パチンコや携帯電話の利用者に負担を求める新税の創設について、来年度税制改正には盛り込まない方針を政府・与党が固めました。「消費税の再増税と同時並行は困難」というのが理由です。
パチンコ税は、客が出玉を直接換金することを合法化したうえで、客が受け取った現金に税金を課すというもの。この場合、所得税に該当することから、年間の勝ち負けを通算する必要が出てくるなど導入には課題がたくさんありました。さらに、パチンコ客による景品交換所での換金が古物商への販売行為とみなされて課税されることになれば、新税は一般の中古リサイクルショップなどにも課税対象が広がる可能性があります。
刑法では賭博は禁じられていますが、現在のパチンコは〝グレーゾーン〟に位置づけられていて、店が利用者に景品を渡し、利用者は景品交換所(古物商)で景品を販売して現金を得る「三店方式」で法の抜け道をつくっています。
今回は導入が見送られましたが、税収は1%で200億円との試算もあることから、政府・与党は、今後はカジノを含めた統合型リゾート(IR)推進法案の審議を見守りながら、協議を継続させるとしています。
携帯電話税については、台数ごとに課税する案が浮上していました。今年自民党有志議員が結成した「携帯電話問題懇談会」の会長である中山泰秀衆院議員は、「公共の電波は資源。有限の資源を使用しているのだから税金を払うべき」と課税根拠を語っていました。しかし、そもそも携帯電話各社が莫大な額の電波利用料を国に払っていて、端末使用者からも徴収することになると「二重取り」になる可能性があります。さらに自動車所有者のような公的登録制度がないため、納税者の特定が難しいことも指摘されていました。
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