マンション内の事務所部分の固定資産税の算定方法をめぐって、不動産業者が札幌市を訴えていた訴訟の判決が札幌地裁で出ました。
裁判長は「市が用いた税額の算定方法は地方税法に違反している」として、本来の税額との差額に当たる計約61万円の支払いを市に命じました。
原告の業者は市内の10階建マンションの事務所部分を取得。
一度は固定資産税や都市計画税などを納付したものの、算定方法に不服があるとして提訴していました。
市はマンションを住居部分と事務所部分で分け、それぞれに異なる「経年減点補正率」を掛けて、合計額で税額を決定していました。
事務所に対する補正率は住宅よりも高いため、税額もその分上がることになります。
しかし裁判長は、「地方税法は用途で区分して評価することを予定していない」として、建物の主な用途が住居である以上、建物全体の価格を住居として定めて専有する床面積に応じて税額を算定すべきとしています。
マンション事務所に対する固定資産税の評価方法は自治体によって差があります。
札幌市と同様の方法を用いている自治体も多く、札幌地裁の判決は全国の固定資産税の評価方法に影響を及ぼす可能性もありそうです。
固定資産税は、自治体が税額を計算して納税者に通知する「賦課課税方式」をとっているため、税理士などプロの目が入る所得税や法人税などに比べて、納税者が税額の誤りに気が付きにくいとされます。
しかし近年、全国的に固定資産税の過徴収が発覚したことから注目が集まっています。
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