取り壊して更地にすると固定資産税が6倍に跳ね上がることから、空き家が廃屋同然となっていても解体せずに放置する所有者が多いのが現状です。
こうした問題への国の取り組み方針を規定した「空き家対策特措法」が成立しました。
空き家の所有者特定に固定資産税の課税情報を活用することや、行政代執行による取り壊しを認めるなど、自治体の権限を強化する内容となっています。
倒壊の危険性がある空き家に自治体が対応する際、これまでは所有者の特定に難航して対策に時間がかかってしまうことが多くありました。
新法では、固定資産税の課税情報を利用して、迅速に所有者特定を行えるようにしています。
また、空き家への立ち入り調査も可能となるほか、所有者に対して改善を促したにもかかわらず、無視して放置を続けた場合には行政代執行による解体も認めました。
解体費用は取り壊し後に改めて所有者に請求することとしています。
行政代執行による解体はこれまでも条例によって自治体単位で行われてきましたが、同法によって自治体は国の〝お墨付き〟を得た形です。
政府は、特に危険だと認定された「特定空き家」については、固定資産税の優遇対象から除外するという方針も示しています。
今回成立した法では、空き家対策を実施するための「必要な税制上の措置」を講じると明記。
周辺に危険を及ぼす可能性の高い空き家を特に「特定空き家」として指定し、固定資産税の住宅用地の特例から除外します。
早ければ平成28年からの実施を目指しています。
自治体の権限強化に加えて税制面でも処分を促すことで、空き家対策を円滑に行えるようになるとしています。
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