Aさんは、「着飾った自分の姿」をウェブカメラで映し、専門サイトに登録する男性会員とライブチャットをしていました。そして、男性会員のアクセス時間に応じた報酬がサイトから支払われていたそうです。
しかしAさんは所得税の確定申告をしていなかったため、税務当局から所得税の各決定処分と無申告加算税の各賦課決定処分を受けました。
争点は、税務当局が認めなかったライブチャットの必要経費。パソコンやウェブカメラの購入費用、衣服代、部屋の装飾費用、美容に関する費用などを必要経費として認めるべきだとAさんは主張しました。
国税不服審判所の判断は、まずパソコンの購入費については、一部経費にすることを認めるものでした。Aさんのライブチャットの〝主戦場〟は、リビングダイニングに設置されたデスクトップ。しかし、ノートパソコンを使って寝室や風呂場でやり取りをすることも多かったといいます。
審判所はこうしたことも踏まえ、それぞれ業務の用に供していたと認めました。また、映像を配信するためのウェブカメラは「備品費」、インターネットの接続料金は「通信費」として必要経費だとしました。
一方、衣服代や部屋の装飾費用、美容に関する費用などは、審判所も税務当局同様に必要経費と認めませんでした。 例えば衣装代。Aさんは「同じ衣服や下着を着ているとあきられる」として、バリエーションを増やすために大量購入。セーラー服や水着など、コスプレのような服を着ることもありました。
しかしこれらは、「業務のために必要なもの」とは認められず、さらにそもそも商品を購入した事実を証明する証拠が不十分だったため、必要経費にはならないと審判所に判断されたのです。
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