもむしろ地方中枢都市です。
札幌、仙台、広島、福岡の地方中枢4都市は、住宅地で3.9%、商業地に至っては前年比9.2%という三大都市圏をはるかにしのぐ伸びを示しました。
また中枢都市以外に、人気の観光地を抱える自治体の地価上昇も著しいものでした。
全国の地価上昇率ランキングを見ると、スキーリゾートとして外国人に人気の高いニセコを抱える北海道倶知安町が上位3位を独占し、20%台後半から45%とすさまじい上昇率を誇っています。
また国内観光客にも人気の高い京都も4地点がランクインし、東京や大阪をしのぐ伸びを見せました。
一方、中枢都市や観光地以外の地方都市に目を向けると、マイナス幅は縮小しているものの下落が続いています。
住宅地では0.9%、商業地でも0.6%の落ち込みを示し、上昇が続く都市圏とは対照的に、地価の二極化傾向をくっきり表す結果となりました。
基準地価は毎年7月1日時点での全国の地価を表したもの。
1月時点での地価を調査する公示地価と補完し合う関係となっています。
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